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Foxryo's Note Pad
お仕事きつね 【 きつねのメモ帳 】
経 営 品 質
〜foxryoが参加したセミナー・講演などからの気づきメモです。本当にただのメモかも〜
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経営品質

>> 26-50
+悩まないで考える
+何でも言える
+無意識を意識する
+仮説をたてる意味
+思考プロセスって?
+卓越した経営の秘密
+大切なことを大切にする
+進化する集団トヨタビスタ高知
+本当のイノベーション
+福井キヤノン/21世紀の「やくダち!や」
+日本を元気にするビデオを作る
+すごいぞ ジョンソン&ジョンソン
+ビジョン共有ってどうしたら?
+支援部門のお客様はダレ?
+価値前提で重要成功要因を考える
+イメージを描く
+アセスメントの考え方
+カルソニックハリソン 雪竹社長のリーダーシップ
+情報の選択
+宮崎本店/日本のロマネコンティを目指す
+V字回復の経営/コマツ産機
+福井県経営品質賞表彰式、千葉夷隅加藤支配人講演
+ロッソえびすやの経営品質向上への取り組み
+北川知事と横田社長
+兵法に学ぶ経営 アサヒビール 中条顧問
+2002年度日本経営品質賞受賞企業報告会

リッツ宿泊記
+リッツ宿泊記(1)
+リッツ宿泊記(2)
+リッツ宿泊記(3)
+ソウルリッツ宿泊記


きつねのお仕事

悩まないで考える  2004年8月1日

先日発刊された大久保寛司さんのCD「仕事のカベを破るヒント」(★)に付属の解説本を読んでいたら、以前大久保さんから伺ったことで「私はこれに気をつけなきゃ」と思っていたことが載っていました。
それは、「悩まないで考える」という一節です。たとえば、「雨が降ったらどうしよう」というのはただ悩んでいるだけ。そうではなく、考えるというのは、「雨が降る確率はどのくらいなのか」、「どの程度の確率で何が起こるのかを想定し、対応策をそれぞれ考える」というものです。
本当は自分は「悩んでいるのか」それとも「考えているのか」それを考える必要があるんですよね。ただ悩んでいるのは思考停止。以前も「そうだ!」と思ったのにまた元に戻ってます。剥がれた鱗はまたくっついてしまうものですね〜。努力しよっと。
★「仕事のカベを破るヒント」大久保寛司が語る「気づきの60話」PHP研究所


何でも言える  2004年7月22日

以前、土曜日にたまたま振替出勤をしていたら、社長がふらっと顔を出しました。その時、ちょうど頭の中が整理できずに煮詰まっていたので、「思考が論理的でないから、文章が組立てられない〜」と愚痴をこぼすと、「そこに気づけていれば大丈夫!」と明るく笑い飛ばしてくれました。いつも社長と話すと元気をもらえるんですよね。
そんなやりとりをしていたら、「何でも言える」という命題を見つけてしまいました。なぜかというと、何でもないことや悩みを話しやすい(≒仲が良い・人間関係が良好)のと、仕事の上で何でも言えるのって全く違いますよね? 良く「あの人は仕事はできるけど人間的にはね」とかその逆で「仕事はできないけどいい人だよね〜」っていうじゃないですか。人間的な所で信頼が生まれたらなんでも言えるようになって、そしたら仕事上でもうまくいくのでしょうか。でも、仕事ができなくて仲がいいだけだったら会社は潰れますよね。
だから、会社組織においては「何でも言える」というところに「目的」が必要なんだと思います。そして、その目的は、高い顧客価値を生み出し続けることです。ビジョンを実現する戦略を立て(ミッション・価値観に適ったもの)、ビジョン達成に向けて日々の業務の意思決定をし、行動を起こす、ことです。それらをメンバーが共有して、そこを目指していくためのコミュニケーションにおいて、「何でも言えること」が必要なんですよね。それが「自由闊達な風土」ということですよね。
ただ、ここにも成熟度があるように思います。

@自分の言いたいことを好きなように話す
A建前論で話を展開する、儀礼的に相手の話を聞く
B相手の立場に立って話せる(相手の存在を認め、意思疎通ができる)
C自分の考え方の背景を考えながら対話ができる
D全体を見据え、目的を持った、深い双方向の対話ができる

Dができている組織では、自分たちの大切な価値観を共有することで、さらに話し合いの質が高まり、学びあうことによって、戦略の策定や日々の業務の中においても新たなものを作り出し、成長し続けることができるのではないでしょうか。


無意識を意識する  2004年7月18日

コーチ・エィのメルマガに、部下と話す時、いつも睨む癖のある部長さんの話が載っていました。その部長さんに、「カッコ良く睨んでください」とアドバイスしたところ、その部長さんは「睨む」自分の行為を意識するようになり、最終的に睨むことをやめられたという話が載っていました。 無意識を意識するようになると、行動を変えられるんですね。
では、なぜ無意識を意識しなければならないのでしょう。それは、意識せずに行動していることが、その人の意思決定の結果であり、本心だからです。そして、それはコントロールができなくて、知らない間に良くも悪くも一人ひとりの行動がその組織の意思決定や行動に影響を及ぼすからです。
周りにいる人は、その人の無意識の行動を見て、「この人はこういう意思決定をするんだ」とか、「こういう行動をとるんだ」ということを感じるんです。たとえば、前出の部長さんにおいては、「部下の話はしっかり聞かなきゃ信用できない」というイメージだと思います。そういう部長さんのいる組織はどうなるでしょう。あなただったらどんな行動になりますか?
また、行動だけでなく、発言でも「あれ?」と思うこと、ありますよね。普段「お客様を意識してそこに価値を届けていくんだ」と仕組みづくりを進めている人が、無意識のうちに、「これでお客様を囲い込んで売り上げも増えるぞ」と発言したりすれば、本心は違うんだな、ということになります。そこで周りのメンバーのモチベーションはぐんと下がってしまいますよね。ですから、無意識の意思決定や行動こそ、コントロールすべきなのかもしれません。
では、無意識を意識するためにはどうしたらいいんでしょう? たとえば、一つには、自分が正しいと思うのではなく、人からの言葉を謙虚に受け止め、客観的に自分を見ることです。無意識でやっていることって、人から言われないと気づかないし、言われても「そんなことしてない」と認めにくいこともありますから。
また、素晴らしい組織文化を持つところの話、逆によくない企業文化を持つところの話、そして身近で起こっているいい話・悪い話を聞いて、自分自身を振り返ってみることも大事と思います。
これら2つも大切ですけど、一番有効なのは、自分で気づくことだと思います。どうして自分はそう判断し、その行動をとるのか。自分が無意識に判断している「考え方(思考のプロセス)はどうなんだろう?」と考えることしかないと思います。そうやって、一人ひとりが振り返られれば、組織の状態を変えることができるのではないかと思います。
仮説をたてる意味 
JMAM主催「イノベーション・アセスメント実践講座」からの気づき 2004年5月8日、22日


アセスメントをするときには、組織プロフィールと重要成功要因から、アセスメント項目ごとの評価の視点を仮説を立てて導き出すことが重要です。今回の講座からの気づきは、この評価の視点の「仮説」立ての難しさです。では、何故、仮説を立てることが重要なのでしょうか。
仮説を立てるためには、各カテゴリーの記述を読み進める前に、まず組織プロフィールから重要成功要因を導き出すこと(☆)が必要です。そして、アセスメント項目ごとに、顧客価値や組織価値観、そして重要成功要因を実現していくために必要かつ望ましい取組みや状態は一体どんなものかを推論し、それを論理だてて組立てるのです(A項目について考えます)。その作業は「創造する」といってもいいくらいです。 組織プロフィールと重要成功要因との一貫性を持たせながら、仮説をかなり精緻に組立てることは私にはとても難しかったです。しかし、それを熟考することで、その組織ならではの評価の視点が導き出されてきます。そしてそれができれば、仮説と事実を照らし合わせ、アセスメント基準書のオウム返しではない、組織目的に合致した意味あるコメント作りを行うことができるのです。

☆「組織プロフィールから重要成功要因を考える」
重要成功要因を導き出すためには、次の2つの観点から最低限考慮すべきです。それは、その組織の「バリュープロポジション」の認識、そして「外部環境分析」です。 外部環境分析では、「特に競合する企業の動向・戦略・バリュープロポジション、業界の動向、市場の成長状態、異業種からの参入」といったその組織をとりまく環境を考慮します。

思考プロセスって?  2004年5月26日(水) 三重県経営品質協議会 岡本先生講演会

プロセスというと「ものを作るプロセス」「戦略を考えるプロセス」とフローの描けるものというイメージがあります。今回の岡本先生の講演からの気づきは、「気づき」、「思考」、「対話」といったことにもプロセスがあるということ。それも、コトバとしてはなんとなくわかったつもりでいたことを、もう少し掘り下げて気づけたような気がします。といいつつ、全く「理解」まではいけていません。以下は私のメモです。参考程度で読んでください。

●ものの考え方を変えるプロセス
「意識改革」と良くいう。いったいどうしたらできるのか。これは「自分で変える」しかない。「人にやらされる」では何も変わらない。たとえば挨拶励行。それが何故必要か、なんのためなのかを自ら気づいた時に初めて変わる。自分で気づいて意思決定や行動を変える→これが自己変容。自己変容が起きなければ、変わらない。だから、自分のものの考え方を変えるプロセスを作るしかない。
では、ものの考え方を変える、「気づき」を生み出すプロセスはどうしたらできるのか。自分と世界のありかたを考える。まず周りの考え方や行動に気づく→自分を外面から見ることができる→自分の内面にある「ものごとに対する考え方」に気づくことができる。自らの「限界を知り」、知的謙虚さを持つことが学ぼうという意思・姿勢へとつながるのだ。

●話し合うプロセス
気づきのプロセスと同様に、話し合い方にもプロセスがある。プロセスとコンテンツを明確に分けることがポイント。プロセスは目に見えないもの、たとえば、フォーメーションみたいなもの。コンテンツはテーマ、課題、手法といった具体的に見えるもの。 誰でも会議となると、すぐにコンテンツの話し合いに入りたがる。しかし、そうではなく、会議の進め方として、どのように対話を進めるのか、たとえば、どのような意見が求められているのか、どのような意見をどう聴くのか、どのような意思決定や合意をするのか、判断軸はどこかなど、話し合うプロセスを話し合い、メンバーが納得し、共有することが非常に重要。そこが明確に決まっていれば、ブレなく忌憚ないダイアログが可能になる。 また、話し合う技術、たとえば、KT法、ブレーンストーミングなどの思考ルールやQC7つ道具といった分析ツールを「共有」している=皆で同じ道具や思考方法の基礎を持つことが、ダイアログにとって有効である。
話し合いの目的は、「深く掘り下げる」ことなのである。


●話し合いのマナー
ダイアログのためには、会議のプロセス、話し合いの技術も必要だが、話し合いのマナーを守らせることも重要。ファシリテータの役割は非常に大きい。次のような行動は積極的に話し合いにでてくるメンバーにとってダイアログの妨げとなる
・遅刻常習犯 ・早退常習犯  ・テープレコーダ(いつも同じ長〜い話を始める)
・否定→思考停止になる  ・腕組み  ・ため息  ・迫害者
・目をつぶる ・「ぴんとこないなぁ」という具体性のない意見
・通訳(いちいち「あいつは今こういうことをいいたかったんだ」とまとめる)→2倍の時間がかかる
・ひそひそ話 ・噂話→話が逸れる ・知ったかぶり→会議を面子の場にしてしまう(本音の議論にならない)
・評論家→「結局は勝って官軍だな」とかいう輩  ・お忙しい屋→携帯が頻繁に鳴る
・いねむり  ・不満気な顔、ふてくされた態度  ・駄洒落の連発

●経営革新へのプロセス
「経営革新するんだ!」と大号令をかけても前提がなければそんなものは起きえない。その前提とは、「気づき」→「考える」→「話し合う」ができる組織状態にあることである。この前提があり、深く考えるプロセスが機能していれば、経営革新を生み出すことも可能なのだ。


卓越した経営の秘密  2004年4月9日(金) 名古屋藤原塾

最近のアメリカ企業の状況は二極分化してきている。たとえば、クオリティの高い経営を継続している組織に与えられる、1987年に創設された米国のマルコムボルドリッジ国家品質賞(MB賞)。その受賞企業を90年代から見ていると、ここ数年の受賞企業は明らかに違ってきている。普通の会社では受賞できない、言い換えると、受賞レベルは、「芸術的な経営」なのだ。
たとえば、2003年度の受賞組織の1つに病院がある。そこの顧客満足度は過去数年において、なんと99%。ほとんどの患者が5段階の「5」と評価しているのだ。また、受賞組織の学校では、学力の向上の指標としてテストの成績をとりあげており、2年で2倍となっている。このように、卓越した経営のみが受賞でき、中途半端な経営では受賞できない。 これらの受賞組織には、規模・業種によって、ある特徴がある。

大企業といわれる企業の場合、「報告」、「説明」。どれだけ的確に現状を理解しているか。それを、顧客、社員、社会、そして株主といった企業を取り巻く人々が納得する指標をあげ、説明できることがポイント。
大企業というのは一本の道を貫くことは難しい。なぜなら経営者が代わるから。であるから、なおさら自分たちが何をしているのかといった説明に手間をかけなければならない。そして同時に説得力のある数字を示すことだ。 たとえば、社員に対する教育の投資収益率の必要性。予算を取るときにきちんと説明できなければ予算はとれない。担当者が代わる、代わってもやり続けられる。皆が納得する指標と説明が必要。また、「顧客満足を大事にする」「従業員満足を大事にする」と株主にいう場合。これも何故それが必要なのか、そして最終的に株主のためになることを完璧に説明できることが必要なのだ。

中小企業においては、「いいと思うことを徹底的にやる」こと。中小は1〜10まで中身。企業理念、プロセス、経営者の語る一語一語に中身がある。顧客満足を最大化するといったことに関しても、データや実例がきちんとある。計測している。コトバの裏がきちんとある。中小企業はやっている以上のことは発表しない傾向があるように思う。言ってみれば愚直。中小企業は面白い。人がなんと言おうとトップがいいと思うことをやっている。たとえば、工場内でヘルメットをかぶらない、ということにも全部意味がある。理論でなく、実践した結果や答えがあるのだ。また、昨年の受賞組織にノンバンクの金融機関がある。ここでは徹底的に「統計学」を活用していた。製造業が使う「シックスシグマ」を導入して経営している。ムダとお金を掛けるところを見極めるために使っていた。MB賞創設時の制度説明の中に、「統計学を経営に取りいれると、コスト・クオリティがドラマティックに改善する」というフレーズがあった。それを愚直に実践している事例である。

病院においては、「ES(社員満足)」。ドクターではなく、それ以外の医療スタッフ(ナース、看護士、医療技術者)の手厚い教育を行っているところが顧客満足度が高い。専門家の多いところは専門を勉強させることでESが高まり、最終的にCSが向上している。

学校においては、「校長と親の協力関係」。校長と親がチームワークを組んでいい学校にしようと取り組むと良くなる。

MB賞の受賞企業は取り組みはじめてから受賞まで、5〜6年をかけて変革に成功している。特に中小企業はその会社独自の「〇〇WAY」、やりかたにこだわると良くなるようだ。中小企業に限らず、いい会社というものは、自分の道を知っていて外さない。時代によってやりかたを変えてはいるが、羅針盤のようなものを必ず持っている。
また、リーダーシップについては、3年くらいで形がでてくる。受賞企業のリーダーはカリスマであったり、目立たない横型(支援型)の人もいる。しかしどちらであっても、従業員満足度が非常に高い。末端の従業員まで「この会社で働けて良かった」と思わせるリーダーなのである。
大切なことを大切にする 2004年4月18日(日)

「大切なことを大切にする」。それは、まず「大切なこと」を本当に大切と思うこと、そして、次に「大切なこと」を判断軸として意思決定して行動すること。この「大切なこと」、それは「価値観」。たとえば、あるべき姿や目指す姿、夢、目的といったもののことです。
トヨタビスタ高知の横田社長の「価値前提は追求すればするほど楽しい。一方、事実前提はやればやるほど苦しくなる」という名言。最近、このことを自分なりに考えて消化できた気がしてきました。
「価値前提」で考えると、視野が広がるんです。自分たちの大切にする「価値観」がはっきりしている。これが「前提」です。「大切なこと」がはっきりしている、と、それを軸に、それに向かって想像とか発想とか、自分で考えることの範囲、人を巻き込む範囲、組織を超えて、権限を越えて、思考を広げることができるのだと思います。限界がなくなるといったほうが良いかもしれません。 だからといって目の前の事実を考えないわけではありません。事実を見据え、自分達の力を知った上で、目指す姿と現実とのギャップを知る。でもその事実は制約条件にはならない。逆にそれをバネに知恵や発想が生まれてくる。ここで変革というものは起こるのだと思います。そして、一人ひとりが自分自身のリーダーシップを発揮して、小さな成功が得られたら、自信がついて、自分や関わる人すべての能力まで高まっていくのだと思います。きっと、だから楽しいんです。
一方、事実前提で考えると視野が狭くなってしまうのです。目の前の事実、たとえば、時間がないだとか、予算がないとか、人がいないとか、自分の権限では出来ないとか、「あの人がこう言ったから」と他人や上司、他部門のせいにしたり、といったように事実を自らの思考の制約条件にしてしまう。大切にする価値観がないために、事実の中だけで対処しようとなり、発想に限界ができてしまうのではないでしょうか。とりあえず目の前の事実だけで対処をする「もぐら叩き」に陥るのです。だから苦しくなる。 岡本先生が良く言われる、価値前提は未来への適合、そして事実前提は過去への対処なのかなと考えます。

この「大切なことを大切にする」こと。それは、組織を構成する人が多いほど、とっても難しいと思います。たとえば、GEでは素晴らしい実績を上げている人でも「大切なこと」を大切にできない人には退社してもらいます。それは「大切なことを大切にしている」行動を評価するってことですよね。それはみんなが納得する評価であり、「大切なこと」に向かうチームワーク、そして風土の醸成へと繋がるのでしょう。
そのような評価をするためには「大切なこと」が明確でなければなりませんよね。そして「大切なことを大切にしよう」ということを一人ひとりが納得して、組織内で共有していることもです。これができない組織ではいくら「価値前提で考て行動しろ」といわれてもできっこありません。また、これができていないと組織はバラバラに動きます。ですから、まずそこが一番難しいところだと思います。 「大切なことを大切にする」、そのことを繰り返し繰り返し共有して納得して、そして価値観を軸に皆が自律的に判断し行動する。そんな企業が変化を創り出すのかもしれません。

進化する集団トヨタビスタ高知 2004年2月20日(金)
2003年度日本経営品質賞受賞企業報告会/2日目 


この報告会では、過去3年の受賞企業から、その後の取組みについてのプレゼンがあります。プレゼンターは大抵、企業のトップや推進責任者なのですが、ここ、トヨタビスタ高知は違います。なんと入社3年目の女性社員を含む、第一線の社員4名という陣容でした。どんな展開になるのかと楽しみにしていたところ、予想を上回る素晴らしいプレゼンで、組織成熟度の高さをひしひしと感じました。
武蔵野の小山社長が自社の取組みを発表されたときに、奇しくも「第一線の社員まで理解・浸透できているかは、プレゼン等の時に部長からではなく、第一線に発表させるんだよ。そうすれば上司が部下に必ず教えなきゃならないでしょ」とおっしゃったように、仕組みで固めているところを、ビスタ高知は価値感の共有だけでやられているスゴさを感じました。

たとえば、しきり役?の菊地さんが、まず最初に「進化する集団トヨタビスタ高知です」と口火を切り、変化するのではなく、「真のサービスとは」を考えながら、前に向かって進化し続けている、ということをおっしゃっていたこと。
また、前述の女性社員(ショールームスタッフの渡邊さん)が、「マナーとは、ルールで決まっていることをするのではなく、相手がどう感じているかを考えて行動すること」ときっぱりおっしゃっていたことです。これは、ビスタ高知に来店されるお客様に、「来店された時、車のナンバーを確認してお客様の名前を声掛けする」というサービスについてのコメント。お客様の車が駐車場に入れず路上に何台も並ぶくらい混んでいる時に、@車のナンバー確認、A受付けまで戻り、お客様情報とナンバーを照合して名前の確認、Bお客様の車まで戻って疲れた顔で声掛け となってしまう。お客様に喜んでいただくことが本来の目的なのに、ルールで決まっている名前を呼ぶことのほうが目的になってしまう。これではお客様に喜んで頂けてないのでは?と気づいた、というエピソードを披露されていました。
営業の織田さんは「自分が幸せになるために皆でCSを楽しんでいるんだ」とおっしゃってましたし、エンジニアの阿部さんは「お客様に喜んでいただきたいという共通のテーマを持った組織なんだ」と楽しそうに話していました。
こんなに活き活きとお客様のこと、自分のこと、会社のことを語れる社員を育てている横田社長のリーダーシップにも感動しました。

そのあとのパネルディスカッションで、横田社長が登場され、会場から人材育成についての質問がありました。その時、横田社長は、こう答えたのです。「みなさんは、できるだけ少しの努力で大きな成果を上げようとなさいます。効率は、モノといったハード面では追求できるかもしれませんが、人というソフトの面では難しいと考えています。人という面からは、大きな努力を費やし、小さな成果を上げるくらいが長期的に見て効率が良いのです」。また、そのために、ビスタ高知では300もの努力をされているそうです。コーディネーターから「そのなかから3つくらいご紹介頂ければ」と問いかけがありましたが、それには「300すべての努力には繋がりがあります。ですから、どれかをやれば効果があがるといったことではないのです」。トヨタビスタ高知、これからも進化しつづけると確信しました。
本当のイノベーション 2004年2月2日(月)
「実践!経営品質」出版記念シンポジウム 講師:岡本正耿先生他 


昨今のアセスメントは、「アセスメントをすること」が目的と化しているきらいがある。アセスメントをしさえすれば経営革新が可能だと、全く深く考えずに行っている。アセスメントは、ただアセスメント基準に則ってチェックをすることではない。健康診断でもない。アセスメントの目的は、マネジメントのイノベーションなのだ。そのためにアセスメントという「ツール」をどう活用するかである。組織プロフィールに書かれたその組織の目指す姿に向かって、現在その組織の成熟度レベルがどこにあるのか、そして何をすれば次のレベルになれるのか、未来適合で考える。アセスメントはイノベーションを起こすためのツールである。
イノベーションは他人に教わるものではない。自ら深く考えることである。安易なCS調査やES調査といった手法導入に走るのは大間違いである。業界横並びでは同質化に陥り、イノベーションは起こりえない。自分たちで深く考え、学習する組織を創り上げ、変化し成長し続けることが、本当のイノベーションなのだ。
福井キヤノン/21世紀の「やくダち!や」 2004年1月29日(木)
経営品質アセッサーフォーラム中部 ベストプラクティス研究会 福井キヤノン玉木社長講演会 


福井キヤノンは2002年度福井県経営品質賞知事賞受賞企業。国産初の複写機を販売するという、モノ売りのビジネスを1973年に創業し、時代の変化の波を、経営への考え方の変化、組織の成熟度の変化といったダイナミズムを起こしながら、現在はビジネス情報コミュニケーションのお役立ちパートナーとして、お客様に福井キヤノンならではの価値を提供する企業へと変身しています。
その大きな変化は、創業25周年、1998年の日本経営品質賞との出会い。それまでの同社の経営は、玉木社長の経営感覚に頼りながら成長を遂げてきました。その中で、「お客様視点の活動(ダウンタイム60分、CRM統合ソフト千手観音の開発など)をすると収益が上がる」という実体験などから、「自分の求めている経営はこれだ!」と思われたのだそうです。そして、まずは、「理念づくり」、経営改革の「仲間づくり」、お客様の声を聴く「しくみづくり」に取り組みました。自社の改革に取り組むかたわら、地域全体の活性化を目指し、福井経営品質協議会の創設にも尽力されています。
こうした取組みは、当初、社長主導でしたが、日本経営品質賞、福井県経営品質賞への申請後は、そのフィードバックレポートを活用して経営幹部とともに進めました。3年後、福井県経営品質賞に2度目のチャレンジをし、みごと知事賞を獲得しました。
昨年、トヨタビスタ高知の横田社長との出会いから、人間性尊重の経営の考え方に触れ、社員が活き活きと楽しくやりがいを感じながら自主的に働く姿が、その企業の経営のクオリティレベルなんだと確信。そんな経営を実現するために、これからは、社長自らが変わる。どう変わるかというと、社員を支援する側に変わる。そして、そういう社長を見て、社員が変わる。社員全員が「お客様のお客様」の繁栄までを考え、自主的に経営に参画するようになる。そして福井キヤノンの企業文化が、どこにも真似できない競争力を持った独自の文化に変わる〜。
今年創立30周年を向かえた福井キヤノン。21世紀の「やくダち!や」を目指して、ますますパワーアップしていきます。
●必見! 玉木社長のホームページURL:http://www.fukuicanon.co.jp/tamaki/index.html
日本を元気にするビデオを作る 2004年1月14日(水)
中部経営品質協議会 ベストプラクティス研究会 

真実を映し出す映像屋ブロックス。彼らはこの経営環境の厳しい時代に繁盛している企業を取り上げ、「DOIT!」というビデオを作っています。このビデオには、日本経営品質賞受賞企業、米国MB賞受賞企業などもあり、経営品質を学ぶ際の教材としても取り上げられています。そのDO IT!編集長 西川敬一氏のお話を伺いました。


取材する企業を選定する際の一番の基準は、「そこまでやるか!」を持っている企業。言いかえると、業種業態を超え、独自の抜きん出た何かを持っている企業。そして、実際に自分自身が客として従業員と接してみて、従業員が使命感を持って生き生きと働いているかが、重要な選定ポイントとなる。取り上げた企業の経営者は、皆一様に夢を語る。「どうやったらお客様に喜ばれるか」と「従業員」について熱く語る。「どうやったら儲かるか」では決してない。
また、これらの企業はみな経営理念を社員とともに共有する努力をしている。そういう企業は、取材の折にもバックヤードまで、すべてオープン。だから、本当のドキュメンタリーを撮る事が出来る。繁盛店の従業員は、誇りを持って自ら語りたがる。従業員が自己実現を目指す、利益や売上よりも、思いやりの詰まった会社、そして、お客様に感動を届ける会社、そういう会社が業界常識や既成概念を飛び超えた独自のビジネスモデルを創り上げ、主流になってきていると感じている。そういう企業だからこそ、経営者は価値観を共有するところにエネルギーをかけている。リッツカールトンホテル、トヨタビスタ高知、バグジー(美容室)、いずれも、何年も掛けて価値観を共有し、風土を作り上げている。経営理念がその企業のDNAになっているか、である。
CSとES、どちらが大切かという質問が良くある。私はESだと考える。トヨタビスタ高知の横田社長は、「“ES:従業員満足”を感じている人は“CS:顧客満足”を提供でき、それが“売上”に繋がり、余力ができてはじめて、企業として“社会貢献”ができる」とおっしゃっている。ESといっても、その満足度の判断基準は、給料や休みといった生存安楽という
マズローの5段階欲求説でいう一番低い欲求ではなく、一番高い「自己実現」欲求、つまり、従業員自らが能力の最大発揮、人間的成長を感じたい、というところである。それは、その組織の成熟段階で決まる。彼らはそこまで、徹底して従業員の育成とエンパワーメントをしているのだ。(たとえば、バグジーの従業員がこんなことを言っています。「自分が成長したかどうかは、下の子の成長したかどうかでしか知ることができませんから」。これをミドル層の美容師がフツーに言っていました)
こういった企業をDO IT!の「映像」を通して紹介し、日本を元気にすること、それをこれからも使命にしていきたい。
●DO IT!ホームページURL:http://www.doit-fun.jp
すごいぞジョンソン&ジョンソン 2003年12月17日(水)
ベンチマーキング推進会議月例会 ジョンソン&ジョンソン廣瀬最高顧問講演

J&Jは1887年の創業以来、116年間売上成長率を11%以上伸ばしつづけている会社。直近4年間では、16%の成長率を誇る。
なにがすごいって、成長についての考え方がすごい。成長するためには、大きな組織になってはいけない。小さな会社の成長をエンジョイするという考え方。廣瀬さんが日本のJ&Jの社長になったとき、本社から、「会社は大きくしなくていい」といわれた。そして、分社化・分権化を重視し、徹底している。分社化といったときにJ&Jでは必ず「分権化」という言葉がつく。それが分社化ということ。だから米国本社からの干渉は一切ない。
そして、トランスナショナリズム。これもJ&J独自の考え方。グローバルやインターナショナル、マルチナショナルなんて考え方をするから、結局国ごとの規制にあったものをそれぞれの国で作って仕様が増えることになる。そうではなく、全世界で通用するものを「1つ」作るという考え方。13年前にこの考え方を採り入れ、いくつかの製品において実現している。たとえば、ある製品を開発する時、各社の社長が集まる。この考え方でやれると思った人だけが集まってプロジェクトが起きる。プロジェクトで最初にやることは、実現するのは「無理」と言った人から「無理な理由」をすべて聞きだすこと。そして、それが本当かどうかシミュレートしていく。そうやって出来た一番最初の製品は使い捨てコンタクトレンズ。どこで作るかも一番安いところで、とフロリダを選んだ。開発当時コンタクトレンズは3万円ほどしていたが、全世界で同じ製品を供給することで、1枚160円で作ることに成功した。
分社化を重視することと、トランスナショナリズムというのは相反するように感じる。これらの取組みを結び付けているのは、「クレド」である。彼らはこれをJ&Jの精神と考え、グループとしての成長を実現しているのだ。
そして、彼らがビジネスコンセプトとしてあげているのが「クリーン、ヘルシー、セイフティー」の3つ。このコンセプトと合わないビジネスは絶対に行わない。クレドやこのコンセプトに照らして、ある事件に巻き込まれた時、売上が減少することを承知の上で、製品の回収と3年間の製造・販売を中止している。それが顧客からの信頼を勝ち取り、3年後の発売翌月から以前の売上38%UPに繋がっている。
企業理念経営、ビジョナリーカンパニーと言うのは簡単である。世界57カ国230社で現地人の社長を採用し経営を任せ、なおかつ束ねていくためには、J&J社のように、守るべき価値が明確で、社員がそれに共感し、それに基づいて自律的に行動できるか、これが成長の一番の源泉なのかもしれない。

ビジョン共有ってどうしたら? 2003年11月25日(火)
今日、ある課長さんから「うちの会社はビジョンが明確じゃないから、CS経営だの、コミュニケーションが足りないだのと、まどろっこしい話になるんだ」と言われました。彼が言いたかったことは、(たぶん)ビジョンが明確であれば、いちいち社長と話をしたり、イントラネットで社長のメッセージを読んだりという共有作業がなくても自律的に動ける、ということなのだとは思います。そこで、まず、「ビジョンが明確」というのはいったいどういうことなんだろうと考えてしまいました。
彼は、「優れた価値」を明確にすればいいと言っていました。わが社のミッションは「お客様にモノ創りを通して優れた価値を提供する」というものです(まず、ミッションとビジョンを混同してますね。それはさておき)。ある意味、そこを明確にしていないから、当社はお客様に受け入れられるモノ創りを自社のコア技術で提供し、多角化を経て、現在も成長を続けられているのではと私は思います。
彼のいわんとすることは、「明確にする」=「わかりやすい」といっているのではなく、結局、「共有しやすいビジョンにしようよ」ということだと思います。ビジョンは(具体的な何年か先の)夢。ですから、変えてもいいとは思います(が、ビジョンが出来たばかりの当社にとって時期的に的確ではないと思います)。わかりやすくしたところで、書籍のページでご紹介したように、ビジョンに言霊がなければ伝わらないですしね。
みんなで語り合える深いビジョンだからこそ、2の矢、3の矢を放つ柔軟性を持ち、2の的、3の的を考える社員も生まれてくるように思うのです。良くビジョンを太陽や山登りに例えることがあります。ビジョンを共有できていれば、そこに到達する道のりはいくつあってもいい気がします。経営環境が激しく変化することが日常茶飯事の時代に、コミュニケーションも必要ないくらい「わかりやすい」ビジョンというのは、みなさんはどう思われますか?
また、「ビジョンを共有する」ために、どんな取組みが効果的なのか。みなさん、是非アドバイスください。よろしくお願いします。
アドバイスは
掲示板まで。
支援部門のお客様はダレ?
2003年10月10日(金)ロッソえびすや 望月社長講演会


お客様に価値を「直接」届けるために必要不可欠なプロセスを作り上げている「基幹部門」。ここでは、お客様が誰かという答えはとてもわかりやすい。では、その基幹部門を支える、人事や財務、総務といった「支援部門」のお客様は、一体「誰」なのでしょうか。製造業だとどうしても「後工程はお客様」という言葉に惑わされ、社内であっても自分達の次の工程がお客様なのかもと考えがちです。でも本当にそうなのでしょうか。
望月さん曰く、「お客様を中心において、全社のプロセスがすべてお客様に届いているのか、これが顧客本位の経営(CS経営)です。支援部門であっても基幹部門であっても同じで、顧客価値を届ける「かたまり」と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。自分達以外の社内の組織は、ともにお客様に価値を届けるパートナーと考えるべきです」。
この言葉を聴き、よく「お客様から見たらその会社の中の組織がどうなっていようが全く関係ない」と言われますが、その通りだなと思いました。
その後、吉田オリジナルの工場見学の様子をビデオで見ました。この工場見学には、企画時点から総務部門などの支援部門も参画し、お客様がいらっしゃる当日にもお客様の応対をしています。会社全体が常にお客様に向いたシステムを作り上げているのですね。

価値前提で重要成功要因を考える 2003年10月8日(水)

『「規制緩和だから、民営化だから」と考えるのはすでに事実前提。だから改善にとどまり、「あるべき姿」への革新には向かえない。経営品質で目指すのは価値前提なのだ。推進者が物語や理論を持たないと進まない。推進者が事実前提に陥るのは致命的。ロマン夢が語れない人は推進者として向かない。』と岡本正耿先生がおっしゃっていました。
また、先日の中部経営品質協議会の講演では、人と経営研究所の大久保寛司さんが、日本IBMのCS推進担当部長だったときのお話をされ、 『北城さん(日本IBM会長)が、「コールセンターを土日オープンするんだ」と言った。このように、まず顧客視点で考えて意思決定をする。これが重要。これがなければ革新は起こらない。そのあとにどうしたら実現できるかを考えるのだ』とおっしゃっていました。顧客満足に軸足をおいた、まさにこれが価値前提の経営だと考えます。 事実前提であれば、土日にオープンすると、固定費も人件費もあがり、利益が減ることに目がいく。やること自体発想されないし、もし発想したとしても「やめよう」ということになってしまいます。
価値前提であるべき姿を描いて、事実(リソース等)をみて、どれだけあるべき姿に近づけられるか知恵をだす。価値前提と事実前提の発想は、前提自体が違うものであり、バランスがとれるということはありえない、ということだと思います。ただ、「価値前提の経営が利益を求めていない」というわけではありません。利益がなければ企業は永続していかないのですから。価値前提での経営でも目標を実現するために、何が大事であるのか、考えることは必要です。
ですから、その組織の重要成功要因を導き出す時、価値前提で考えるべきなのだと考えます。
リッツカールトンホテルであったら、「リッツのあるところでは絶対リッツを選んでもらう」(もう一つの我が家)。そのための、重要成功要因は、「上位5%の顧客のリピート率」、「クレド、ベーシックを共有し行動できる社員の育成」でしょうか。
では、1つの組織に重要成功要因はいくつくらいあるものなのでしょうか。
疑問に思ったので、あるコンサルタントのかたに質問させていただきました。
「重要成功要因の数には正解がありません。通常、2〜5個ぐらい出ているようです。ただし、重要成功要因はそれぞれの重要度が同程度であることが必要です。私もこれです、と自信を持っていっているのではありません。少なくともいえることは重要成功要因は仮説であり、どのくらいに収まるかがわかるほど経営はあまくない、ということです。」 というコメントをいただきました。
『それぞれの重要度が同程度であることが必要』、きっとここがポイントですね。

イメージを描く
2003年8月26日(火) 岡本正耿先生 経営革新ゼミナール


あなたが病院の院長になったとする。どういう病院にしたいか。
たとえば、カナダのある病院は「たいくつしない病院」を目指した。だが、病院というのは、忙しいスタッフに暇な患者というコンフリクトが発生する。彼らがどうやってそれを実現したかというと、患者の趣味を聞き、趣味の合う患者同士を友達にしてしまった。スタート地点から「あるべき姿」のイメージにどのように到達するかの状態を描くことが必須。意図をもたなければ実現はできない。
また、「最も早く退院させる病院」という目的をもった病院では、患者に自分の病気を徹底的に勉強させる。初級から中級、上級、果ては最上階の医師用の図書館も開放し、自ら病気を知ることによって回復を早めている。その他に、「人間としての尊厳を大切にする病院」を目標にしたニューヨークのベスイスラエルという病院では、ニューヨーク市長に「こんなに人として大切にされたことはない。また入院するとしたらここにする」と言わしめた。
先日、ある市役所で「安心できる街作り」というスローガンがあったが、これは全く具体的でない。一方、ニューヨーク市警のブラットン署長は、「壊れた窓の論理」を使って、「犯罪をなくすストーリー」を立てた。「壊れた窓の論理」というのは壊れた窓を見つけたら必ずすぐ直す、直さずに放置しておくと隣の窓も割られるからだ。割った人や地域の人に「警察がキチンと見ているな」ということを知らしめ、軽犯罪の発生件数を減らしていった。大きな犯罪というのは、どれもはじめは軽犯罪なのだ。みつからないから大きな犯罪となる。
従って、まず、どういう状態をつくりたいのか、コミットメントをする。それが重要なのだ。それがあって初めて、A何を変革するのか、それを、Bどういうストーリーで変革するのか、そのために、Cどういうツールを使うのかという展開になる。そしてD信頼される人達を探し(誰にプロモートするのかを決め)、プロモートしていくことで、実現へと繋がっていくのだ。

アセスメントの考え方
2003年9月9日(火)三重県経営品質協議会アセスセント基準研究会 中級コース 講師:井口不二男氏


●アセスメントに求められる基本的考え方
・企業特性を見極めた上であるべき姿のイメージを考え抜き検証する。
 1.目的に対してどうやっているかがはっきりしているかが大事。
 2.どこまで達成しようとしているか
 3.そのためにどう評価し、改善しているか
 4.他のカテゴリーから見る、さらにより大きな目的(事業の特性、経営の目的)から見ることが重要。
●井口さんのアセスメント方法
 組織プロフィール→CAT.8 結果→CAT.7情報 の順で見る。
 そして、それらの情報をなににどう使っているかをアセスメントする。
●情報マネジメントのアセスメント
 しくみというのは事業の特性から見て有効か、戦略的に何を求めているか、活動の一貫性をみる。
●顧客と市場の理解と対応のアセスメント
・顧客がなにを解決したいのかを理解する
 NeedsとWantsの違いをはっきり認識して顧客のニーズを考える。
 Ex) 穴を開ける(Needs)←この径のタップが欲しい(Wants)
   喉の乾きを癒やす(Needs)←コカコーラを買って飲む(Wants)。
・顧客のニーズを把握する方法
 この組織は、先駆的分野に特化しようとしている。 その場合、既存顧客から新しい情報は得られない。どうするか。
 1.シーズオリエンテッド(研究の最先端・学会などから動向を把握)
 2.アーリーアダプター(先進的)であるお客様をセグメントして決め、そこから期待を把握


カルソニックハリソン 雪竹社長のリーダーシップ
2003年8月26日(火) 経営品質協議会受賞企業研究会8月例会

●岡本先生イントロ
2002年度の受賞企業の3社は、違うケイパビリティ(コアコンピタンス)を持つ。パイオニアはプロダクトエクセレンス。極めて厳しい顧客像を選んでいる(競合リスクを選んで、顧客を選んでいる)、トヨタビスタ高知はコミュニケーションシステム、カスタマーインティマシー。顧客の生涯価値を考えている。パイオニアと違い、市場リスクは取らず、高知でやる、競争相手がいないところを選択している。また、車に詳しい人ではなく、生活に車を使うお客様のニーズを徹底的にサポートしている。今回の研究会の対象である、カルソニックハリソンはディストリビューションサービス、SCMによるオペレーショナルエクセレンス。雪竹社長は歴史感を持った経営者。自分の代のことだけを考えているのではなく、DNAをつくりあげ、自分の先の経営まで考えている。

●雪竹社長プレゼン
2000年4月に経営品質向上活動をキックオフ、6月から係長以上全員に導入教育を行い、カテゴリーオーナーを決め経営品質報告書の記述を行った。組織プロフィールは経営幹部が書き、記述をしながら対話をし、共有していった。同年10月からは経営品質の考え方を、一般社員へ浸透する活動を始めた。日本経営品質賞(JQA)という言葉は使わず、方針管理で方針を落としつつ、改善することがJQAといってある。また3マナーアップ制度やパーソナルチャレンジシートを作り、人材育成の取組みも行っている。
経営品質向上活動は、トップ主導で進めていたので、その上で必要な5つの要素にだんだん気づいてきた。@先当に立つ、自らやる、求心力といった「リーダーシップ」、Aビジョン、方針、行動指針といった「あるべき姿の徹底浸透」、B良き語り部、良き聞き手といった「対話によるベクトル合わせ」、Cスピード(価値前提で決定する)「早い意思決定」、D社内、社外に対する「透明性・公平性」、この5つ。この中で一番やらなければならないのはA「あるべき姿の徹底・浸透」で、末端まで浸透していきたい。たぶん10〜20年後になるかもしれないが、一般作業員まで浸透したい。会社を一丸とする為には1つの固まりになること。あるべき姿を浸透させることが、トップの役割だと認識している。 また、自分以外の経営幹部に対する浸透のしかたは、アセスメントコースの受講。これで気づかない人は経営者として問題。リーダーシップの発揮にはやる気が重要だが、幹部同士の対話によるベクトルあわせが一番難しいし、これが悩みでもある。「経営」のことだからという、共通問題になってくるまでに1年間かかった。現在も、幹部+課長で3ヶ月に1回研修をやっている。その際、気をつけていることは、全員の共通問題・ネックになるテーマを考えている。たとえば今月は「情報」がテーマ。幹部や課長のように優秀な人材がバラバラだったらなんにもならない。体質がレベルアップするように改善するのがトップの役割。慈善事業ではなく、これは経営であるから、業績に効くように努力をする。
このように、しっかりした理念を持って、常に顧客に何の価値を創造し、将来に向かって提供できるかをとことん追及し、やりぬかねばならいと考え進めていった。その結果、セクショナリズムがなくなり、会社のベクトル合わせや相手の評価や直接対話を大切と思う風土が生まれてきた。
一方、カルソニックハリソンのDNAとするためのしくみづくりとして、総合的生産技術マネジメントプロセス戦略「世界NO.1品質の確保」「市場競争力のある原価の達成」に向けて、天・地・人のお客様、両親会社、ビジネスパートナー、基幹プロセス、人材育成、社会との調和の6つの切り口から考え、しくみを体系化した。それを支えるのが経営幹部のリーダーシップだと考えている。

情報の選択 2003年7月31日(木) 岡本正耿先生講演会
・ミッションがなければ情報は選択できない
 (ミッションがわからないととりあえず売上利益の情報へ陥る)
 また、ミッションを明らかにしないと目標・指標もかわってくる

・ミッションに対する実現度をはっきりさせる指標をとることが重要

というところで、自部門ができているかについてどうかをとなりの人と話しなさいといわれ、うなってしまいました。 漠然とはあるんですけど、それが、「理論」になっていないと価値はないとおっしゃってました。
何でそれが大事か、そのために何をしようとしているのか、そこにどう近づけようとしているかというのが「理論」になっていることが大切なんでしょうね。

宮崎本店/日本のロマネコンティを目指す 2003年6月10日(火)

宮崎本店は、「宮の雪」を醸造する日本酒製造業。伝統産業という閉鎖的業界の中でISO9001、ISO14001を取得する風雲児的な存在。三重県経営品質賞創設から毎年申請を行い、初年度 奨励賞、昨年 優秀賞を受賞。自分たちのコアコンピタンスは「革新性」と認識し、現場の着想を取り入れ、着実に経営の品質を向上させています。

規制だらけで守られていた業界であったが、地ビール解禁により、敵は酒類「製造」の免許を持っている企業すべてに変わるという危機感があった。また、今年9月には酒の小売り免許は自由化される。今度は酒類「販売」免許をもった企業すべてが敵になる。経営品質向上に取り組んだのは、そういった環境変化による危機感と三重県が経営品質向上プログラムを取り入れると話を聞いたら面白そうだったから。また、大手がやらないことを先にやって、中小が生き残るしかないと考えた。はじめは異端であっても、世の中の異端が真中にスライドする時、世の中が動いていく。北川県政がそうだ。私達は変わるために経営品質向上活動に取り組んだ。実際取り組んでみると、ISOという骨格だけだとギシギシするが、これに経営品質の考え方が入ると血と肉になり、うまく機能することがわかってきたた。
そうして、三重県経営品質賞に申請するため、経営品質報告書を書こうとしたら、顧客満足と従業員満足の概念が全くないのに気がついた。そこから仕組みを作る、変えるから始めた。人間だけではなく企業も生活習慣病になる。習慣というくらいだから、そのしくみは意思をもって変えようとしないかぎりなかなか変わらない。私達のコアコンピタンスは「革新性」。今まで生き残れたのは「変えていたから」で、これからも変えていかないと生き残れないと、白紙にして見なおした。うまくいってないものは変えればいい、そのキーワードは「何故?」、じゃあもっといいやり方はないの?。こうして、全社員でグループ討議を始めた(就業時間内にやるのがポイント。現在は2チームに分かれている)。「経営理念の共有」というテーマで話し合った時、理念をお客様に知らせるためどうするかという議論になった。「瓶のラベルにして貼る」というアイディアが出て社員はもろ手を上げて賛成した。宮崎本店の理念は「地域社会に貢献する」。このアイディアはとても良いものだが、経営陣はかなり悩んだ。何故かというと実際黒い煙も煙突から出してるし、醸造段階での排水も流している、「地域社会に貢献できてないじゃないか」と腰が退けていた。だが、腹をくくってラベルを貼ったところ、今までは紙に書いた理念だったのが、面白いもので現場のおばちゃんを含め、「全社員が」本当に理念を目指し始めることになった。
また、もともと他の優れた酒蔵などに学びに行くことはあったが、「世界最高」「ここにしかない」と言われるものを学ぼうと、フランス ブルゴーニュ地方にあるロマネコンティへ数名の社員と一緒にベンチマーキングに訪れた。小さな葡萄畑で粛々とワインを作りつづけ、その価値を認められ続けているのが素晴らしい。現在、このように優れた企業に学ぶという仕組みができている。先日は2002年度日本経営品質賞受賞企業のトヨタビスタ高知の横田社長のところへ伺い、ES調査についてすばらしい気づきを頂けた。宮)「中小企業ではES調査はお金が掛かるしなかなかできませんよね。。。」。横)「いや、簡単だし、お金は掛かりませんよ。質問は2つだけでいいんです。社員が入社して以来何が一番嬉しかったか、また入社以来何が一番辛かったかを聞けばいいんです。そしてそれぞれ一番多かった声に対して手を打てばいいんです」

V字回復の経営/コマツ産機 2003年6月6日(金)
書籍「V字回復の経営」のモデルとなった、コマツ産機。現在ミスミ社長の三枝さんがコンサルに入り短期間でV字回復をなしとげました。そのコマツ産機のタスクフォースのリーダーとなった現社長の鈴木康夫さんのお話を伺いました。
コマツ産機は、プレス機械・板金機械を企画・開発・製造・販売・サービスまで一貫してお客様に提供している。
98年12月にタスクフォースチームが組まれ、最初に行ったことは、自分たちの赤字の実態を明らかにすること。市場の需要が落ち込んでるという理由など、他者批判を行う人達へ客観的な事実を知ってもらうことから始めた。他社に負けている理由は、ターゲットが絞りきれない開発と営業、そして組織的なマネジメントのいびつさ。正常な「商売の基本サイクル」が回っていなかった。
そこで、得意分野に集中し、ターゲット顧客をはっきり決めて開発と営業部隊がそこから絶対にぶれないようにすること、組織の風通しを良くし、権限を明確にすること、40代の事業部長を登用したこと。そして、燃える集団となれるように価値観の共有を社員からパートナー企業まで頻繁に行ったこと。また、小さな成功をつくりそれを重ねることに注力した。
この結果、開発期間が劇的に縮まり新製品がタイムリーにお客様へ提供できるようになった。開発と営業のターゲットも一つとなり、市場のパイが縮小する中、3期連続増収増益、シェア拡大とV字回復することとなった。
リソースは何も変えずに改革を行ったコマツ産機。捨てるところを明らかにし、顧客視点を徹底し、組織を変えることで、こんなにかわるものかと思いました。
コマツ産機のホームページではお客様の情報が満載
福井県経営品質賞表彰式、千葉夷隅加藤支配人講演
2003年3月19日(水) 福井県経営品質協議会
2002年度の福井県経営品質賞 知事賞に福井キヤノン、奨励賞に黒川クリーニングが受賞されました。福井キヤノンの玉木社長のスピーチでは、1998年に経営品質という考え方に出会い、「これだ!」と思ってからトップダウンで改革を進めてきて、経営幹部層を巻き込み、今回の受賞となった。これからは新たなるクオリティジャーニーへ全社員とともに、全社員が主役で「お客様との感動経営」の実現へ。自社のお客様だけでなく、そのお客様の先のお客様、そして福井の地域のお役立ち企業を目指していきます。
黒川クリーニングの黒川社長のスピーチは、自分は経営品質の考え方について学んでこなかったけれどもその重要性に気づいた、それを気づかせてくれた、現地評価での審査員のみなさんの熱意、経営品質報告書を書き上げた7名のCS推進チームに感謝している。特に自分がこだわりをもつ技術力について評価頂いたことに、自分のやってきたことに間違いがなかったことを確信した。これを糧に、これからの経営にまい進して行く。
千葉夷隅ゴルフクラブの加藤支配人の講演は、笑いの絶えないもので、おもしろく、かつ論理的にわかりやすくご説明いただきました。
ここ千葉夷隅ゴルフクラブでは、立地の悪さを、「お客様に満足・共感いただき、帰って頂くこと」を全社員共通の目的としてお客様の支持を獲得しています。そしてサービスについて様々な角度から徹底的に考え抜いています。・サービスには4つの特性がある、・サービスのクオリティはお客様「が」決める、・まずは機能的サービスが必ずできることを保証する、そして情緒的サービスからお客様が必要と思われていることは機能的サービスへ追加していく、などです。また、戦略は現場の社員から生まれる発想を組織的に受け止め(小集団活動を効果的に活用)、「創発」を生み出し、社員の成長、組織の成長を重視した経営が行われています。

ロッソえびすやの経営品質向上への取り組み
2003年3月 日(金) 経営品質研究部会
「ロッソえびすや」は、「焼肉屋さかい」を親会社にもつ、イタリアンレストランです。社長の望月さんは経営品質の考え方に大変造詣の深い方で、それを見込まれ、ロッソ設立時に社長に迎えられます。経営も軌道に乗り始めた頃、突然、社長解任を経験します。その後のロッソは半年で売上が半減。理由はロッソのこだわりを捨て、パスタやケーキを冷凍食品に変え、顧客離れを起こしたこと、DNAになるまで経営品質の考え方が浸透できていなかったこと。再度、社長に復帰されてから、お客様から、社員からの信頼を取り戻すためにリーダーシップを発揮されています。
ビジョンを共有する、社員のモチベーションを高める、サービスの最低基準を守る、お客様からの評価を聞く、経営品質チェックシートを活用し、社員の経営参画への意識を高める、など様々な取り組みをされています。特にすごいのは、社長自ら、経営品質に関わる教育から、イタリア料理や、レストラン運営までの教育を30本近くご自身で講師をされているということです。また、社員から直に社長にメールができます。内容は、お客様のこと、困ったっこと嬉しかったことなどなんでもいいそうです。社長もそれを携帯電話も使って、いつでも読めるようにして社員とのコミュニケーションを図り、信頼関係を少しづつ築いています。以下はこれまでの取り組み内容です。
・経営品質向上活動の効用
 −全員が社長と同じ視点で経営に参画できる仕組みづくり
 −「うちはどういう店にするんだ」。他と同じことをするのではなく異なる見方で独自能力を磨ける。ロッソえびすやのコアコンピタンスは、「こだわりのパスタ、ドルチェまでを手作りで出す」
・現場の声を吸い上げ、改善する。支配統制型から自主性、創造性を重視する組織へ。 自主性創造性というのは、やらされているのではなく自分がやっていると思えるようにならないとでてこない。
 ex)お客様の「スプーンがとんがっていて子供には危ない」という声から、従業員が木製スプーンとフォークのアイディアを出し、現在はお客様が持ちかえってもいいようにしている。
・8つの約束事を決め、誓約書を提出。当たり前のことが当たり前に全員ができるのが一流企業。三流はそれができない。今のロッソは接客のクオリティをあげるより、お客様を待たせずに席を回すことが先決
・ビジョンの再確認「どこよりもお客様に喜ばれるイタリアンレストランになる」

北川知事と横田社長
2003年3月5日(水) 三重県経営品質賞表彰式
北川知事のお話は、「自分たち一人ひとりが北京の蝶々になれること」「自分達のやり方を自己否定して原点に帰る。内発的に気づき進化すること」が大切かなと思いました。
北京の蝶の事例では、サッカーの川口代表のお話をされていました。日本の野球をはじめとするプロスポーツのチーム名は、スポンサーの企業名がはいるものがほとんどです。そんななか、彼はサッカーのチーム名に地名を取り入れ、地域のひとびとがチームを身近に感じて応援するという基盤をつくった。それが今日、サッカーを野球に次ぐ国民スポーツにしていった要因であり、彼は北京の蝶だと話されていました。また、中田選手も、サッカー選手のなかにおいて、北京の蝶の一羽だとおっしゃってました。
2002年度日本経営品質賞受賞企業である、トヨタビスタ高知 横田社長のお話は、「人間性とは」、「組織とは」まで踏み込んだお話でした。良い会社というのはES、CS、社会貢献、そして「永続的に成長する」会社であり、そのために「一人一人が潜在能力を最大限に発揮し、成長することが、自己実現であり、それを目指す」ということをおっしゃっていました。それが、「この会社で働くことを誇れる会社になる」というところに繋がっています。
もうひとつ、「目的」と「目標」は明確に分けて考えることの重要性をお話されていました。日々のオペレーションの中では、いくつかある目標の数値を達成することばかりに目を奪われてしまいがちになる。けれども目標は、計画途中で環境の変化が起きた時、本来の目的達成のために変えていいものなのだ。常にそもそもの目的達成のために何をすべきかを考えるということです。

「兵法に学ぶ経営」アサヒビール 中条名誉顧問
2003年2月24日(月)三重リコートップセミナー
・パラダイムの転換:ハーバードビジネスのコンサルタントにキリンに勝てるわけがないと言いわたされた。本当にそうだろうか。そこで、競合他社の技術者も含め、美味しいビールの理想を聞いてみたら、暑い時に出来たての冷えたビールを飲むことだった。では、何故それを誰もやらないかというと、鮮度管理ができないというメーカー側の論理だった。キリンは「お風呂上りにビールを飲む」ことをお客様に強要していたのだ。そのパラダイムを壊す「生」の発想が生まれた。それを「夢」にした。
・「夢」ができたら若い社員まで全員をその夢に巻き込むこと。参加者意識を持たせることが重要。
・そのために、相手にわかる言葉で語る。難しい言葉を使うのは自分の能力が足りない証拠。
・志、夢は、本気でかかる。ピンチをチャンスに置きかえる強さ、明るさ。
・勢いは勢いを増す。大きな声をだすと勢いがつく。と同時に、ストレス発散になる。己を励まし、隣を励ますこと。
・信念の強さがコンセンサスの大きさに比例する。求める心の強さ。結果を決めるのは知識ではなく「知恵」。
・商人は「気づき」が必要。感謝の心や謙虚さがなければ気づかない。勝ちたかったら、お客様から学び、マーケットインの商いをすることだ。

2002年度日本経営品質賞受賞企業報告会
2003年2月20日(木)、21日(金)
・パイオニアMEC:「パイオニア発、世界初」というビジョンがDNAとして共有され、自由闊達な風土を生み出している。
・カルソニックハリソン:天のお客様、地のお客様、人のお客様と価値提供先の要望期待を明らかにしている。また、小集団活動を上手く使い、現場を重視した活動が行われている。
・トヨタビスタ高知:捨てるところが明らかな戦略。@社員のためにお客様を捨てる、A売らない、Bお客様に近づかない。そして、従業員満足を追及し、社員の自己実現を支援している。
3社とも自動車業界。こういう組織が元気だからこそ、自動車業界が強いのではないでしょうか。

きつねのお仕事
景気が低迷する中、株価を上げ、最近少〜し有名になってきたメーカーの会社員です。 お客様や市場の変化を素早く察知して、その変化に柔軟に対応することのできる「At Your Side」な企業文化を持つ組織作りを後方支援しています。
経営品質協議会認定アセッサー

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