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Foxryo's Note Pad
お仕事きつね 【 きつねのメモ帳 】
経 営 品 質
〜foxryoが参加したセミナー・講演などからの気づきメモです。本当にただのメモかも〜
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経営品質

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+ テレビ局の価値
+ 人と組織を良くするために
+ 組織の真価
+ 働き甲斐のある会社
+ The Quality Journey
+ 従業員が語る
+ 会社の目的
+ 人の心を測る究極の設問
+ 守破離
+ お客様と社会をtwitterで
+ 規制と支持
+ 仮説力を上げる
+ 見えないところ
+ 顧客価値を見つける
+ 社会との調和、その先
+ 働くことで得られる幸せ
+ Happy - Happy
+ 習慣へと高める
+ 信頼を積み重ねる
+ 気づく組織をつくる
+ シャツ対決
+ 本当に価値あるもの
+ 多様な人材とビジョン
+ うめさんの秘伝書
+ ヤマザキパンの地域との共生

リッツ宿泊記
+リッツ宿泊記(1)
+リッツ宿泊記(2)
+リッツ宿泊記(3)
+ソウルリッツ宿泊記


きつねのお仕事

テレビ局の価値 2010年4月21日(水)

TBSが韓国ドラマを21時から放映。外国で作られたドラマを地上波のゴールデンタイムに放映するのって、画期的です。私の記憶では、これまでなかったと思うのですが。映画はあるけど。

 「ハリウッド映画の凋落は、テレビを敵に回したところにあった」。

映画産業ではなく、娯楽産業と捉えれば、テレビという媒体で流せる映像を撮ることもできたのに、あくまでも「映画館に配給する映像を撮る」ことにこだわってしまった。

そして、今。インターネットで動画の配信もできるようになって、無料のyoutubeが登場し、日本のテレビ局はどう変わるのか。自分たちの事業の定義をどう捉えるかで結果は変わってきます。

アメリカの鉄道会社がバスに負けた話もあります。自分たちの事業を鉄道と捉えるのではなく、“輸送”と捉えれば、顧客を失うことはなかった。自分たちが作れるところにレールを敷設し、駅を作ればいいと思っていた。一方で、バスはお客様が便利な路線を探し、便利なところで停まった。お客様から見たら、鉄道は人や物を運ぶものです。

BSでチャレンジして成功体験を積んで、地デジで本番、みたいな傾向ってあるような。とってつけた番組と作りこんだ番組、どっちがいいのか。みんながテレビ離れしていく前に、テレビ局はまだまだたくさんやれることがありそうです。収益構造も。

映画で海外にアピールしていこうというのを国策にしている韓国。作りこみにお金が掛けられないなら、ドラマを買うだけでなく、製作会社に出資するってのもありなんじゃないかと思う。テレビ局も少しずつチャレンジしている。NHKは最近なんか民放ぽくなってきたような・・・。
テレビ局だけでなく、自分たち自身もお客様から見てどんな価値を提供するのか。そこをはっきりさせていくことが独自性であり、成長の原点です。


人と組織を良くするために 2010年3月29日(月)

2009年度日本経営品質賞に輝いた「万協製薬」さん。
三重県多気郡多気町に所在し、従業員は、95名、売上は約17億の会社。
これまでにない外用薬の受託製造というビジネスモデルを確立し、売上・利益を成長させてきたことも評価ポイントになっていますが、社長の松浦さんが目指しているのはそこではない。

経営品質向上プログラムに取り組んだのは、「AAAのエンパワーメントが進んだ組織は自ら学習する組織になる」を目指したいと考えたから。
以降、「経営トップのリーダーシップ」、「経営における社会的責任」(社会からの期待・要請)、そして「個人と組織の能力向上」、この3カテゴリーを重視して取り組みはじめる。

リーダーシップでは「あらゆる組織は人と組織を良くするために存在する」を志し、実践。阪神淡路大震災 被災後、従業員を解雇せざるをえなかったこと、その後、三重県での第二の創業に臨んだことを組織プロフィールを書きあげる中で従業員と共有。
企業理念を、「迅速・確実・安価・快適」と定め、積極的に顧客を増やしていくことで、社会との接点や強いつながりを築き、「なくてはならない会社」となることを目指した。この中で一つ、従業員に向けたメッセージがある。それは、“快適”。 「“快適”は楽しいを意味している。」と松浦さんがおっしゃってたからそう思う。
経営理念て、お客様とか価値提供先とか社会とかそっち方面に全面的にいきがちですが、これは松浦さんの中にある従業員への思いなんだろうな。

社会の要請・期待への対応にしても、「会社の社会的価値とは」を考えた。会社は中からしか変わらない。会社の中から社会の貢献を考えることでは?という思いに至り、「従業員・顧客・会社の円を描き、それらが交わるところが大きくなること」に取り組んだ。

最後に松浦さんがこんなことをおっしゃってました。

やる気・元気・本気・人気、この「4気」が大事。
シュンペーターは、「停滞した経済を救うのは、イノベーションである」と言った。新しい製品を生み出す組織となるためには、リーダー論が重要で、真面目度・ふざけ度、この両面が必要だと思う。
そして、「損得より名を」、「理屈より情け」を優先した会社がMade in Japanのビジネスモデルだと考える。私はこれからもリーダーとして誰かを元気にする生き方をしていきたい。また、これからは従業員にとっても本気で会社に向かってくる人材しか必要とされない時代がやってくるとも考えている。
表彰式の後、万協製薬の従業員の皆さんが舞台に上がり、松浦さんの誕生日を高らかに祝っていました。「企業とは、人と組織を良くするために存在する」かぁ。

●日本経営品質賞受賞企業発表URL(経営品質協議会サイト): http://www.jqaward.org/
組織の真価 2010年3月17日(水)

四国管財の佐藤さんが「忙しいです」とネッツトヨタ南国の横田社長に、ぽそっとひとこと言ったときのお話です。少し間をおいてから、

「あなたのような人を5人つくりなさい。そうしたら、忙しくなくなるよ」
とおっしゃったそうです。

たとえば、佐藤さんがいないと採用の質が落ちてしまう、というのは個人の力に依存しているということになります。横田社長の、「戦略的な存在感のなさ」(By小松さん)というのは、社長がいなくても経営が成り立つ、という状態をつくられている、ということです。

「社長が代わったら会社が成長しなくなった」、とか、「あの人が異動したら、仕事のクオリティが落ちた」とか、「あの人が辞めたら、仕事が回らなくなった」では、Bレベル(標準化できてなければ、Cレベル)。
組織的に対応できる仕組みがあっても、その人がいなくなってしまうと維持・向上ができていかないってことですよね。

誰もが同じようにできる仕組みがあって、その仕組みは、環境変化に対応もしくは、先取りしてどんどん良いものにしていける組織力があるかどうか。使命や価値観を継承していけるかどうか。
人の交代って、その組織の真価が問われる、いい機会かもしれません。
働き甲斐のある会社 2010年3月3日(水)

「最も働き甲斐のある会社」調査といえば、米国Fortune誌が有名。毎年100社が発表されています。そして、この調査、日本でも、Great Place to Work Institute社の日本法人が調査を実施しています。
第4回目となる2010年の結果が、3月1日の日経ビジネス誌で公表され、同社のWebサイトにも掲載されています。そして、上位25社の中に、うちの会社、選ばれました(10位まではランキングあり、11位以降はアルファベット順)。

上位10社までには、IT関係の企業が多い(ちなみに、1位と3位はITで、2位は金融)。 それから、ふとみると、異業種交流会でご一緒している会社さんも過去2年連続で入ってました。応募会社数は81社。こうした社外からの評価を自社が受けるというのは従業員にとって誇らしいものです。

日経ビジネスの記事を引用すると、「働き甲斐のある会社の定義」についてこうかかれています。

「従業員が会社や経営者、管理者を信頼し、自分の仕事に誇りを持ち、一緒に働いている人たちと連帯感を持てる会社」。GPTW本部は「働きがいのある会社」をこう定義づけている。そして、この定義を実現する要素として、「信用」「尊敬」「公正」「誇り」「連帯感」の5つの要素に分類している。 ←引用ここまで
「コミュニケーション」とひと言括ってしまうと実態が見えてこない、というようにならないよう、「働き甲斐」を測るために、要素を分類してるんですね。マネジメント側が認識している企業の組織風土や執行管理などと、この5つの要素に基づいたアンケート質問に従業員が答えることでギャップをみるわけですね。
んでも、「誇り」ってどんな質問してるのかな、なんてちょっと思ったりして。

「信用」「尊敬」「公正」までは、上司や会社との関係で、「誇り」「連帯感」の2つはそれらの関係から生み出される成果、としてもみてるとすると、結局、「働き甲斐」って人と人との関係が大きく影響するってことなんですよね。やっぱ企業は人なりってことですか。

●日本の結果(Great Place to Work Instituteサイト): http://www.greatplacetowork.jp/best/list-jp.htm

●日経ビジネス記事: http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20100224/213009/
The Quality Journey 2010年2月27日(土)

2009年度日本経営品質賞報告会 2日目。これまでの受賞企業3社の取り組みについてのセッション。

福井県民生活協同組合さん、福井キヤノンさん、滝沢村(さん? 行政にさんってつけない?)、それぞれに取り組みが深まり、さらに組織成熟度が高まっているように見えました。

福井県民生活協同組合では、「コア組合員(お客様)とは誰か」を明確にし、その方たちとの信頼関係をさらに強固なものにしていく取り組みがされていました。たとえば、限界集落と言われる場所に住む組合員さんたちの「生鮮食品のある店舗を!」という声に、職員さんが応えたエピソードはすごいです。

コンビには撤退、携帯電話の店舗も撤退、高齢者福祉の事業所しかない、、、そんな過疎地での店舗出店要請。
 「なんとかして要望に応えたい。どうしたら実現できるだろうか。」

これまでだったら応えていなかった組合員さんからの声。職員さんは移動店舗というアイディアを思いつきました。そして、実現までに掛けた期間はたった3ヶ月。その移動店舗に2時間掛けて歩いてくるお客様がいる。「ありがとう」と涙を流して喜んでくださったそうです。
藤川理事長は、“組合員の皆さんの声をもとに、職員が率先してどうしたらいいかを考え、信頼に応ていこうとする組織になってきたようだ”とおっしゃっていました。

福井キヤノンさんでも次のようなエピソードがありました。
怖そうなおばあさんのところにコピー機の保守作業に行っていました。
あるとき、おばあさんがパソコン作業で困っていたようだったので、声をかけてみました。すると、「あんたパソコンわかるのかい?」といって、とても喜んでいただけました。次第に、お客様の事務所に置いてある備品の購入を任されたり、事務作業を軽減する提案をして喜んでいただいています。
いまでは、お客様の信頼に応えるため、もっとお役に立てる提案ができないかと様々なことに興味を持ち、勉強するようになりました。
前の会社では「押し売り」をさせられていた僕でしたが、福井キヤノンにきて、ただの機械整備のお兄ちゃんから、お客様に喜んでいただける存在になれたように思います。
“お客様に関心を持つことで、従業員の目線がどんどん変わっていったんだよね”と玉木社長からご紹介いただいた事例です。

両社とも、そこで働く人たちのイキイキ度合いが伝わってくるエピソード。Aレベル超えの組織では、従業員のものごとの捉え方や考え方が違います。
従業員がお客様に関心を持ち、考え、行動し、お役立ちして、お客様から喜ばれることから学び、スパイラルを描いて仕事のプロセス、組織のあり方や質がどんどん高まっていく。

「お役立ち」を理念やスローガンに掲げる両社。そこへ向けての Quality Journey は、これからもずっと続いていくんでしょうね。お話を聴き、すごく元気を頂くことができました。顔晴ろ。
従業員が語る 2010年2月25日(木)

2009年度日本経営品質賞報告会。今年は2社が受賞。スーパーホテルさんと万協製薬さん。

ェ仁親王殿下の「2670年続く日本の、技術力や品質に誇りを持ち、社会への貢献をビジョンに掲げる日本的経営の追求を」というお言葉や、元アサヒビール会長 福地さんの「経営判断の軸足は顧客満足。この軸足はどんなに世の中が変わっても変えてはならない。それが現代の経営である。」という言葉に共感しました。

こういったトップの言葉だけでなく、受賞企業の従業員の皆さんの言葉にも感動しました。

たとえば、自律型感動人間を育成に取り組んでいるスーパーホテルでは、こんなエピソードがありました。

「私が池袋で支配人をしていた時の出来事です。2月は4割が受験生を占めていました。沖縄から受験のために連泊されていたお客様から「Tシャツがなくなった」という連絡がありました。そのTシャツは沖縄の友人たちが合格祈願にプレゼントしてくれたもので、みんなの寄せ書きが書かれていたそうです。
マニュアルでは私物には触らないと決められているのですが、長期で泊まられていると、掃除の担当者が判断がつかなくなる場合があります。私はスタッフを集めて、そのことを相談すると、掃除を委託している業者のスタッフが、「ゴミ箱付近にあった雑誌と雑誌の間にTシャツが挟まっており、捨てるのだと勘違いしてしまいました」と報告しました。沖縄の友人が合格祈願のために寄せ書きしてくれたTシャツ・・・。みんなが途方にくれていると、そのスタッフが、「支配人、彼女は私と同じような年齢です。彼女の思いは痛いほどわかります。判断をミスして申し訳ありません。私たちが気持ちをこめて合格祈願を書いたTシャツを渡したいです。」

受験生の彼女にそのTシャツを渡すと「みなさんの思いも無駄にしないようがんばります」といっていただけました。そして、彼女は無事合格。入学式の折には、上京されたお母さまと一緒にご宿泊いただくことができました」
スーパーホテルでは、自社の従業員だけでなく、ビジネスパートナーである清掃業者とも価値観を共有し、自律型感動人間となってるってことですね。それが伝わってくるエピソード。従業員の方がさらっと語られるのって、さすが受賞企業、組織的能力の高さを実感しました。

●日本経営品質賞受賞企業発表URL(経営品質協議会サイト): http://www.jqaward.org/
会社の目的 2010年2月21日(日)

ホームセンターの商品構成に欠かせない存在となっている「アイリスオーヤマ」さん。
経営理念の最初の項目に、会社の目的が掲げられています。

それは、 「永遠に存続すること」 

以下が企業理念の全項目です(同社サイトより)。

  1. 会社の目的は永遠に存続すること。
    いかなる時代環境に於いても利益の出せる仕組みを確立すること。
  2. 健全な成長を続けることにより社会貢献し、利益の還元と循環を図る。
  3. 働く社員にとって良い会社を目指し、会社が良くなると社員が良くなり、社員が良くなると会社が良くなる仕組みづくり。
  4. 顧客の創造なくして企業の発展はない。
    生活提案型企業として市場を創造する。
  5. 常に高い志を持ち、常に未完成であることを認識し、革新成長する生命力に満ちた組織体をつくる。
そして、永遠に存在するために、「価値を決めるのはお客様」であることを軸に置き、 景気に左右されない会社をつくることに取り組まれています。 お客様が「買いたい」と思う価格から10%の利益を確保することを前提にして、作れるものだけを新製品として世に送り出しています。しかも、その数は年間1000種類、売上のほぼ半分がこの新製品なのです。

お客様の値ごろ感を設定してから、利益、コストなどを引き算していく。値ごろ感(販売価格)、ありきなのです。そして、新製品の販売は、販売計画の65%を達成する。「残りの35%が達成できないのは、お客様にとっての価値と値ごろ感、この2つの設定が間違っていたからだ」と大山社長は言い切られていました。

「他社が真似してきたらどうするのか」という質問にも、
「価値を決めるのはお客様。他社のものを買うのはそれはお客様の値ごろ感に合っているからだ。過去にとらわれると被害者になる。明日のために何をつくるかを考え、どんどん新しい商品をだしていけばいい。完璧な商品などない。今日の満足は明日の不満になることもある。どこかに不満はあるのだから、違う切り口でみれば、まだまだ作れるものはたくさんある」
というようなことを答えていらっしゃいました。製品開発会議は、GEのクロトンビルのピットのような、すり鉢状の会議室で行われています。一体感でるし、カッコいいなぁ。
他社の製品との比較を訴求する従業員に、「買い手目線で考えているのか」と厳しい突っ込みを入れます。「古い椅子で代用できるじゃないか。その高さで押入れに届くのか。」
また、出席している女性従業員に「これ、いくらなら出す?」と、あくまでも買い手目線です。

その姿には、工場閉鎖と従業員解雇を招いた過去のイケイケどんどん経営を二度と繰り返すまいという思いを感じました。永遠に存在することを目指し、お客様の不便の解消に業界最速のスピードで従業員とともに取り組み続ける「アイリスオーヤマ」さん。企業理念に基づいて経営されているスゴさに感動しました。

●この内容は、TV東京カンブリア宮殿の放映のfoxryo感想です。
人の心を測る究極の設問 2010年2月18日(木)

年度末は、この一年間を振り返る、意識調査の時期です。
毎年実施している調査だと、「設問も経年比較をしたいから同じ質問にする」という本来の目的でないところが落としどころになっちゃうことがあります。
なにを調べたいのか。

「誇りを持てる企業であったか」と思うか
という設問では、少し不十分な気がして。 “誇り”ってどこに潜んでいるかわからない、楽しげなやつです。
“誇り”を感じたという前年のフリーコメントを反映して、もっと声を取れるようにするか・・・。

では、どういう設問が十分なのか。
ある役員が、“誇り”は2種類あると述べてました。
  • 1つ目は、
    自分自身の仕事に達成感があること
  • 2つ目は、
    その仕事を通じてステークホルダーに役立つ存在であること
んでも、これを総合満足度にするかどうかは微妙。

従業員意識調査であれば、
  • 「私は誰に対しても、“この会社で働いている”と笑顔で言える」
    もしくは、
  • 「私の家族にこの会社で働くことを勧めたい」
ってのはどうかな。

経営層のリーダーシップについての調査であれば、
「私はこのリーダーが好きだ」
なんてのもいいかも。

outputよりoutcomeを見る方が的確な数字に表せるのかもしれない。人の心を測るのはほんとに難しい。

いずれにしても、「なにをもって結果とするか」「アクションにつなげられるか」という観点から考えることによって見えてくるものが変わるんですよね。チェックは大切だけど、質問恐るべし。
守破離 2010年2月8日(月)

茶人 千利休が茶道を学ぶ心得を弟子に伝えた、

「規矩作法守りつくして破るとも離るるとても本を忘るな」
という句。道を究める人たちに「守・破・離」という短い言葉で語り継がれています。
最初は、自分の考えを捨て、鵜呑みにして型や作法を守る。要は基礎作り。基礎ができたら、次は応用。学んだことを実践して失敗や成功から学ぶってとこです。そして、揺るぎない軸を確立し、独自の型を編み出す。それが「離」。師匠から独立するっていう意味では「自立」といえるのかもしれません。

先週、グループミーティングで、「組織の成熟度」について話合いをしていた時に、なんとなくこの「守破離」を思い出したんです。

ビジョンに向かって価値前提で活躍している「個々人」の集まりでなければ、トリプルAはありえない。誰か一人だけがリーダーシップを発揮し続けるのであれば、その人はカリスマだし、その人が抜けてしまえばBのまま止まってしまう。ただし、カリスマの言うなりに動く社会的手抜きな集団でなければ、Aはいけるのかも。

個人的に「離」までイケてるだけじゃだめで、そこにはビジョンや価値前提が必要。「離」だけだと、プロダクトアウトなんですよねー。スキルと人間性は別物かぁ。

企業は一つの人格のように表されるけど、同じ人の集まりでは創発は起こりえない。「離」の段階の人が自由に活躍できる環境を作っている企業が学習する組織をつくるのかも。

●組織の成熟度
  • D: 気づかない
  • C: 気づいて行動してるけど個人に依存
  • B: 組織的に対応できる仕組みがある(ルール・マニュアル化、標準化、教育)
  • A: 現状の仕組み・やり方を「改善」できる
  • AA: そもそもの目的から考え(合目的)、仕組みを更新・改廃できる
  • AAA: 学習を繰り返し、AAレベルを常態化している

お客様と社会をtwitterで 2010年2月4日(木)

などなど、使い方いろいろ。個人的には、ソフトバンクの孫さんが従業員に対して使うってのが天晴れだと思うし、パナソニックのイベントとしても情報収集としても非常にうまく使ってるのがスゴイと思う。
もっともっと面白い使い方している企業もあるんだろうな。特に海外。

twitterの可能性って、「瞬時に人と人を結びつける」ってとこだけど、「深くはない」わけだし、「本音」かどうかもわかんないし。

でも、企業にとって、お客様と社会をつなぐコミュニケーションツールとして成り立つかもしれない。ツールはツール。やはり目的持って、なんのためにどんな情報を集めるのか、仮説が必要ですね。
規制と支持 2010年1月30日(土)

トヨタ、アメリカで大規模リコール 中古車店で販売中止も GMは乗り換えに補助金
というニュースを聞き、「ちょっとやりすぎですよね。アメリカは経済鎖国化政策か???」とミスターに言うと、「それは違うな」と。
そもそも日本だって、「エコカー減税」と称して、日本の車がクリアしていて、外国車がクリアしていない性能に対して減税をしてるんだから。欧州でも自国のメーカーが対応できている基準値をクリアできないと輸入を許可しないなんてこと、いくらだってある。

問題はそこではなくて、その国の求める基準やお客様の支持を得られるものを作れるかどうかだ。
  • お客様の使い方が悪い
  • マニュアルに注意書きが書いてある
  • 一部の体型の人にしか起こらない
  • アメリカでしか起こらない
というのは、それは企業側の論理。事故が起きた、お客様はその事実を知っている。99%大丈夫だといくら企業から言われても安心はできない。
1%でも起きる可能性があれば、その可能性は事前に検討し、なくしておかなければならないだろうね。それらを踏まえたモノづくりができなければ、お客様の支持は得られない。そういうことだよ。ひょっとすると、事業の設計を含めた現地化と拡大によって、検討や検証・改善を行う人材が不足していたのかもしれないね。
相変わらず、At your side.(顧客本位)でモノゴトを捉えていらっしゃるミスター。 指を相手に向けるのではなく、自分に向けることの大切さを私はついつい忘れていました。 お客様のハートをわしづかみにする商品をつくる。企業の原点と永続の鍵は、そこにあるんですよね。
仮説力を上げる 2010年1月22日(金)

今日はアセッサー認定更新研修。私にとって一年に一回の鱗を落とす日です。自分流で済ませたり、凝り固まった視点で見たり、深く考えなかったり、といった日常を断ち切るというか。

今日の講義の中で、大切だなと思ったのは、「仮説力を上げる」ということ。

「優れた組織では、
 仮説力を上げる、
 そのために検証をする。
 ということを習慣化している。」
これは野中先生がおっしゃっていた、「アクチュアリティを直感する能力」を高めていく。まるでその場にいるかのように感じ、その事象に対して取るべき意思決定や行動をすることができる。これって洞察力と言い換えられるかなぁとも思います。

たとえば、HONDAさん。自動車ショーで展示されている他社の車の外寸を設計者に測らせます。このサイズであれば、どんな構造なのか、どんな部品やエンジンを採用しているのかといった仮説を立てる。そんなまどろっこしいことしなくても、他社の車を買って分解いすれば簡単じゃん、と思います。でも、そうしない。何故なら、目的はそこにはなく、仮説の力を上げるためだからです。自分がこの外寸で設計したとしたら・・・。様々な仮説が立ちそうです。

アセスメントにおいても仮説力は非常に重要です。「申請書に書いていないからわからない/取り組みや仕組みがない」ではなく、「与えられた情報すべてを総動員してこう判断した」ということを相手に伝えられなければなりません。先ほどあげたHONDAさんの例にしても、彼らが習慣化して「当然だ」と思っているので、申請書には記述しない可能性だってあります。
今日のケーススタディで、「この企業の提供している価値とは」というお題があったのですが、自分の立てた仮説は、まだまだアクチュアリティ足りませんでした。ケースの会社の社長になったつもりで考えないと。お客様が誰なのかというところが、ありきたりでした。仮説力をあげるために、仮説をたてる癖をつけなきゃ。検証も忘れずに・・・。
見えないところ 2010年1月16日(土)

優れたものや組織では、見えるところと見えないところの差がない。
大久保寛司さんが厳島神社に行き、裏側を見た時、「ここまでするのか」と思ったそうです。作業や効率では、見えないところは生まれない。職人さんのどんな思いで仕事をしているのか、どんな思いで生きているのか、それが現れてくる。まさに大聖堂の石切り職人の話だと思います。

そうしてみると、今は、はりぼてのようなお店って多いですよね。表や内装だけ立派で裏から見ると貧相。効率やコスト優先。人はおいてけぼり。飲食店なんかだとトイレを見ればそのお店のレベルがわかる、なんてこともいいます。

もう一つ、
あまり優秀ではない経営者やマネージャーは「人手が足りない」という。それは自分がやりたいことをやるための手が欲しいだけで、“人”を求めていない。頭はいらないわけです。能力を活かそうという気持ちはないんですね。
そういう組織では、人の自立性も自律性も自主性も育たない。人を人としてみていないわけですから。そして、そんな組織では、見えないところはボロボロになる。「言われたことだけやっていればいい」と言われればそうなります。

 では、企業での「見えるところと見えないところの差がない」のは、どういうことなのか。

企業にとっての「見えないところ」というのは、お客様にとっての価値をどこまで考えているかだったり、長期的な思想やビジョンをどれだけの従業員が持って取り組んでいるかです。そして、それは、従業員の自立性も自律性も自主性をどれだけ高め、能力の発揮につながっているか、ではないでしょうか。その結果、受け手にとっての価値を超えるものが提供でき、安心だったり、信頼だったり、感動を生む。

つまり、見えないところにこそ、「ホンモノ」が宿る。見えないところが厚みを重ねるっていうか。だから、見えないところが堅牢な会社は、不況な時代に輝くことができる。

トヨタ系列 顧客満足度No.1、全国の新車販売が落ち込む中、前年比UP!が続くネッツトヨタ南国では、お客様から「買わなくて大丈夫?」と心配して言われるのだそうです。これって、お客様に「なくてはならない会社だ」と思われてる証拠ですよね。そしてそれは、「車を売る」という見える時だけではなく、見えない時に見えないことを積み重ねている結果です。人間性尊重の経営しかり、ナンカツTVしかり。これ、見えないところが見えてるところより上回ってる事例ですけど。もう感動の領域です。

●これは、BLOCKSさんの「人が幸福になる経営」DVD見て書いたコラムです。
顧客価値を見つける 2010年1月13日(水)

「郵便物を未来に届ける」という新しいサービスを中国のtaobao.comがはじめたそうです(narinari.com 11/12のニュースより)。

「忘れないように今のうちに友人へ誕生日カードを送っておきたい」「これから手術を迎える友人に(手術の成功を信じて)お祝いの言葉を送っておきたい」「これから生まれてくる赤ちゃんに言葉を残しておきたい」
というお客様に価値を届けるわけです。
葉書って、日本国内だと翌日に届くことは珍しくないし、メールならすぐ届いちゃうし。欧州なんかだと、何十年も前の手紙が偶然届く、なんていうビックリニュースがあったりしますが、基本的に、「早い」ことに価値を置いてサービスが進化してきています。chatやtwitterのようにつぶやきにさえ瞬時にレスポンスがある。

一方、このサービスは、「遅い」というところに価値を置いてる。お客様の「自分が届けたい時に配達して、相手を喜ばせたい」という要望に応えるサービスです。メールの「時刻指定」みたいなもんですけど、「何年も先」でもOKというのが特徴です。5年後の自分に郵便物を送る、なんてのも面白そうですよね。

今までなかった顧客価値を見つける。そのためには、どんなお客様のために「何を作れば良いか」を考え、どんな技術で対応・実現できるかを考える。
この「カタツムリ郵便局」、ちゃんとお客様の期待に応えていけるかな?

ちなみに、葉書だけでなく、カードや日本でいう電報の台紙みたいなのとかケーキとか、いろいろあるみたい。葉書だと9元。それに保管・配送の手数料が加算される形。1年以内に発送だと8元、それ以降1年ごとに1元。

●taobao.com サイトURL:http://shop59751812.taobao.com/
社会との調和、その先 2010年1月8日(木)

ネッツトヨタ南国、またもスゴイコト始めてました。2009年12月25日、「ナンカツTV」なる動画サイトをオープン。

正式名称「南国生活ドットコム」は、「行きたくなる! 帰りたくなる! 食べたくなる! 逢いたくなる!」がコンセプト←違。ではなく、高知の未来を描こうとする、大原さんや小松さんをはじめとするネッツトヨタ南国の皆さんの思いが詰ってる。コンセプトに書かれている大原さんの言葉、

田畑を耕し、海や川で魚を捕り、山に入って木を育てながら、今日までこの地を支え続けてきた生産者の皆さんに焦点を合わせ、地域で生き続けるために、地域を守るために、大切な人、大切なことを大切にするために懸命に取り組んでいる生き様を紹介して参ります。このサイトを通じて何かを感じていただき、理想の社会について一人ひとりが考え、行動を起こしていくきっかけのひとつとなれれば幸いです。
もう、一企業の枠を超えています。

高知本氣フォーラムで大原さんがお話されていたことがどんどん実践に移されている、しかもこれ、社内の一つのプロジェクトで、です。これだけではなく、「まなともネット」という高知で働くことの素晴らしさを発信するサイトも始まってます。

経営品質の4つの基本理念のひとつ「社会との調和」。その地になくてはならない企業として認められる存在であること。ネッツトヨタ南国は、地域との共生だけでなく、もっとその先を見つめている。そう思います。

それにしても、「ナンカツTV」、素人とは思えないつくりです。見たら笑顔になること請け合い。面白くて予告編から第二弾まで見続けてしまいました。菊池さんや窪田さんコンビはいい味出してるし、小松ディレクターのつっこみ文字がサイコー。菊池さんのエンディングテーマソング「感謝します♪」、これまたいいです。あー、高知、またいってみたいなぁ。

●ナンカツTVサイトURL:http://nan-katsu.com/index.html
働くことで得られる幸せ 2009年12月29日(火)

あの子達はどうして嫌なことがあっても翌日何もなかったように出社できるのか−

この問い掛けに、あるお寺の住職が次のようにお答えになったそうです。

当たり前ですよ。

人が感じる幸せには、4つあります。

愛されること、人に褒められること、人の役に立つこと、人から必要とされること。

この中で“愛される”以外の3つは、働くことで得られる幸せなのです。
これが、日本理化学工業の大山会長が50年にわたって知的障がいをもった従業員とともに全員で幸せになる経営を歩み始める第一歩となったお話です。

仕事納めの今日、グループミーティングでテレビ番組「ルビコンの決断」の映像をロバートから見せて頂きました。

自分自身が「なぜ働きたい」と考えるのか、と同時に、自分が周りの人に対してこの3つをメッセージできているかなぁと改めて考てしまいました。どうしてかというと、自分の姿勢・発言・行動次第で、周りの人が幸せだって感じることがひょっとしたらできるかもしれない、って思ったからです。 そう考えていくと、「思いやりと感謝と信じる」という、心の「広さと深さと高さ(志す)と長さ(長い目?)と強さ(勇気)」が鍵になるのでは。

傍を楽にする=働く、ということは、自分がそうするというだけでなく(At my side)だけでなく、相手がそう感じる(At your side)の両方を満たすということなんですよね、きっと。それができているチームや組織の可能性は無限大、なのかも。

実際、日本理化学工業では現在従業員の70%程、知的障がいの方がおられますが、働く人の幸せを考え続け、誰でも出来るやり方を工夫したことでの作業効率向上や、画期的な新製品の開発などに取り組み、50年にわたり、売上・利益をあげ、会社を存続させているのです。実例ってインパクトありますね。

P.S. 日本理化学工業のこのお話は昔々コラムに書いた気がするのですが、改めて掲載させていただきました。
Happy - Happy 2009年12月23日(水)


 「“Win-Win”って嫌いだな」

とコースケさんは言いました。

 「勝たなくちゃいけないの?。

  “Happy - Happy”なんじゃない?」

うん。そうかも。

 「それって、“三方良し”ってことだよね」

と誰かが言う。

 「良し悪し、かなぁ。
  やっぱ“Happy - Happy”だよ」


地球環境問題も含め、いま、社会的な課題に対応していくためには、業界で協働すべきことも多い昨今。

 「お互いに成長しあう」

というのも違うかもしれない。

“成長”って自分自身ではわからない。“自分の成長は、後輩の成長でしか測れない”って名言もあります。でも、後輩の成長って、どうやって測るんだろう。企業であれば、売上や従業員や事業内容などで測ることができるといえばできるかもしれない。何をもって成長とするかによりますよね。そして、最近、「成長」という言葉は人に対しては使えなくなってきました。その尺度はやっぱり個々人で違うから。人の成長をいえるほどの人間でもないし。あ、また横道逸れました。

 “Happy - Happy”かぁ。

てことで、流行の言葉や流行の手法や、何気なく使っている言葉や固まった思考を解き放つことができる場を意識的かつ組織的に持たないとな、と思った出来事でした。


習慣へと高める 2009年12月17日(木)

昨日は東京出張。帰りに「ザ・リッツカールトン東京」へ立ち寄る。「娘が婚約して10月にリッツ大阪で両親顔合わせをするから、思い出に残る日にしたい!」という依頼を同僚から受け、いまは東京にいらっしゃる桧垣さんにコンタクト。
後日、同僚から「素晴らしいひと時だった」とのメールが届きました。その時、大阪のスタッフをご紹介頂いた御礼も兼ねてリッツ東京に突撃(?)。

アポなしで伺ったのですが、運よく桧垣さんいらっしゃいました♪

レストランやお部屋からは東京の夜景がとても綺麗に見えます。東京タワーもバッチリです。立地がいいんですね。また、大阪は国内のお客様がメインでここ東京は海外のお客様がメインということで内装もかなり違います。東京はモダンでスッキリ、ちょっと和風というか金箔ぽい感じ。

スタッフはしっとりした、というか大人(?)な雰囲気。大阪は笑顔が素敵で、東京は微笑でハイソな雰囲気なのかな。ホテル内を案内いただいている時など、桧垣さんとスタッフの接し方をしっかり(?)見ている中で、さりげない気遣いをお互いがされているのに感動しました。やっぱり、“We are Ladies and Gentlemen serving Ladies and Gentleme.”だなぁと思うのです。どうしてこういうことができているか。桧垣さんはひと言、

習慣にまで高めることですよね。
モットーや言葉を覚えることが目的なのではない。リッツで求められる行動をして、その結果、お客様に価値を届け、それが自分たちの誇りにつながっていく。
16のサービスバリューは、「私はリッツ・カールトンの一員であることを誇りに思います。」を実感するためにすべきことなんですよね。大切にすべき価値観を日々の習慣としていれこんでいく。
自分のグループでは自社の価値観に基づいた行動ができているかについて、1週間に1回振り返ることをしています。リッツのように毎朝価値観に基づいた自身の行動を話すわけではないこともあって、時々振り返るのを忘れてしまいます。なので、課題は、習慣にしていくためにはどうしたらいいのかってところですよね。習慣というのは何も考えなくてもそのようにできるわけで。そんな風土を作っていくには近道はないのでしょうね。

あ、20のベーシックが16のサービスバリューに変わったことについて聞き忘れましたぁ。どういうきっかけで、そして何を目指したのかなぁ。こんど伺ってみようっと!
信頼を積み重ねる 2009年12月13日(日)

2日間のエコプロダクツ展で学んだこと。それは「信頼を積み重ねる」ことの難しさ。
「50人の中のお一人に、是非なっていただけませんか?」

紙を大量に使用する製品を提供する会社の責任の一つとして、岐阜にある元スキー場を森に還す取り組みをしています。今回のイベントでは、50人の方にエコ宣言をしていただくことができると、1本の樹が植えられ、森へと一歩ずつ進めることができることをお伝えしました。

こうした取り組みを従業員からご説明させていただくことで、「あっても良い会社」というイメージは作られていくのだと思います。
ただ、自分自身が自社の取り組みをうまくお伝えすることができず、信頼を失うこともあるわけです。たった一人の人に対してうまく伝えられないのであれば、多くの人に伝えることはできないのですよね。相手に合わせたコミュニケーションは難しいです。

それでも、誰かから自社についての「信頼を得る」ための前提には、「自社のことを知っている」ということが一番重要だと学びました。曖昧な答えは、曖昧なイメージしか生みません。

企業の信頼は、製品からだけではなく、人(従業員)からも作られていきます。従業員が会社を知る、誰かに伝えられる、ということは、仕事をする上でも、組織的能力を向上させる意味合いからも、そして、社会からの信頼を得られるということからも、企業の社会的責任の一つなんではないだろうか、とぼんやり思ったのでした。


気づく組織をつくる 2009年12月10日(火)

企業が成長していくためには、従業員の気づきが大事、気づく人材を育てたい、気づく組織をつくりたい。でも、気づきってどうしたら磨くことができるのか−

日々の仕事の中で、感動は落ちてない。
だから感受性や気づく力を磨くためにイベントを開催する。
でも、そこには落とし穴がある。
「楽しかったぁ」とか、「お客様が喜んでくださった」で終わってはならない。

お客様が喜んで終わりではなく、皆が成長したかどうかを見るのがリーダーの努め。

イベントは、「そこまでするの?」というくらいやる。コントやダンスの振り、何回も何回もやる。「その先に何があるの?」と後輩たちは思う。

そしてイベントが終わると、みんな抱き合って泣く。
感動の共有を臨場感を持ってできるのがイベントなのだ。 共有する場を、100名を超えた組織では、あえてつくって産まないと平凡な人が入ってくる。

感動の共有を通して、自信と成長を積み上げていく。普段の何気ない声掛けや「ありがとう」が増え、コミュニケーションも良くなる。そして、「そこまでするの?」というところ、つまり、細部にこだわることは、仕事のプロセスを考えることへもつながっていく。
というようなことを、ネッツトヨタ南国の小松さんがおっしゃっていました。 うん、さすがネッツトヨタ南国♪
イベントがただのイベントではないんです。気づきや感受性や感謝、そして企業風土を築き上げるプロセスだったんですね。うん、やっぱ、すごいや。

●これは、ブロックスさん主催の「日本を元気にするセミナー」DVDからのfoxryo気づきです。
シャツ対決 2009年11月25日(水)

思わず、2枚買ってしまう綿シャツ。
何年も前に買ったことがあったシャツメーカー。結構長い間お気に入りで着ていました。先日、週間ダイヤモンドの記事をhideが教えてくれて久しぶりに思い出し、行ってきました。

そのうち1枚を昨日着ていたら、肌触りがとてもいいんです。そしてデザインもシンプルかつ上品。その上、1枚4900円(税抜き)。この生地の品質、縫製の品質(日本で縫製)でこの価格というオドロキがこの「メーカーズシャツ鎌倉」の売り。そしてそれがクチコミで関東圏に広がっているのです。

一方、もう一つのシャツ専門メーカー「SCHIATTI」(スキャッティ)。こちらも私が以前、2枚一度に買ってしまったシャツ屋さん。鎌倉シャツより少し価格帯は高めで、ボタンが可愛かったり、スレンダーなシルエットのものが多く、いまどき感があるシャツです。こちらは日本で生地から織り、縫製をしています。レーベルが設けてあり、コンセプトや価格帯がそれぞれ違います(私が買ったのはホワイトレーベル)。トップレーベルの「コンブリオ」は東京下町の職人さんが熟練の技で仕上げるということで、なかなか手には入りません。SCHIATTIは、鎌倉シャツの高品質低価格路線一本とは違い、幅広くシャツにこだわったメーカーです。

中国へ工場を移すアパレル業界とは一線を隔し、日本での縫製にこだわったシャツ作りに取り組む2つのメーカーが成長し続けている事実。特に鎌倉シャツはバブル崩壊後に創業し、業界のしがらみもなく直売によって低価格を実現し、お客様の支持を得てここまで成長しています。ここからも学ぶべきものがあるように感じています。


本当に価値あるもの 2009年11月22日(日)

街中にはLED、一人きりの三連休・・・(違)。
今日、東海仕事人列伝では豊浜の干物職人を取り上げていました。

 「ふるさとの魚のおいしさを大勢の人に知ってもらいたい。
  そして、漁師も、職人も、お客さんも幸せになれたらいいと思ってる。」

近江商人の「三方良し」の考え方と同じです。本当に価値あるものって、関る一人ひとりにとって価値があり、それがつながり、積み重ねられている。

獲れたての魚と太陽の恵みと海風と、魚を選ぶ目、干物づくりのノウハウの数々。毎日三度の食卓には必ず自分の干物を食べて味を確かめられているのも印象的でした。それは自分のためとか自己満足なのではなく、At your sideで「お客様が美味しい」と言ってくださる姿を描いているのでした。

きっと、本当に価値あるものは、すべてのプロセスにおいて、At my sideではつくることができないのです。漁師←職人←お客様。お客様の声が職人の腕を磨き、お客様の声を受け取った職人が漁師の腕を磨く。そんなフィードバックプロセスも働いているかもしれません。

イルミネーションはキレイで魅かれるのに、どこかがAt my sideな気がするfoxryoなのでした。


多様な人材とビジョン 2009年11月17日(火)

この先行き見えない経済環境の中で収益を上げ、未来永劫に働く人に職場と働く楽しみを、お客様の欲しいものを提供し、社会からも信頼される会社であることを続けていく、というのはますます難しくなってきています。それでも、前へ進んでいくためには、何が必要なのかな。

やっぱり私はビジョンや夢、そしてブレることのない価値観を従業員が共感・理解し、意思決定や行動に結び付けていくことがますます重要になってくると思う。これまでは、従業員は日本人だけ、その中でも出る杭は打たれる傾向にある社会であったけど、これからは人材のグローバル化や多様化がどんどん進んでくる。それはまるで右肩上がりの大量生産時代から多品種少量どころか限りなく「個」に向かっていくのと同じ感じ。働く人も変わらなければならない。

そんな中で、ビジョンや価値観の浸透ができていくのだろうか。二人の優秀な経営者からビジョンの浸透について伺った。

「ビジョンや使命を2年に1回見直していた。従業員に見直しのチャンスを与え、門戸を開く。それが企業の使命である永続性を再確認するチャンスとなる。」

「ビジョン、事業戦略を業務レベルまでおろしていくことで徐々に浸透していく。 本当に浸透させるのであれば、年がら年中、ビジョンを言い続けることくらいか。」
いずれにしても、「ビジョンの浸透は難しい」とおっしゃっていました。名経営者と言われる方々であればこそ、また、実際にビジョンの浸透に取り組んでいらっしゃったからこその言葉は、感慨深かったです。事業規模が大きくなればなるほど、伝えたつもりでも伝わったかどうかを経営トップが確認できるわけではない。私だって周りの人に事実として「伝えた」だけで、相手から「どう伝わったか」なんて検証しませんから・・・。

ビジョンや価値観に触れる機会を設けること、そして言い続けること、この2つを事務局としてサポートしていくことにします。
うめさんの秘伝書 2009年11月9日(月)

 豊浜に行ったら「まるは食堂」でエビフライを食べる

っていうのが名古屋近辺に住む人たちの常識(とまではいかないけど、結構、いくと思う)。

そんな、まるは食堂は、豊浜を出て、2005年に中部国際空港セントレアに出店、その後、栄のラシック、りんくう常滑へ出店と、拡大路線を走っています。シルバーウィークに、妹家族とりんくう常滑店に行ったところ、お客さんがほとんどいない・・・。大丈夫なのかなぁ。セントレアやラシックのように交通の便がよいところではなく、りんくう店は「わざわざ」そのためだけに行く、という立地が集客に影響しているようです。海は目の前にあるんですけどね。

その後、hideと、豊浜の「まるは」へわざわざ行きました。やっぱりこっちの方が「まるは」らしくて好きです。今は亡きうめさんがいつもニコニコしながらお客さんに声を掛けていたのを思い出すからかもしれません。
途中で立ち寄ったお魚市場に「まるは秘伝書(ぱーと弐)」なるものが置いてあったので、持って帰ってきました。そこには、創業者の「うめさん」の言葉がたくさん記されています。セントレアの出店、やっぱり反対だったんだなーなんて思いながら、読んでいました。なぜ、反対だったか。うめさんの言葉を読めば、皆さんにも、きっとわかるはず。

魚を買いに来たお客さんに魚が食べたいという人がおった。大将が刺身を切って出した。
焼き魚、蟹を茹でて出した。
望む人には飯をよそって出した。
「人に喜んでもらえることをせにゃいかん」
自分の畑で採った大根を漬物にして出した。
そのうちにお酒を飲みたいという人がおった。
一升瓶でお酒を好きなだけ飲んでもらった。
地元の衆に好かれんといかん。
事情を一番知っとるもんが、まるはをええって言ってくれんといかん。
「蝋燭はわが身を削って周りを照らす」
幼い頃に母から教わった大切な言葉だ。
だから安く出せるものは安く出す。
十分納得いく値段なら、次もまたきっと来てくださる。
戦後は大変な時代だったからたくさんの人が助けてくださった。
いろんなことを教えてくださった。
だからわしは恩返しだと思っとる。
新鮮でおいしい魚を食べて、お酒を飲んで、
眠くなったら泊まってくださればええ。
そして、気に入ってもらえたら、また来てくださればええ。
今日も、感謝感謝感謝で日が暮れる。

ヤマザキパンの地域との共生 2009年10月25日(日)

愛知県は車上荒しや車の盗難の発生率全国No.1。特に名古屋市、春日井市は、県内でも多発する地域です。その対策として名古屋市のある地区で考えられたのが、深夜の車での巡回。夜中の1時から5時までの間に見回り、特にマンションの陰になった駐車場などは車を降りて見回ります。

とても効果的だけど、いったい誰が夜中にそんなことをしてくれるの? 地域住民が交代で? でもそんなの無理だよね。警備会社に委託? それも費用が掛かるから、車を持っていない住民からクレームがきそう。では、いったい誰が???

「わたし、今日、当直なんですよ」
30分の巡回を終え、車が入っていった先は、工場。
なんと、ヤマザキ製パンさんでした。24時間稼動の工場で、管理職の皆さんが順番に巡回を担当されているのだそうです。

どうして、そのようなことを一企業が引き受けたのでしょう。この話をヤマザキさんに持っていったのは住民代表の方。「自分たちでやろうにも年寄りばかりで夜回りはできない。」そこでヤマザキさんに相談に行ったのだそうです。でも、だからって、普通、引き受けませんよね。

2000年9月、東海豪雨で比良西地区は浸水で大きな被害がありました。ヤマザキの工場も沢山の機械が水に浸かりました。
「あの時、住民の皆さんがこの工場内に溜まった水を掻きだすために、排水用のポンプ機を持って集まってくださったんです。自分たちの家も被害にあわれているというのに・・・。」
地域と企業が共に支えあっている姿に感動。そして、今回、「困っている住民の皆さんの声に応えよう」と意思決定したであろう、名古屋工場のトップのリーダーシップもカッコいいです。

そして、車上荒しの発生率は? 
この巡回が始まった時を100とすると、開始早々5程度に激減したのも素晴らしい結果です。そこには時間やルートを決めずに毎日巡回されているヤマザキの管理職の皆さんの真摯な行動があります。

経営品質の基本理念のひとつに、「社会との調和」があります。まさに、そんな事例。ヤマザキさんは地域社会からなくてはならない企業だと思われているのですよね。
きつねのお仕事
景気が低迷する中、株価を上げ、最近少〜し有名になってきたメーカーの会社員です。 お客様や市場の変化を素早く察知して、その変化に柔軟に対応することのできる「At Your Side」な企業文化を持つ組織作りを後方支援しています。
経営品質協議会認定アセッサー

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