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Foxryo's Note Pad
お仕事きつね 【 きつねのメモ帳 】
経 営 品 質
〜foxryoが参加したセミナー・講演などからの気づきメモです。本当にただのメモかも〜
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経営品質

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+ 価値を考える
+ テレビショッピングも双方向
+ M&Aと組織的能力
+ 目の前の仕事
+ 究極の「いつも美味しい」
+ 人はブランド
+ 戦争か協働か
+ 伝説
+ どこで勝つのか
+ お客様はネコ?
+ 共通言語を持つ
+ お客様を選ぶ
+ 支援の範囲
+ 浸透の仕方
+ マスマーケティングの崩壊
+ チームで経営
+ 健全な危機感
+ 経営には公式はない
+ 伊那経営フォーラム
+ 異文化の刺激
+ イメージが広がる
+ すごいヒトコト
+ 高知本氣フォーラム レポート
+ 小山社長、12年目の告白?
+ ワールド・カフェで発散

リッツ宿泊記
+リッツ宿泊記(1)
+リッツ宿泊記(2)
+リッツ宿泊記(3)
+ソウルリッツ宿泊記


きつねのお仕事

価値を考える 2009年10月19日(月)

ここもだ・・・。あるレストランでも、「お得」なディナーメニューが10月になってお目見えしていました。foxryoがよく立ち寄るお店の4割はなんらかのサービスメニューを企画しています。
残り6割は、そのまんま。それはどういうお店かというと、小さいお店でこれ以上お得にはできない、というところもしくは、差別化した高級路線店です。「お客様にこういうものを召し上がっていただきたい」という明確な目的がある。そういうお店が「ホンモノ」なんじゃないかな。一見プロダクトアウトに見えるかもしれませんが、それを美味しいといってくださるお客様がいるから提供しているんですよね。

一方で、サービスメニューを企画しているお店は、お客様の要請・期待に応えているようで、実は大人数が入らないと経営が成り立たない、という理由があったりするんですよね。お客様にファンになってもらうのではなく、そのビジネスモデルから、とにかく集客する、目先の利益を追うというところに目線がいかざるを得ないわけで。お客様がそのお店に行く理由は、「安いから」「なんとなく」・・・。「どうしても行きたい」という理由が語られることはないです。

自社の価値は何か。自分たちの組織の技術・スキル・ノウハウ、そしてお客様から見た価値を考え抜く。そうして「ホンモノ」を提供できる企業は、お客様や従業員から信頼され、長期的な成長を続けることができるのです。


テレビショッピングも双方向 2009年10月5日(月)

以前、中国の湖南テレビの通販番組でクライスラーのPTクルーザーが飛ぶように売れていくのを見て驚きましたが、その手法は、斬新ながらも一方通行。唯一、売れた数をテレビ画面にライブで表示しているのは、すごいなぁと思いました。そして日本にはそれよりすごいライブが・・・。

それは、ジュピターショップチャンネル。

  • 電話で入ってくるお客様からの問い合わせに即答える
    お客様の質問をディレクターがつかみ、司会に「答えさせる」のではなく、実感を持ってもらえるように「紹介する」。たとえば、タートルネックの首の部分が縫い目がなく伸縮性があることを、引っ張ったりして「見せる」。
  • 電話注文されたお客様の声をライブで聴く
    コールセンターにかかってきた電話をテレビにつなぎ、なぜ選んだのかを答えていただく。たとえば、そのお客様がリピーターだとわかると、テレビを見ているお客様の信頼度はUP!
  • 在庫数が少なくなるとテレビ画面に即表示
    たとえば、「白は残りわずかです」といったように。売り切れれば、「Sold Out!」を表示。
  • 商品開発者、生産者が登場
    商品がどのように作られているのか、その価値を提供側から直接お客様に余すことなく伝える。
これを、深夜もやってるんです。24時間365日ライブ放送! しかも、一番売れる時間帯は深夜0時から1時。注文は、電話だけでなく、ケータイからも可能。テレビショッピングは進化しています。そして、毎月20万円買ってしまうお客様も!

なぜ、そこまで売れるのか。ジュピターテレビショッピングが扱う商品は、不要不急で、テレビショッピングでしか買えないもの。非常に自分たちが価値提供するものを、はっきりと認識しています。そして、商品を探し出す力がこれを支えています。デパートが最近低迷する理由がわかります。今、デパートってどこのデパートに行っても買えるブランド、商品の多いこと。「ここでしか買えない」というものが減っているんですね。
これが重要成功要因の一つ。これを「独自性」としなかったのは、インターネットショッピング楽天とのイベントを試みているから。ここは重要ですが固執していない、ここよりも、「ライブで双方向」というお客様とのコミュニケーションにおいて独自性を追求している。

お客様が「あったらいいな」と思うものを探し出し、お客様に双方向で価値を伝える。そこには、お客様のやりとりとともに、ディレクターにリアルタイムに情報発信できるコールセンターの存在がある。バイヤーは、自分で企画提案できる商売人、司会者は、元アナウンサーや、司会業、コールセンターはホテル接客などの経験者。重要成功要因の2つ目は、この常に緊張感ある戦場のような組織。そして、それを束ねているリーダーである社長の篠原さん。

「ライブで双方向」を目指すのは、「どこにもないショッピングの楽しさをお届けします」という企業使命を掲げているからなんですね。

☆このコラムは10/5放映のカンブリア宮殿の内容からfoxryoが考えたことです。
M&Aと組織的能力 2009年10月2日(金)

M&Aの仲介会社、コンサルティング会社、弁護士・・・。 いま、M&Aは企業の競争力の強化や事業継続に向けた戦略の一つになっています。
M&Aとは、“Mergers and Acquisitions”の略で、企業の合併と買収。そこにコンサルティング会社が必要なのは、買収される側にとってもする側、どちらににとって合意できる「事業の継承」と「価値観の共有化」をソフトランディングしていくノウハウが必要だからなんだろうと推測します。

個人と組織の能力向上という観点で考えてみる。もし、自分が買収される会社の従業員だったら・・・。自分たちの価値観を受け入れてもらえるのか、ブランドは残るのか、勤務地はどうなるのか、異動があるのか・・・・つまり、「いまのまま」受け入れてもらえるか=変化への恐れが心を占めるのだろうな。

アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソン(JJ)では、M&Aされる会社の従業員から、「JJに買われるなら安心」と言わしめるすごさがあります。また、JJは、新しい技術や研究をしている小さくて優れた会社を先見の明で見つけ、吸収していく小さな会社の集合体。では、どうやって一体感を培っているのか。根幹には、彼らの価値観である、「クレド(わが信条)」があります。彼らは何よりクレドを大切にしていて、それを実践しています。この価値観を共有するためには何をしているのか。リーダーがクレドの実践を率先垂範することを強く求めます。たとえば、クレドを実践していなければ経営トップにはなれません。もちろん、クレドについての教育の機会もありますが、リーダーシップの次に大きな要因は、「なぜ、クレドが必要なのか」ということを議論し続けていることだと捉えています。P&Gのように、語れる伝説がいくつもあるというのも大事ですよね。

クレドの文面を通して、企業の社会的責任、事業の成長と永続性が浮かび上がってくる。そして、買収された会社の経営トップに事業のすべてを任せる。これらが「JJに買われるなら安心」(=変化を受け入れる)という状態を作り上げているのでしょう。

ということは、筋の通った納得できる価値観と事業の継続実績がM&Aには必要なのかなぁ。みなさんだったらどんな会社になら、M&Aされたいですか? M&Aする会社だって、どんな会社をM&Aするかってほんとに重要ですよね。価値観が違いすぎる会社に自分たちの価値観を押し付ける形になるのは全くうまくないわけですから。

なんか自分の中でM&Aに抵抗感というか、悪い印象を持ってしまう要因はやはり「価値観」の共有なんだろうな。いまの自分たちの事業を確実に成長にもっていけたら、こんなこと考える必要もないんでしょうね。


目の前の仕事 2009年9月28日(月)

ドラッカーの5つの重要な問い

・われわれの使命(仕事)はなにか?
・われわれの顧客は誰か?
・顧客は何を価値あるものと考えるか?
・われわれの成果は何か?
・われわれの計画は何か?
優れた組織ではこの問いが習慣化している、と以前、このコラムで紹介しました。

目の前の仕事が積み重なり「仕事」ではなく「作業」化してきたら要注意。
人は、仕事の目的や一歩先を見て現在を考えないでいると、すぐに作業化してしまう。作業化したら、工夫や知恵は生まれません。

海外のグループ会社とのやりとりで考えたことは、押し付けではなく、「こうありたい」という未来をともに考える、というスタンスでないとポジティブになれないということ。作業化してしまえば、目の前のことをやりさえすればいい、となってしまい、議論したとしても、方法論の違いのみに終始してしまうなぁということ。

そして、もう一つ。見える化をして、GOALはどこで、いま自分たちがどこにいるのかということもお互い認識できているといいのだろうなぁ。
そういうやりとりができるようになるには、目の前の仕事をただこなすことではなく、常に5つの問いを意識し、自分に問いかけ、相手とのコミュニケーションをとることが必要なんだろうな。
究極の「いつも美味しい」 2009年9月14日(月)

 いつ、どこのお店に行っても 
 お客様が毎日食べられる価格で
 同じ美味しさを提供する
サイゼリアってそういう考え方。

「お店で手作りする方が美味しい、だから工場でつくると美味しくなくなる」というが、それは全くの間違い。お店で作ると味にばらつきが30〜40%でてくる。それは「美味しい」なのか、ってことです。「常識」といわれるところに、「それは本当なのか」というところだけでなく、「どうしたら美味しい料理が提供できるのか」という根本的な問いがあって、合理的かつ論理的に解決に向けて食い込んでいくのがすごいな、と。

また、
食材の原価を下げるのではなく、自分たちの行動に無駄がないかを減らしていく。
というところには、ビジネスパートナーとのWin-Winの考え方もそうですが、美味しいイタリアンを安く提供することへの飽くなき挑戦を感じます。メーカーだったら小さな本社作りになるのかな。
すべて工場で整えられ、レストランの調理場では包丁を一切使わない。一人で調理できてしまう。究極の一人セル方式みたいな感じ。しかも、スタッフが効率的に動くことを楽しいと感じているようでした。

また、食材に関しては、「種から考える」ってのもすごい。ここにも常識ではなく、自分たちがやりたいことから考えてる。
「美味しければ高い、まずければ高いが常識。
 美味しいから安いものは難しい。
 だからこそ、種から考える。
 でかくて真四角なレタスができたら運び易いでしょう。」
トマトも、収穫しやすいように背丈を種から変えてました。

「できない」ではなく「できるようにすべてが揃っている」と捉えて、合理的なシステムを生み出し続けてきたサイゼリア。正垣会長のお話を伺っていて、やっぱり、トップの志と姿勢が大切だなぁと思いました。
人はブランド 2009年9月9日(水)

 料理とデザートを注文したら、デザートが先に出てきた。
 店内は、空いています。

あなたは、こういうお店にどういう印象を持ちますか?

私はスマートなサービスは期待できないなぁと思ってしまいます。そして、30分ほどしてもお料理が出てこない。ここで、すでに相当接客の悪いお店という印象が固まってしまいます。お料理が出てくるまでと、本を取り出し、読んでみる。お腹が空いててもデザート食べずに我慢。限界がきたので、意を決して、言ってみました。

 「あの、お料理まだですか?」

すると、オーダーが通っていません。あぁ、もうお腹が死ぬ・・・。

それからは急展開。

  • 店長さんらしき人が慌てて出てきて、「食後のデザートにご注文されたのですね。そうですよね。あとでお持ちしますので、一旦、さげさせていただきます。すぐにお食事の用意をします」
  • スタッフが料理と一緒に突き出しを持ってきて、「料金は頂きませんから」とヒトコト。
  • 食事を終えると、店長が出てきて、「中国茶はお好きですか?」とメニューから中国茶を選ばせ、デザートと一緒に出してくれる。
  • オーダーを聞き逃したスタッフは一切出てきません。
  • レジは店長が立ち、「今日は申し訳ありませんでした。これ、割引券です。次回ご利用ください。」
  • 店の外でオーダーを聞き逃したスタッフが立っていました。
    「ありがとうございました」
さて、あなたの不満は解消されたでしょうか。

foxryo的にはつっこみどころ満載です。満足レベルまで戻すのがいかに難しいかというのを実感しました。オーダーを誤ったスタッフに「ごめんなさい」とひとこと言われたらそれでよかったんです。そしたら「こちらもデザートが先に出てきたときに言えばよかったね」と会話できたかもしれないのに。それがなかったので、不満のまま、終わってしまいました。「問題が起きたら、店長が対処すればいい」、と店長さんが思っていたんでしょう。男の人だったらそうかもしれませんが、女性で「ちょっと、店長呼んできて!」っていう人いるのかな。

たった一人の言動や行動が、そのお店の信用やブランドをつくるんですよね。自分も他の部門や他社の人とのコミュニケーションの中で信用やブランドを作っているんですよね。
「作業」ではなく、目的に立ち返って相手目線で「価値ある仕事」をしなければ。

宮ア本店の社長がよく品質についてこうおっしゃっていました。
「工場の中では100本の中のたった1本の品質不良かもしれない。
 お客様から見たら、その1本がすべてなんや。いうたら、100%不良やで」
商品も人も「サービス」というくくりで考えてみたら、どちらもブランドを作りだすものなんですよね。100本の中の1本の不良にならないように顔晴ろっと。個人と組織の能力向上って、本当に重要。
戦争か協働か 2009年9月6日(日)

うちのやり方が参考になったのであれば嬉しいですね。
居酒屋業界も不況といわれてますが、一緒になってこの業界全体を盛り立てられたらいいですよね。
居酒屋さんって最近リーズナブルなところが増えてます。2900円くらいで飲み放題付きってところ、多くなってるような気がします。

そして、そんな名古屋に乗り込んできたのが、280円均一メニューの居酒屋「鳥貴族」さん。全国展開なんだそうです。
このお店を徹底研究して作られたのが名古屋で飲食店を営むオーナーによる居酒屋「満点どり」さん。

280円戦争勃発か?!

と思いきや、鳥貴族さんの発言は全く違いました。お客様を取られる、ではなく、280円居酒屋を業界として増やすことで、自分たちも繁盛しようという考えなんですね。つまり、価格競争はしない、ってことだと思います。それをやってしまうと業界全体が負のスパイラルに陥ります。WIN-WINで、お客様を呼び込み、収益をあげていく。
鳥貴族さんにはきっとスゴイ経営者がいるんじゃないかと、サイトをみたところ・・・。ありました。経営理念に、このヒトコト。
目指すものは、永遠の会社と飲食業界全体の地位向上。
最初の台詞は、社長さんが言ったんじゃないんですよ。全員が、理念を大切に実践している会社なんですね。鳥貴族、ちょっと行ってみたいです。誰か連れてってー。

●鳥貴族サイト: http://www.torikizoku.co.jp/about/index.html
伝説 2009年8月31日(月)

パナソニックの創業者 松下翁の伝説っていっぱいありますよね。たとえば、以前書いたコラム(ここをクリック)

「価値観を共有できる」という観点で見たときに、人にまつわる伝説って、古今東西たくさんあるけど、商品にまつわる伝説って、何かあるかなぁ。今日、お風呂に入っていて、「どうして石鹸って使い終わりは泡立たなくなっちゃうんだろう・・・」って思ったら、P&Gを思い出しました。

「マーケティング論」という概念が生まれた背景には、1837年創業のアメリカ オハイオ州にある P&G(プロクター&ギャンブル)のアイボリーという名前のついた石鹸が大きく寄与したといわれています。以前、岡本先生にうかがったお話をもとに、紹介します。

この「アイボリー(象牙)」という石鹸は、ある事故によって偶然作りだされたものでした。
ある日、石鹸槽係が、攪拌機のスイッチを切り忘れ、昼食に出掛けてしまいました。工場に戻った係員は、攪拌しすぎて石鹸液に余分な空気が大量に混入したのにびっくりしたものの、“捨ててしまうにはもったいない”と、型に流し込んで、いつも通り石鹸を作ってしまいます。良品でないものを発送して売ってしまったんです。そんなことしたら、いまだったら、社内で大変な騒ぎになりますよね。

その事故後、お客様から問合せが殺到します。

 「また前のように水の中に沈む石鹸に戻ったじゃないか。
  私は、ちょっと前に買った、あの水の上に浮く、泡立ちのいい石鹸が欲しいんだ!
  あれを売ってくれ!」

調べてみると、それはあの事故の日に製造した石鹸だったのです。

それから社長のプロクターさんは早速攪拌時間を長くするように指示を出し、あの時の石鹸を再現しました。と同時に、この石鹸の商品化に向けて、石鹸の純度の分析を化学者に依頼します。
そんなある日、プロクターさんは教会に行きました。そのとき牧師が読んだ聖書の言葉に閃きを覚え、この偶然の事故とお客様の要望から生まれた新しい石鹸の名前を「アイボリー」と決めました。

後日、科学者からの報告書が届き、そこには「不純物0.56%」という結果が書かれていました。純度100%ではない・・・。しかし、これを正直にお客様に伝えるには? 
プロクターさんは石鹸会社として初めて純度の表示を行います。

 「石鹸純度99.4%」

これをアイボリー石鹸のスローガンとし、その品質や特徴を新聞やバスの乗車券で宣伝、また、サンプルの配布をするなど、当時では考えられなかった大規模で革新的な広告活動を展開し、市場を驚かせたと言います。

このアイボリー石鹸が誕生したのは1879年10月。その後、「アイボリー」はP&Gの価値観「正直と誠実」を表すようになります。そして、象徴的に「アイボリー」という言葉を脈々と伝承しているのです。
自社の価値観を確かなものにした商品の伝説。自社の物語の中から伝説を探し出して共有することって、価値観を共有する上で、重要です。
どこで勝つのか 2009年8月25日(火)

誰もが憧れる他社の参入障壁の高い「ブルーオーシャン」。デフレに向かいつつあり、誰もが価格で差をつけようと、まさに「レッドオーシャン」的になってきているような気がします。

お客様が「高くても欲しい」と思うもの。それは新技術だったり、ブランドだったり、パーソナルサービスだったり。「独自」、つまり「そこにしかない」ものですよね。マスマーケットでもいけそうなのは前者2つだけ。
まだまだマスマーケットで勝負しようとするなら、意外な組み合わせで流行を狙う、か、低価格で利益を出せる体質にするか。

名古屋の「ひつまぶし」という鰻の食べ方の元祖で、とっても有名な蓬莱軒。ここは、値段めちゃ高いし、すごい待たせるし、接客は普通(邪険な扱いの時さえあります)。他にも「ひつまぶし」を普通の値段で、待たせず接客のいいお店はたくさんあります。
規模の経済性、投資、仕入先、チャネルの確保、コスト面、政府の政策、参入への報復なんかの障壁は全くなく、あるとしたら、製品の差別化のみ。ていうか、これが参入障壁の中でも大きなウェイトを占めているのだと思います。ある意味、「ブルーオーシャン」なのかもしれません。彼らは規模の急激な拡大は求めてなくて「ひつまぶし」というカテゴリーの中で勝っていればいいんですよね。

あまり参入障壁が高いわけでもないのに、それでも、すごい人が集まってくる。そこには圧倒的な「ここにしかない」があるからなんですよね。そう、やっぱり蓬莱軒のひつまぶしは、高くても、待たされても、接客良くなくても、美味しいから食べたいんですよね。焼き方、タレの味、お米の味、浅葱と新鮮な山葵と刻み海苔。その中で独自能力と言えるのは、焼き方とタレでしょうね。そしてここまでくると、ブランド化されている、というのもあります。それでも、私にとってはやはり「ここでしか食べられない美味しさがある」というのが一番のリピーター要因なんですけど。

商品の値下げをせず、リピーターで居続けていただく、もしくは新しくお客様になっていただくために、今何をするのか。やはり、自社の「ここにしかない」ものを見つけ磨いていくことなんでしょう。どこで勝つかを見極めて、そこに限られた資源を使っていく。ちょっと先のニーズを掘り起こして、市場を創造していけたらいいのにな。


お客様はネコ? 2009年8月9日(日)

「チャリ、チャリ、チャリン」

ん? 私、吊るしてある服を見ようとしただけなのに???
不思議に思ってよく見ると、各ハンガーに直径3センチほどの大きな鈴がついていました。

そのデパートの他の階の服屋さんにいってみてもそれは同じ。この鈴が鳴ると奥から店員さんが出てくる、という仕組み。私の場合、買おうかな、と思うまでは店員さんに近づいて欲しくないタイプ。なので、このやり方は引きました。みなさんだったらどう思います???

目的はなんだろう。目の届かないところにいるお客様を見つけるため? もしそうであれば、それって怠慢です。
以前、ホンダカーズ中央神奈川の相澤会長が、トイレに造花を飾ることや店内にポスターを貼ることを手抜きだと怒っていらっしゃったことがあります。「お客さんはね、わかるんだよ」 造花ではおもてなしの心は伝わらない、ポスターでは車の良さは伝わらない。

おそらくこのデパートでの鈴作戦の目的はコストダウンでしょう。店員さんを減らせますからね。そして、目の届かないところでの万引きも防げるかもしれません。
でも、相澤会長がおっしゃっていたように、「お客さんは、わかっちゃう」んですね。二度と行かないです。お客さんがいないから、鈴でいいんです。鈴だからお客さんがこないんです。
手軽な改善ではなく、根本的に投資をして、目が届くレイアウトにするとかできたらよさそうです。リソースの分配を最適にする。そのことに気づかない限り、あのデパートの売り上げは伸びないんじゃないでしょうか。


共通言語を持つ 2009年8月4日(火)

CS(顧客満足)経営の推進を目指した2000年から数年、管理職層を中心にセルフアセッサー教育を進めていました。その背景には、経営をフレームワークで捉えることはもちろん、「共通言語」を持つということもありました。

 共通言語を持つ。

つまり、言葉の意味・解釈は皆が認識している。そのメリットとは、 言葉の意味を話し合うときに説明しなくていいので、端的にできる、他の言葉とのつながりも理解できる。パソコンでいうと、OS(Operation system)があって、それでアプリが動いてる、って感じです。
一方で、デメリットは。「推論のはしご」を登りやすくなる=考えずに、「こうだったら、こういう結論になる」という固定観念に走る可能性がある。また、言葉の意味・解釈が正しく理解されていない場合、議論がかみ合わず、最適な結論が出ない可能性がある。その言語を知らない人は対話に参画しにくい。英語で話してる人に日本語で話しかけている、って感じですかね。

この5月からグループミーティングで勉強会が始まりました。その中で、自分が感じていることの伝え方、物事の捉え方、会議の進め方などをみんなで学んでいます。その中で学んだ言葉はやはり共通言語になります。
「価値前提から考えるとこれってどうなんだろう」、「いまのって、Iメッセージだよね」、「PRAMで進めましょう」、「今回はワールド・カフェで意見を発散しようか」、「KJ法で整理しようか」、「あれ? 推論のはしご、登ってない?」、「いまの発言はCP出ちゃってるよねー」などなど

うん、やっぱり共通言語を持つことは「持論」ではなく、意味合いやロジックがあるから、「客観性」が生まれる気がする。自分や人を攻めるのではなく、ちょっと離れたところからの意見になるから言い易くなります。要は、共通言語を持つと、建設的な対話がしやすくなる、ってのが一番のメリットなんでしょうね。対話の質って考えたとき、共通言語を持つことは効率的と効果的、の両面があるとしても、目的意識や価値前提での対話でない限り成果は生まれない。共通言語を持ち、価値前提で建設的な対話ができたら、すんごい組織になれると思います。


お客様を選ぶ 2009年8月2日(日)

「なんでも○○円」ショップ。100円ショップを模して各地にさまざまなお店がありますよね。で、最近感動した2つの「100円ショップ」をご紹介。
1つは「キャン★ドゥ」。もう1つは「ナチュラルキッチン」。
「キャン★ドゥ」は、元祖100円ショップ「ダイソー」よりもオシャレ。扱うものは生活用品全般で、色やデザインにこだわっています。しかも便利グッズがオシャレなんです。便利グッズって、機能優先なのに、ここのはそれに一手間加えてあります。
たとえば、これ。色が綺麗だから買った、コードのまとめピンチ。しかも、100円で2個入り♪ PLUSの「消しポン」もどきも、100円で売ってました! いろいろ発掘するのが楽しいお店です。
店舗は愛知県内に20以上あります。立地は駅近くやショッピングセンター狙い。そうそう、中国のグループ会社名がイカしてます。感動(上海)商業有限公司! 

お次は、「ナチュラルキッチン」。こちらはインテリア小物(雑貨)と食器。私的には、食器がかわいい♪ 「え? これほんとに100円なの?」っていうものばかり。しかも、どれもオリジナルで作っているんです。籐製品もあるんですよ(!100円なのに!)、カゴ類は、中国山東省東南部、コースターなどの刺繍類は、ベトナムで作っています。店内にいると、あれもこれもとカゴに入れている若い女性でごったがえしています。
本店は、大阪で、名古屋には名鉄百貨店ヤング館 5階にあります。ファッションビルの中にあって、ちょっと異質ですが、ターゲット層の集まる場所を選んでいます。コンセプトは「あなたをおうち好きにするお店」。だから、デザインや色にもこだわってるんですよね。

ということで、上記2つのお客様は、だーれだ。
foxryoが考えるに「キャン★ドゥ」は、ダイソーはちょっとオシャレじゃないな、と思っている若い女性を中心とした層。「ナチュラルキッチン」は一人暮らしの若い女性。

両社とも、とってもうまく女性のハートをつかんだビジネスモデルだと思います。

●キャン★ドゥwebサイト:http://www.cando-web.co.jp/
●ナチュラルキッチンwebサイト:http://www.natural-kitchen.jp/index.html


支援の範囲 2009年7月30日(木)

テラ・ルネッサンス代表の鬼丸さんがおっしゃっていたこと。

僕たちが支援している元少年兵たちは、被害者であると同時に加害者である。
だから、彼らの自立支援だけでなく、地域社会の人々への支援も行う。おそらくみなさんは不思議に思うでしょうね。でも、出身村の人から見ると元少年兵たちは大切な身内を傷つけたり殺したりした人たちの仲間、なのです。いくら誘拐されて少年兵になったとしても。だから、元少年兵たちを支援していると、村人からすると「なぜ、彼らを支援するのか?」と思ってしまうのです。

私たちはお客様を、「贔屓(ロイヤルカスタマー)」や「一見(ビジター)」と分け、その人たちにあった戦略をたて商品やサービスを提供しています。前出の話からすると、地域社会にとっても企業がどう貢献するか、ってことなのかも。

そして、テラ・ルネッサンスのみなさんは、元少年兵や村の人たちとの関りの中で、自分たち自身が成長していくことも大切にしています。
これも、CSR(企業の社会的責任)から捉えなおすと、従業員も含め、すべてのステークホルダーとの関係が、「拡大」ではなく、「成長」というキーワードで考えるべきなのではないかとふと思ったのです。そういう組織は、なくてはならない人となくてはならないリーダーと、なくてはならない価値という資産を持ち、未来永劫に続いていくのではないでしょうか。
浸透の仕方 2009年7月16日(木)

  1. リーダーが「やる」と決めて、徹底的に支援する
  2. 浸透したい考え方ややり方を各社・部門で「自分たちの会社・部門に置き換えるとどうか」を全員で対話し、具体的な行動が結論として出てくるまでやる。
  3. 結論を各自が掲げる
  4. 実践する
なのかなぁ。先日、異業種交流会で「最初はトップダウンだったけど、3年経って、いまではボトムアップ的に盛り上がっている」ということを伺いました。 その時に思ったのが上記の3点。

一番大切なのは、「2」かなぁ。これがないと何も前に進まないような気がしてきました。どこかで他人事だと思わないようにするには、「自分たちの組織にとって何を意味するのか、組織メンバーはどう行動することなのか」を具体的にイメージできるようにする。この「具体的」っていうのが鍵ですよね。抽象的ではいつまでたってもお経のままになってしまいます。「毎日、輪読しています」だけでは具体化していきません。それとか「教育受けました」では一過性で終わってしまいます。

 「自分のものにする」

それを導き出すプロセスが明確にわかれば、そのセオリーに則って浸透がある程度うまく進んでいきそうに感じます。そのプロセスには、リーダーシップの発揮や対話方法、その組織の文化・モノゴトの捉え方を変える、、、など、いろんな側面を考える必要があるんだろうな。

リッツの高野さんが「経営理念は作ってはいけない。組織内部から湧き出るものでなければ」といつもおっしゃいます。それでも、「作ったもの」であっても、それを自組織に捉え直すことによってうまくいった事例を実際に聞いたからには、やり方次第、ということだと思います。「すでにあるもの」を、より浸透につなげる方法を模索したいと思います。
マスマーケティングの崩壊 2009年7月14日(水)

大量生産大量消費。量の恩恵に預かることができる時代が終わりを告げ、さらにこれまでアメリカが確立してきた「マス・マーケティング」のビジネスモデルも終わりを告げることになる。
つまり、新商品ができたら広告代理店にすべて任せて広告を作ってもらい、テレビで流したらその商品がどんどん売れる、というビジネスモデルは終わったのです。景気の低迷、市場の縮小、消費者のニーズの多様化、媒体としてのネット通販という新たなビジネスモデルの台頭・・・。

では、現在のデフレという状況で何をすればいいのか。デフレに合わせて値段を下げすぎると経営は当然崩壊する。環境に振り回されるのではなく、広告代理店に依存するのでもなく、自分たちがお得意先、馴染みの固定客を大事にして、品質とコミュニケーションを大切にする。これからは御用達の時代。お客様を一軒、また一軒と広げていく。良い評判を広げていくということが大切。いいものは必ず広がっていきます。
と、藤原先生がおっしゃっていました。当たり前のことといえば、当たり前かもしれません。それでもこれからの時代は他力本願ではなく、自分たちがステークホルダーとの関係性の中で切り開いていかなくてはならないんだなぁと改めて思ったfoxryoでした。
チームで経営 2009年7月11日(土)

録り貯めたテレビ番組を立て続けに見て一日過ごしたfoxryoです。
カンブリア宮殿で2週特集を組まれていた「メガネ21」。日本全国どこ探してもそんな経営してないんじゃないだろうか、ということをしていました。本当に型破りというのはこういうことをいうんだと思いました。
内部留保もなく、利益はお客様(販売価格の値下げ)、従業員の給料、出資者へすべて分配。不足するであろう資金は、社員からの出資を募る。いい時も悪いときも経営者と社員が一体となって経営しているんです。それができている背景の1つに、すべての情報がイントラに開示されていることがあげられます。すべて、というのは、経営状況も評価も給与明細も稟議も相談ごとも配置転換の希望も、全員分開示。社長は交代制でフツーの社員と一緒に営業してるし、管理職はいないし、人事部はないし。
不思議な会社ですが、このやり方を生んだ背景は、創業者 平本さんの体験。地元の大手メガネ販売店からリストラにあう前に電算室で内部留保の額の多さに驚いたこと。「これを社員に分配すればいいのに」と思われたそうです。またこの時の経験から上司とそりが合わなければ合わないと宣言できる仕組みも作られたように思いました。会社に関るすべての人がWIN-WINになるしくみを何年もかけて確立されてきたのでしょう。まさに全員に自由裁量と権限がある全員経営を。

メガネ21のサイトをたった数分みただけでも面白い。トップページには「カンブリア宮殿を見られた視聴者の疑問ベスト5」なるものがあり、きっちり答えていること。 そして、なぜこうやって質問に対する答えを開示しているか、という理由も天晴れな感じです。経営の合理化、値下げや賞与に還元できる・・・ここまで言い切れるってスゴイですね。↓以下、サイトから引用

株式会社21は今日まで多くのマスコミ・税務官・公取・医師・学生さんから 多くの質問を受けています。 その質疑応答を公開すれば法令遵守が確立できると考えています。
多方面からの問答を公開していますので参照して頂ければ(株)21の合理化に役立ち値下や賞与で還元できます。 ご協力賜りますようお願い申し上げます。
●メガネ21サイトURL:http://www.two-one.co.jp/a21/
健全な危機感 2009年7月9日(木)

ジョン・コッターの「変革の8つのステップ」

  1. 危機感を生み出す
  2. 変革プロセスを主導できるだけの強力チームをつくる
  3. ビジョンを掲げ戦略を立てる
  4. ビジョンと戦略を全員に徹底する
  5. 社員がビジョン実現に向けて行動するように、現場に任せる
  6. 信頼を勝ち取り、批判を鎮めるために、早い時期に成果を出す
  7. 手を緩めず、変革を成し遂げる上でのより困難な課題に挑む
  8. 新しい行動様式を組織文化の一部として根付かせる
2000年頃、お客様第一の組織づくりに向け、社内の研修で講師が引用していました。
先日、タビオ(靴下屋)の越智会長のポッドキャストを聴いてたら、「“変える”といったらすぐ変えるんや。」という強い発言がありました。これはトップの「こうした方がお客様への価値提供のためにええやん」という強い思いがあってのこと。そしてヒトコト「わしはどうやったらできるかわからんから任せるんや。なんででけんの?」
一気に5までいっちゃう感じですね。

千房(お好み焼き屋さん)の中井会長も同じようなことをおっしゃっていました。卓越した経営をされているリーダーは、みな使命感から出る危機感を社内に伝えるのがうまいのだと思います。

さて、経営品質のアセスメントの折に書く「組織プロフィール」。そこには、その組織の「あるべき姿」に加え、顧客・市場、競合他社の動向などの外部環境も整理して書きます。企業の成長にとって危機感を醸成するための外部環境の情報は重要です。
ということで、今日は藤原塾で藤原先生のお話を久々に聴いてきました。藤原先生は私たちの胆を鍛えるために、いつも危機感を煽るお話をされます。今日のお話の中で一番印象に残ったのは、これ↓(他にもいっぱいあるんですけどね)

 世界各国は経済において「鎖国化」する

英米が世界経済の表舞台から去って、英米法で秩序化されている取引がなくなり、すべてBRICs諸国や資源国のいいなりになる。いいなり、というのは、突然為替レートなどの条件を変えられても、ロジックも説明もなく、「取引したくないならいいよ」と言われること。英米法はまるでラテン語のようなものになってしまうかもしれない。となると、まともな貿易は難しくなる。
では、どうするか。日本国内でクオリティを高め、付加価値をつけ、小さな信頼を積み上げていき、「この会社にしか出来ないよね」といわれることを追究する。もしくは、それをどこかの国で骨を埋める覚悟でやるしかない。

と、藤原先生から伺った話を、私がさらに煽って書いてるかもしれません。それでも、世界や日本がこれからどう動くか、それらを視野を広げてみていくヒントになります。だからこの情報は、「健全な危機感かな」、と思うfoxryoなのでした。
経営には公式はない 2009年7月2日(木)

ただ、決断があるだけ。そして、何を言うかではなく、何をするかが重要。

経営、というとサラリーマンには関係ないと思いがちですがそうではないということを、千房の中井社長のご講演を伺って思いました。

15歳で大阪の乾物屋に丁稚奉公に出た。 最初の仕事は、出汁に使うじゃこを肥料か商品にするかを網でふるいにかけることでした。 それはとても単調な仕事で、毎朝、山のように積まれているじゃこを前に、「じゃこなんか死んじまえ」と思っていました。死んでるんですけども(笑)。
あるとき、その網に、じゃこの顎が引っかかります。おまえたち、もうちょっと大きくなったら商品になることができたのに。今回だけ、おまえたちを商品にしてやろう。それ以来、網の後ろが気になるようになり、ひっかかってるじゃこを商品に入れるようになりました。

そうです。私はこの時、社長をやってたんです。
つまらない仕事だと思っていたけれど、
 「じゃこの運命、オレが握ってる」
と思えるようになったのです。これをきっかけに、商品も大切に扱うようになりました。ただ、今思うと、お客様には随分ご迷惑をかけたわけですけども(笑)。
目の前の仕事は確かに単調でつまらないかもしれない。でも、考え方が変わったとたん、自分で「どないでもなる」と思えるようになる。嫌な仕事が楽しくなるんです。すべては捉え方1つなんですよね。
「本社部門にいるからお客様が見えにくい」「自分はこの機能のこの部分だけを担当してるから全体がわからない」・・・。不平不満や、愚痴。果たしてそうなんでしょうか、ということです。

実はどんな小さなことでも自ら決断を下していく、ということが、経営そのものなのだと思うfoxryoなのでした。
伊那経営フォーラム 2009年6月28日(日)

1泊2日の「伊那経営フォーラム」に行ってきました。
昨年、ご紹介したように、このフォーラムが始まって5年。今年は1000人もの人が集まりました。だんだん「いい会社をつくろう」「いい地域をつくろう」という輪が広がってきていると感じています。
高知本氣フォーラムしかり、です。来年は鬼丸さんが京都で主催???

これ、仕事で行ってるわけでなく、個人的に行ってます。この場は、名だたる経営者のみなさんのお話を聴くことができる非常に良い機会であり、私にとっては、自分たちの会社をもっといい会社にできるヒントを集める、自分自身の行動を振り返って変える、という思いからです。でも、根っこにあるのは、参加すると「自分が笑顔になれる」っていうことだったりします。

さて、「人と絆を強さに変える経営」をテーマにしたフォーラムのトピックは、何といっても、千房の中井社長のご講演。ものすごいインパクトでした。今回のレポート(?)は「ヒトコトでいうと」でまとめると心に決めていたので、顔晴ってみます。

  • 全体を通して: 人との関わりの深さを追求すること
  • 中井社長: 商売は人柄。原点に返る(考え方、人生観といった、根っこが大事)
  • リッツ 高野さん: 「リッツだったら大丈夫だと思って」(新型インフルエンザ騒ぎでレストランが満席になった理由。お客様の声から)
  • 大久保さん: 本物は360度。いつどこから誰がみても本物。
  • 炭焼き職人 原さん: もっと迷惑かけあおう。目の前の人を幸せにしよう。
  • 菓匠 清水さん: チーム一丸となり、お菓子を通じて世界中の家族の絆をつなげたい。
  • 香取さん: 目の前の仕事を好きになる努力をする。そしたら最幸になる。
  • 加賀屋さん: 出会いを大切にする。
  • バグジー久保さん: 長く怒らない(それが自分にとっても相手にとっても、組織にとっても良い結果を生む)
  • 伊那食品 塚越会長: どうしたら社員のためになるかを常に考えてきた。
  • ネッツ南国 横田会長: 相手が間違っていても、相手が「自分が正しい」と思っていたらいわなくていい。なぜコミュニケーションをとるかというと相手のレベルアップのため。教えられても相手は喜ばない。
  • 四国管財 中澤社長: 採用はその人の夢をサポートすること。
うーん。結局、「ヒトコト」ピックアップ集になってしまいました。やっぱり私はヒトコトで「まとめる」という修行が必要ですね・・・。 というのはおいといて、この他にも志を持った方々の思いを伺いました。 最後に、フォーラムの運営に携われた皆さん、有難うございました。

ということで、この2日間で得たものが消化しきれず、全くまとまりのないコラムとなりました。ちゃんちゃんっと。それではまた。
異文化の刺激 2009年6月26日(金)

会社の風土が違うなぁと感じることは多々ありますが、ここまで違うと思ったのは初めてです。リーダーシップを成長の根幹に据えて、それを「当たり前のこと」と信じて当たり前にやる。
社長に聞いたって、従業員に聞いたって、小学生に聞いたって、「リーダーシップって大事だよね」といいますよね。そして、「リーダーシップとは何か」の分析をして、そして「こういう資質を高めていこう」というところまでは合意できると思うのです。

「当たり前にやる」というのは、「いつまでに、なにを、どうする」と行動に落ちるまで「具体的」にして、ある意味パターン化、しくみ化して、それを徹底「している」のです。この考え方はかなり刺激的でした。

そして、

仕事はたとえればゲームのようなもの。「こういうリーダーシップを発揮してくれ」とはいうけど、人格まで変えてくれといってるわけではない。ポーカーなんかやると人格が変わるよね。それと同じように、出社したら会社のvalueを実践して、ゲームに勝てるやりかたをしようよ。
と言い切るすごさ。そしてこうして包み隠さず話していただけるのは、もう完全な差別化要因となっているから。誰にも真似できない域に達している自信。


さて、ここはどこの会社でしょー。なぁんて、実はまだこのコラムの内容がこなれていないので、ごまかしてるだけだったりするんですけど。自分たちの組織との違いを実感すると同時に、なにをしていけばいいのか、確信が持てずにいます。
ということで、伊那フォーラム、いってきまーす。
イメージが広がる 2009年6月16日(火)

スゴイ言葉シリーズ(?)第二弾。今回は、ABCマートの野口社長。

統計によると一人の人が1年間に買う靴は「3足」といわれています。
つまり、4ヶ月間、お客様に憶えておいていただけるようなサービスを目指さねばならないということです。
とおっしゃっていました。
単に「お客様満足度(のポイント)を上げよう」というスローガン的なものではなく、「4ヶ月憶えておいていただけるサービス」を目指すっていうのが、考えるだけでワクワクします。
ただ、もし出来たとしてもそれを毎日毎日続けるというところは厳しいんじゃないの? と思われるかもしれません。
それはシステムでカバーしています。他店に比べ、1店舗あたりの店員さんの数を多く配置、店内、店舗間で健全な競争を奨励(データを即日ITで共有。歩合制はとらず、年1回表彰)、などです。
そして、接客だけでは売れません。接客で入手したお客様の声を即取り入れて自社開発しています。設計するそばからこれまたITを活用し、webカメラで海外の工場とのやりとりを行い、リアルタイムでモノ作りをしています。もちろん、トップ自身が折に触れ、こういう発言を何気なくされているのではないかなと思います。

 1人の人に次も買っていただく接客をする。
 そのために「4ヶ月憶えておいていただけるサービスをする」

そんな取り組みにチャレンジしているABCマート、なんかいいです。
すごいヒトコト 2009年6月7日(日)

我々の意識が世の中の変化に対してズレていることが、(業績低迷の)一番の原因だね。
これは、イトーヨーカドーを創り上げたセブン&アイ・ホールディングス会長兼CEO 鈴木敏文さんのヒトコト。

なんかこのヒトコトにしびれました。何気なくおっしゃっていたので、テレビ映像では金言的な扱いをされてませんでしたが、これこそ重要な言葉だと私は思いました。こういう考えの持ち主だからこそ、変革ができるのだと思います。常にお客さまを見ていて、やり方をどんどん変えていけば結果はついてくる。従業員の能力(アビリティ)を信じているからこそ言える言葉でもあります。

「価格競争はしない」といってたのに、激安路線のスーパーを始めた理由も、世の中への変化対応。価格で競争するのではなく、お客様への価値提供を追及するということなんです。そのために、「内部のやり方」を変える。軸のぶれない鈴木会長の意思と行動、やっぱりすごいですね。
高知本氣フォーラム レポート 2009年5月30日(土)

昨年11月に高知経営品質協議会が主催された「高知本氣フォーラム」
メインスピーカーは、炭焼き仙人の原さん、無酸素単独登頂アルピニストの栗城さんのお二人、そして、ディズニーといえば、香取さんと加賀屋さん、あのバグジーのノブさん、「地球倫理推進賞」を受賞されたテラルネッサンスの鬼丸さんです。

ネッツトヨタ南国の横田会長の開会挨拶から、夢を追い続ける6人の講師のみなさんのお話、バグジーの久保社長やICPEの鬼澤さんがコーディネータ役のパネルトークなど、余すことなく「本氣とは」をお伝えします。
私はこのフォーラムに参加して、感動しましたし、笑顔になれたし、元気にもなれました。「本氣」って、案外○○○○○かも。みなさんにもその感動をお伝えできたら嬉しいです。

それでは、こちらからどうぞ! ↓ 
 ★★高知本氣フォーラム レポート★★

ご感想は、掲示板まで♪ 
 →http://8411.teacup.com/fox01ryo/bbs

☆ピックアップ版だけ読んでみたいという方は、ここをクリック

なお、このレポートは昨年12月まではただのメモでした。でも、もうただのメモではありません。なぜかっていうと、高知本氣フォーラム塾長の大原さんに全体を通して編集いただいたこと、そして何より、メインスピーカーの原さんにも校正をご協力いただき、レポートとして完成できたからです。
ということで、超パワーアップした「全文」のレポートがお勧めです。


小山社長、12年目の告白? 2009年5月22日(金)

武蔵野の小山社長から、これから経営品質向上プログラムに取り組む企業へのアドバイス。

まず、「やるぞ!」と決めて人に言う。対外的に言うとやめられない。「2004年に報告書を出します」と有言実行。

次に評価レポートをもらってからの進め方。社長である自分の目線と審査員の目線が違うので、評価レポートもらって読むと、「許せない!」と思う一方で、「そうだよなぁ」とも思う。改善領域で示された課題は易しいところから先にやった方がいい。うちは難しいことに取り組んで損した。ついつい、難しい方がいいと思っちゃうんだよね。チャレンジする会社はそれなりに成績出してるし。でも、あの時、自社の強いところをさらに強化する方にいけばよかったと、今では思っている。

それからもう1つ、ベンチマーキングに現場社員も連れて行くこと。現場にしか真実はない。管理職だけでは伝わらない。年3回アセスメントをしているけど、実行計画、経営計画書の作成には、アルバイト、パートも参加。230名が全員でやる。自分の意見が会社の政策になるからいろんなことが早く進むようになる。

うちがJQAに取り組み始めたのは「やってみないか」と言わたから。ほんとはやりたくなかった。しかも、チャレンジしていく中で3回やめたいと思った。
とはいえ、JQAで役立ったことは、社長として楽になったこと。まさかこんなに楽になるとは思ってなかった。「利益が出る」とか「儲かる」とか「体質が変わる」(※)なんて嘘っぽいと思った。だけど、12年間やり続けて、自信持って「本当だ」と言える。途中で中途半端にやめると今までやってきたことが無になる。愚直にやり続けるのが役立ったこと。それと、武蔵野にチャレンジしない社員はいなくなったことだね。

※新卒の定着率 12年前15%→現在85%。ここ3年は辞めた人ゼロ。
※※この内容は、2008年度経営品質賞報告会でのメモを編集したものです。


ワールド・カフェで発散 2009年5月22日(金)

集団で新たなアイディアを生み出すための発想方法というと、最初に思い浮かぶのは、ブレイン・ストーミング。ルールは4つ。批判厳禁、自由奔放、質より量、連想と結合。
そして、もう1つはHONDAの「ワイガヤ」。言葉どおり、ワイワイ、ガヤガヤと自由に意見を言える環境をつくるだけでなく、明確なルールが1つあります。それは「何らかの問題解決につながるまで決して議論を終わらせない」ということです。
ブレストもワイガヤも、効果的な質問ができるファシリテーター役を必要とします。そういう有能なファシリテーターがいなくても全員参画でどんどん意見を積み重ねていける対話方法って? 

んでは、そろそろタイトルの「ワールド・カフェ」(のロバート版)。
これ、ちょっと前に体験した対話方法です。ワクワクしながら対話を進められるのでとってもいい感じです。
やり方はこんな感じ。
チームに分かれ、各自お題について意見を言いながら、B紙に自分の意見を書き込んでいく。一人が意見を言い終えたら、チームメンバーはすかさず、「それ、いいね!」と本気でいう。メンバーの意見を一切否定せず、とにかく続けていく。すると不思議なことに意見がどんどんでてくるんですね。否定されないから、機嫌よくできちゃうんです。

あらかじめ決めた時間が来たら、メンバー替え。各チーム一人を残してすべての人が別のチームに旅立っていきます。
そこで最初にやることは、残った人がこれまでの意見を、新たなメンバーに共有すること。そこからはまた同じように「それいいね!」で意見をどんどん出していきます。他のチームから来た人は、残ったメンバーから共有された内容からも発想できるし、前のチームで話されていたことを追加したりと、新たな意見がどんどん発散できます。
「これとこれって、つながるよね」(丸で囲んだり線を引いたり)、「それだったら、こういうこともいえるよね」(矢印と意見を書く)「それってどういうこと?」・・・。とにかくどんどん言ってどんどん書く。それが発想を広げていくような気がします。それに、どんどん紙面が埋まっていくのも楽しいものです。発想力を鍛えるにはとても楽しくて有効なやり方だと思いました。

ただ、このワールド・カフェも、ブレストもワイガヤの場も、意見が出るかでないかは、メンバーの貢献意欲次第。「なぜ、やるのか」を明確にし、メンバーの納得・共感を得るという、チーム・ビルディングができていることが前提なんじゃないでしょうか。って、普段の仕事もそうですね。常にワールド・カフェのような状態だったら・・・。スゴイ会社かも!


きつねのお仕事
景気が低迷する中、株価を上げ、最近少〜し有名になってきたメーカーの会社員です。 お客様や市場の変化を素早く察知して、その変化に柔軟に対応することのできる「At Your Side」な企業文化を持つ組織作りを後方支援しています。
経営品質協議会認定アセッサー

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