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Foxryo's Note Pad
お仕事きつね 【 きつねのメモ帳 】
経 営 品 質
〜foxryoが参加したセミナー・講演などからの気づきメモです。本当にただのメモかも〜
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経営品質

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+ 気づく組織づくり
+ 変化の兆しを見なくなる
+ 共感を得ること
+ 全幅で受け入れる
+ 突拍子もないこと
+ お客様の立場で
+ どうありたいか
+ 企業に投票
+ 結果指標も独自
+ 安心の提供
+ DNAの伝承と企業の成長
+ 非言語的シグナル
+ 風土で差別化
+ 人が育つ風土
+ 反省なきところには
+ 課題解決には目的を
+ 質問には質問
+ 伊那フォーラム総集編
+ イザ使える
+ エコが競争軸
+ 和して同ぜず
+ いつもが肝心
+ 難言
+ 発言が弾む会議
+ ユニバーサル

リッツ宿泊記
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きつねのお仕事

気づく組織づくり 2008年11月9日(日)

「ちょっとしたことだよ。でもね、このちょっとのことに気づいて、やれるか、が大事なんだ。」
「教えてもらう」のではなく、「自ら気づく」組織作りを目指す、七福醸造の犬塚社長。今日、東海テレビの「スタイルプラス」の「東海仕事人列伝」に登場されていました。
ぴかぴかに磨いたかなづち。「ここまでしなくてもいいとは思うんですけどね、ただ、ここまで磨くと扱い方が違ってきます。」
ピカピカに磨く樽。「ここまですると、味が美味しくなるように思うんですよ。」
100キロウォーク。「できっこないって思ってたけど、できると信じればできるんですね。」
こうした社員の方のコメントが興味深いです。どんな小さなことでも自分が一生懸命取り組むと、そこには見えないけれど、「大切」という価値が生まれる。大切だと思えると、人のやっていることも大切だと思えていくのかもしれません。

環境整備に一時間、毎朝の天突く体操、読書感想文、年一回の100キロウォーク・・・。すべてが「教えてもらう」ものではなく、どうしてこれが必要なのか、なぜやるのか、自らの体験を通して「気づく」。
「頭で憶えるのでは意味がない。心と腹に落としてはじめて行動に変る。その方が早い。心の効率をあげていく、ということですよ。」
そんな考え方で社員教育に取り組まれています。一方で、「コストはどんどん上げていけ」という面白い戦略をとっています。「コストは下げるもの」という概念はありません。大手はそこそこの材料でそこそこのものを売る。七福さんは、お客様である高級料亭が、こぞって言い値で買ってくださる高品質の出汁を作る。同質の競争に陥らないってことですよね。以前、お話を伺ったとき、こうおっしゃっていました。
「心豊かな人、1%をターゲットに商売をしよう」と決めた。これからは本物の時代が来る。医食同源の時代が来る。小麦は有機栽培。材料全部にこだわり、大手が馬鹿にすることをやる。
コストは上げていいから、社員はとことんいいものを仕入れようと、伸び伸びと仕事ができます。そして、それが結果的に、環境に優しく食の安全を確保した美味しい商品になる。一人ひとりが自分の可能性を信じて、自ら気づいて行動する。そういう組織って、とことんいいものを創り出すってことに強そうです。
そういえば、「松沢ふみ」さんのお話も犬塚社長に教えていただいたんでした。
変化の兆しを見なくなる 2008年10月24日(金)

巳之助は、今になって、自分の間違っていたことがはっきりとわかった。−ランプはもはや古い道具になったのである。電燈という新しいいっそう便利な道具の世の中になったのである。日本がこれだけ進んだことを喜んでいいはずなのだ。古い自分の商売が失われるからとて世の中の進むのに邪魔をしようとしたり、何の怨みもない人を怨んで火をつけようとしたのは、男としてなんという見苦しいざまであったことか。世の中が進んで、古い商売は棄てて、世の中のためになる新しい商売に変ろうじゃないか。
巳之助さんはランプを行灯しかなかった自分の村で売ることを商売にしました。ランプが人々の暮らしを助けるものだと「発見」したからです。なのに何故「電燈」を憎み否定したのでしょうか。

自分の商売を守りたい。その一心が働いたのですよね。「この技術はまだ使える」「この教育はこれまでずっとやってきたから」「こうやれば成功する」・・・。。こういった思考や過去の成功体験が変化の兆しを見なくなるんですね。
「こだわる」という言葉は最近良い言葉として使われますが、本来悪い意味で使うのが正しいんですよね。wiiのように、最先端の技術でなくてもお客様が欲しいと思われる商品をつくることだってできます。「お客様は新しいものを求めている」という思考に陥るとこういうモノはできません。モノだけみてると変化の兆しは見えなくなる。何がしたいのか、どうありたいのか、そこからものごとを考えるようにしなきゃですね。

巳之助さんは何故気づけたのか。そして自分の商売の終りをキッパリと、そしてとても美しく飾りました。興味のある方は、新美南吉童話集をどうぞ。
共感を得ること 2008年10月20日(月)

外部からの刺激に対しての反応は、チームの組織能力のレベルで違います。
たとえば、QCC、TPM、TQM、CI、CS、BSC・・・流行の経営手法を取り入れてばかりいると、従業員から「え? 今度は○○なの? 今度は何年持つかな」といわれるのがおちでしょう。

新しいものに対して、一番共感を得やすい環境というのは、組織内の誰もが問題がある、と認識しているときじゃないでしょうか。そして、その手法やノウハウを導入すれば問題が解決しそうだと思えたら即取り組むでしょう。
では、メンバーが問題があると思っていてもリーダーがそう思っていない場合はどうでしょう。恐らく、一部では取り組みが進むものの、リーダーを巻き込めなければ収束してしまうでしょう。
次に、リーダーが問題があると思っていて、メンバーがそう思っていない場合はどうでしょう。これはリーダーが目指す姿と現状のギャップを共有すればメンバーの問題認識が進み、「ではどうするか」への議論がはじまるのではないでしょうか。

では、誰も全く問題がない、と思っている組織で新しい取り組みについて共感を得るためにはどうしたらいいのでしょう。

その取り組みに対する認識のハードルを下げること。要は相手目線でその取り組みのメリットを伝えることができるか、ということです。たとえば、何故それが大切なのかということ、これまでやってきたことの延長線上にその取り組みがあること、少し視点を変えてみるだけだと理解すること・・・などがあげられるのではないでしょうか。 普段の業務とその取り組みがその人の中で「そういうことか!」とつながった時、ということなのかもしれません。

リーダーの存在、メンバーの自律性、チームの状態、ビジョンやミッションなど組織価値観の認識・・・組織の状態や度合いを表わす視点は様々だし、それらが複雑に絡み合ってレベルを推し量るのも困難です。
それでも、いえることは、「人は教えられることでは動かない」。動いたとしてもその強制力が働いている間だけです。自律的に取り組みが進むには??? 
共感だけでなく、取り組みを勧めてくる人との信頼関係も大切と思います。相手の組織のありたい姿や課題解決に真摯に向き合い、ともに考える姿勢が必要です。そして、その取り組みが会社も自分も成長させ、家族にも誇れるものであったら、取り組みへのスピードも加速していくのではないでしょうか。


全幅で受け入れる 2008年10月15日(水)

「お客様の要求を断らずになんでも聞いてたら、仕事がどんどん増えちゃって大変と思うでしょ」

(foxryo心の声「ええ、絶対増えると思います。」)

「そうじゃないんだなー」

(foxryo心の声「えぇぇ〜?」)

「お客様はいつもいうことを聞いてくれるスタッフには、却って普段は無理をいわないんだ。お客様の側に立って誠心誠意努力していることを、お客様が感じ取っているから。だから、本当にどうしても解決してほしいことが出てきたときしか言わないんだよ。
逆に、“まずは断っておこう”というスタンスのスタッフには、無理難題を突きつけてくるもんなんだ。」

(foxryo心の声「へえぇぇ〜! 意外!」)
つまり、後者のスタッフはお客様にいつも試されている、信頼されていない、ということなんじゃないでしょうか。「どうせ言ってもやってくれないだろうから、いいたいだけいっとこう」ってお客様が思うんでしょうね。

「それって、ただの印象じゃないの?」と思われるかもしれません。でも、これは定量・定性的にデータをとった結果だそうです。
「お客様からいただく評価が“5(満点)”のスタッフは、どのお客様からの評価も“5”なんだ。そして、“4”をもらうスタッフは、“どうしてこの評価になったのかな”と問い掛けると、“あのお客様、いつも要求が厳しいんですよ”と自分ではなく、相手のことを批判するんだ。本人がそこに気づくよう、全体のデータから、こういう行動がこういう評価になる、といったものを示してるんだけどね。なかなか気づかないね。それでも気づくまで待つよ」
という、とても興味深いお話をある情報交換会で伺いました。これって顧客満足のみならず、仕事でかかわる人とのコミュニケーションにおいても同じなんじゃないかと思いました。みなさん、どう思われます?
突拍子もないこと 2008年10月6日(月)

北京の蝶の羽ばたきのように、いいことは広がっていく・・・はずなんですけど、そうでもないのは何故なんでしょう。「いいこと」は傍から見ていると「いいこと」なはずなのに、自分が当事者になったとたん、「難しいこと」になる。「やっぱりできないかも」という心理的ハードルが高まることが要因なのでしょう。どうしてハードルが高くなるのか。結局は、「自らやってみたい」というところまで共感や納得ができていないということなんですよね。
なにかを広めていくとき「いいことだから強制する」というやり方もあります。たとえばバグジーの久保社長は5つの行事に参加しなければ辞めさせる、ということをされています。でもその「いいこと」は、強制にする目的がハッキリしているし、共感できる。そして、この価値観を共有できなければバグジーに居て、成長をともに楽しむことはできない。

一方で目的や共感も得られない強制だったらどうでしょう。
それはただの支配者と奴隷状態ですよね。

広げていくのに一番大事なことは、理想を描いておく、ということだと思うのです。そして、着手する時は小さく始めて手ごたえをつかむ。
うちの会社の設立趣意書には、「愉快な工場をつくる」というのがあります。設立当時は「そんな夢みたいなこと」であったものの、工場内に分不相応な立派なトイレを作ったり、病院を建てたりして、地元の経済界から奇異の目を向けられても理想を追求しようと一歩ずつ着実に実現する姿勢が経営層にあって、それが従業員にも伝わっていたのだと思います。そして、いま、「グローバル」とか「グループ経営」といった言葉は珍しくもなんともありませんが、それを経営トップが表立って言い始めた1990年代、できていない状況でした。それでも地道にお客様に向けて事業一貫経営をしていくという強い思いと様々な施策と努力によって「当たり前化」しました。

「経営品質向上に取り組むんだ!」と突拍子もないことをいっても、賛同は得られにくい。一方で、「うちの会社の夢やビジョンを実現するために、経営の質を高めていこう」といえば賛同が得られます。この違い、わかりますか? わかる人は推進者の素質アリです。


お客様の立場で 2008年9月24日(水)

あと数分で20時。お腹の空いたお客様がちょっとオシャレなデザート&カフェ屋さんを見つけて入りました。 店員さんに促されて席についてから、即、質問。

 「このお店は何時までですか?」

店内にはお客様が一人も居ないし、デザートがメインのようだし、そのお客様はちょっと心配になって聞いたんですね。そしてそのお店の閉店時間は20時です。

さて、あなたが店員さんだったら、どう答えますか?

あと数分で20時、ですよ。
実際はその店員さんは「20時です。」と答えました。
驚いて時計を見たお客様に、「あ、でもいいんですよ」

その後、小心者のお客様は迷わず目に留まったオススメの食事をオーダーし、15分くらいで必死に食べて、しかも閉店時間を延ばしてしまい申し訳ないと思い、フルーツゼリーをテイクアウトして帰りました。
その時のレジのところでの店主の女性との会話。

 お客様「いつからこのお店はあるんですか?」
 店主 「5月です」
 お客様「そうですか。私がこのあたりを通るのはだいたい20時を過ぎてるからお店が出来たことに気づかなかったんですね」
 店主 「普段は20時で閉店するんですけど、21時まで開いていることもあるんですよ。お客様次第ですね」

あんなに必死になって食べたのに・・・。
みなさんなら、なんて答えます?

きちんと閉店情報は伝えなくてはならないし、お客様にはくつろいでほしいですよね。
どうありたいか 2008年9月20日(土)

22年間黒字で最新鋭設備を揃え、医師不足の心配もない病院。それは、過疎地と言われる兵庫県養父市八鹿町にある八鹿病院。
公立病院といえども赤字垂れ流しでは過疎地の自治体は病院の維持を放棄してしまう。その危機感から自立した経営を目指し、「病院とはサービス業である」と様々な経営努力を積み重ねられてきた名誉院長の谷さん。たとえば、普通の病院ではやられていないような以下の取り組み。

  • 総合診療科の設置による専門医の負担軽減
  • 出張診療による病気の早期発見を行い、来院者数増加
  • リハビリ強化による自宅治療へのシフトを行い、病床の確保と医療費削減
  • 優秀な看護師の育成
  • 在宅患者の看護師による訪問看護
そして、映像に出てくる病院で働く人たちや住民のみなさんの笑顔。そこから、「但馬の住民医療に貢献したい」という意欲や住民のみなさんの「安心」を感じました。
「こうありたい」をつきつめれば、やるべきことが見えてくる。何を守り、何を捨てて変えるのか。八鹿病院の取り組みからそんなことを実感しました。

※このコラムは、テレビ東京「カンブリア宮殿」8/18「あなたの町から医者が消える! 〜崩壊する地域医療〜」の感想です。

●八鹿病院サイトURL:http://www.hosp.yoka.hyogo.jp/
企業に投票 2008年9月11日(木)

アサヒビールの商品自主回収のリリース
事故米穀がアサヒビールの商品に混入するまでのルートはこんな感じ。

三笠フーズ(不正転売)→仲介業者(不正転売?)→西酒造(事故米穀と知らずに醸造)→(知らずに購入)アサヒビール(販売)
今回の自主回収は、
  • 社会から見ると、「西酒造から10日に“やっぱり事故米穀だった”と言われて翌日に自主回収を決めるなんてすごい」、「これだけ川上から騙されてたらわからないよな。それなのに直接自社の責任ではないものの、回収するんだ」、「さすが、すべてはお客様の“うまい!”のために と言ってるだけあるな」と信頼を増す一方で、逆に「お客様のためにといいながら管理が行き届いてない」という人もいるでしょうね。
  • お客様から見ると、「さすがオレの好きなアサヒだ」、「健康に害を及ぼさないなら売って」という一方で、「健康に害は及ぼさないとしても、いつから混入???」、という人がいそう。
  • 従業員から見ると、「お客様にご迷惑をおかけし、申し訳ない」、「これから未然防止に向けて、ビジネスパートナーとの信頼関係をどのように強めていくか対策を考えないと」、という一方で「お客様や社会からの信頼を失ったら大きな損失だなー」「何層下までのビジネスパートナーを管理すればいいんだろう」と思っている人もいるでしょう。
  • 競合他社から見ると、「アサヒすごいなー」とか、「大変だな。うちは大丈夫か?」。一方で「この機に乗じて焼酎造る?」なぁんて、あ、さすがにそんなことは思わないか。
見方はいろいろあると思います。じゃぁ、要因は一体なんなのか。
商売上の倫理観が中国よりもむしろ日本で崩れかけているのかもしれません。そしてそれを突き詰めると、メーカー側がお客様である私たちから「選ばれよう」としているところにも要因があるように思います。ものが売れなければ企業は存続できないわけですし。
私たちが「安くていいものがほしい」と思っている限り、コストを下げる努力を企業はし続けることになります。だからといって不正をするのはお門違いですが・・・。顧客価値を「安さ」だけに置くと、間違うでしょうね。

「でも、誰だって安いほうが良いに決まってるじゃん」といわれたとき、解決方法はあるんでしょうか。発展途上国の原料や製品を適正な価格で購入するフェアトレード(Fairtrade:公平貿易)。これを対途上国ではなく、対日本企業でもっと盛り上げるというのはどうでしょう。そうすれば、もし、取引先からの値下げ要求があったとしても、マイナスの(不正な)企業努力でなく、お互いが情報の透明性を高めたり、協力しあうことによってプラス方向の企業努力ができそうです。

一人のお客様として私にできること。100円でも世界を変えられるかもしれません。企業に投票するつもりで ものを「選ぶ」ということ。消費行動を変えるのもまずは自分から、ですね。
結果指標も独自 2008年9月1日(月)

優れた企業といわれる所以は、「他よりも優れている」という意味合いももちろん含まれますが、「独自のやり方をもっている」ということが一番大きい。たとえば、業界のリーダー的存在の企業であれば、同業他社と比べるでしょうか。他より優れているから業界リーダーだとすると、他社の指標は目標にはならない。従って、独自の指標を持たざるを得ない。

では、業界外には目を向けないのか。ひょっとすると業界外の企業の優れたプロセスに学ぶということはあるかもしれません。ただ、もしそうだとしても、その前に、「自分達は何を目指しているのか」が明確なのではないでしょうか。目指す姿が明確で目標も自分達が決める。同質の競争に陥らない目標とは。自ずと「比較対象」は自分達の過去の指標、つまり「自分達のレコードを塗りかえる」ことになるんじゃないでしょうか。

伊那食品工業は売上計画を立てないことで有名な会社です。でも、異業種の展示会などへ出展したり、新たな素材としての市場をお客様の声をヒントに見つけ出すことには重きを置いています。未来の成長につながる結果を指標にしている、ということです。

実はある業界リーダー的企業の方に、「貴社が“優れた企業である”ということを物語る指標として□□があげられると思います。他社と比べていかがでしょうか」と質問を投げかけました。すると、次のような答えが返ってきました。

「□□は取っていますが、それは重要な結果ではありません。当社は、△△を重視しています。それはなぜか。大切な価値観の○番目の○○を実践する。その結果が△△だからです。この数値をあげていくことが××や□□にも良い影響を与えていきます。」
ついつい「他社よりうまくやる」ということに目がいきがちですが、競争ではなく、内側のクオリティをあげていくことが大切なんですね。「なにを目的に、どの指標を向上させていくのか」を考え、自組織ならではの意味を持たせる。意味があるからその指標をレビューし、PDCAが自律的にまわっていく。それが独自性につながるんだと思いました。
安心の提供 2008年8月30日(土)

ガスが使えるのは当たり前。水が使えるのも当たり前。そう思っていました。だから、「ガス会社による3年点検」なんて別に必要ないのにと思っていました。

でも、電話相談窓口の対応と今日の点検の方の説明で納得。「お客様に安心の提供を」という説明責任だったんです。

マンションの掲示板に「外から点検できるので家に居ていただかなくても結構です」という文字を発見し思わずラッキーと思ったものの、ハガキが届いていたし本当にそうなのかを相談窓口に確認。お客様番号を伝えると即座に回答。「“あったかトクトクプラン”をご契約されているので、暖房器具の確認が必要なので居て頂きたい」とのこと。そして、平日しか点検できないと書いてあった点検日を土曜日に変えてくださいました。そこまでしていただいたら、点検、受けようと思いますよね。
そして今日。ガスファンヒーターの型番と製造年月日、そしてホースの確認。「どうしてホースまで?」と思ったところ、きちんと説明していただけました。「お客様が“古いのがあるからいい”といって家庭用のを使われていたところ、ホースが抜けて火事になった」という事例があったそうです。
そして台所とファンヒーターのガス取り口からのガス漏れの点検、ガス漏れ報知器の点検で完了。最後に今日の点検内容の再確認と、地震時の対応を説明いただきました。

震度5の地震でガスが自動的に止まります。最近のように雨で地盤が緩んだ場合、震度2でもガスが止まることがあるんですよ。また、ガスが止まった時の復帰方法をご説明します。余震がない、安全ということを確認いただいたら、電気でいうとブレーカーみたいなものを解除します。一旦、家の中にあるすべてのガス栓を閉め、ガスメーターの黒い復帰ボタンを押してください。3分ほど経つと点灯していた赤いランプが消え、ガスが使えるようになります。
知らなかった。ていうか、多分パンフレットを見たような気もしますけど、意識していませんでした。最近のガスファンヒーターの事故や多発する地震についての対応方法をしっかり説明いただけたことにとても感謝しています。
最後にもう一つ。すごいなーと思ったこと。今の都市ガスでは自殺できないそうです。人体に危険な成分はすべて排除しているとのこと。万が一ガス漏れを起こしても人体に影響はないってことです。 ガスを扱う企業の社会的責任追求のすごさに驚きました。

お客様の安全を守る。しかも私たちが普段当たり前、と思っていることへの真摯な取り組み。こういう人たちに生活が支えられているんですね。有難うございます。
DNAの伝承と企業の成長 2008年8月27日(水)

「あなたが仕事をする上で、一番影響を受けたのは誰ですか。
そして、それはどんなやり方ですか」
このような問いにあなたと、あなたの周りの同僚はなんと答えるでしょう。

私は入社当時の先輩。「自律的に考える」ってことを学びました。仕事を引き継いで1ヶ月経ったころでしょうか。「わからないところは、何でも聞いてね」と言っていた先輩が、突然、「マニュアル読んで、本当にわからなかったら聞きにきなさい」とビシッと言い放ちました。みなさんからすると、「どんだけ?」と思われるかもしれませんね。入った当時って本当にお気楽に仕事をしていたんです、ワタシ。

さて、もう一人の答えを紹介。私の同僚は、「自慢話をしなければいい人なんですけどね。いま考えるとその部長が私に“チャレンジ”ってことを教えてくれました。入ったばかりの私に、“各社の資料から考察されることと、課題に対する提案をレポートしなさい”といい、そのレポートがよくまとまっているからと、関係会社の責任者が居並ぶ中、発表する場を与えられました。あれはすごいインパクトでした。」

この問いの意味。それは長く成長し続けている企業では、答えが「先輩」になること。みなさんの周りではいかがでしたか? ドラッカーのような経済学者でもなく、松下幸之助翁といった有名企業の経営者でもない。そういう答えが出てくる会社は、大したことないそうです。

「自律的に考える」こと、「チャレンジする」ことが、二人の受け継いだうちの会社のDNAの一部。先輩から残すべきDNAを伝承していくことが、未来永劫成功し、成長し続ける会社のようですよ。私にも、受け継いだDNAを後輩に引き継いでいくという役目があるんだなぁと認識したのでした。
非言語的シグナル 2008年8月11日(月)

時々読んでいる内田樹先生のブログ。今日、深いなぁと思った記事があったので紹介します。(2つポイントあり)
一つは、「非言語的シグナル」には「語彙」があり「文法」があり、それを発信する能力、受け取る能力の重要性をひしひしと感じたこと。メラビアンの法則で「言葉から伝わるのはたったの7%」というように、人は知らず知らずのうちに言葉以外からの情報を受け取っています。その送受信について「能力」があるというところが私的に大共感。ちょっと違うんですけど、私はバドミントンの試合の時、相手の強さによって「できる度合い」が変りました。強いと強くなり、弱いと弱くなる。いつもペアの子に「どうしてそうなるの」と怒られていました。相手の何かを受け取る能力が高くて、しかもそこへの同調性があるのでしょう。

二つ目は、人に何かを伝える、教えるとき、「相手が飽きるほど」してはいけないということ。これもなるほどです。
相手が「もっと聞きたい」と思うくらいで止める。つまり、「なにかあるな」と相手に非言語シグナルを送る。それが人の好奇心やポジティブな感情を引き出します。
たとえば、「サービスとは○○が△△することである」というように文字が伏せてあったりカッコ書きになってたりするとどうですか? ついつい、そこを埋めようとか、正解意欲を掻き立てます。すべての情報が与えられすぎる、というのは「自分で考えたい」という人の本能を満たさないんです。だから、全部書いてあると意識もされないしつまらないんでしょうね。

「学習する組織」というのはこんなことが意図的にできている組織だと思います。

★以下、一部引用。
ある段階から次の段階への劇的なブレークスルーの前で足踏みしている人には、一言だけ、きっかけになるような技術的なヒントを与える。 それだけである。
あとは一般論として、「こういうふうに考えてやるといいよ」ということをときどき全体に向かって言うだけである。

●内田樹の研究室ブログ「『学び合い』フォーラム」記事はこちら→ http://blog.tatsuru.com/2008/08/10_1154.php


風土で差別化 2008年8月7日(木)

これ、望月さん(前ロッソえびすや社長)がいつもいっていたこと。小手先のサービスやプロセスは真似できるけど、風土は真似できない・・・。

最近、そこかしこで「価値観の共有」、「クレド/企業理念の浸透」、「ウェイ・マネジメント」といったセミナーが開催されています。10年前に比べて確実にこの手のセミナーって増えています。
その理由はどこにあるのか。
おそらく、「社会から信頼されないと企業は長期的に成長できない」ということがみんなうすうすわかっていたけど、やっぱり大事だよね、と思うようになってきたからじゃないかな。社会から信頼されないと、いくら熱狂的なファンがいたとしてもマスコミを筆頭に批判が高まると離れていってしまう。人がつくりあげてる「社会」というものはそういうものだと思う。

そして、「企業が成長していく」過程において、お客様と従業員という2つの面からマネジメントを考えなければならない。
最初は一人のお客様から。そのお客様にとっての精一杯のクオリティを提供する。それが評判を呼び、マスコミに取り上げられ、一人二人と増えていくと、クオリティを維持するためのプロセスマネジメントが必要になってくる。加えてコストやデリバリーも重要。
一方、従業員も最初は強い志を持った一人から。それがお客様が増え、企業が成長していく過程で人が増えルーチン作業が増えることにより志が薄まり、人材マネジメントが必要になってくる。
事業が多角化していけば、ステークホルダーも増え、さらにマネジメントも経営も複雑化していく・・・。

「社会からの信頼」ということを考えた時に、やはり「そこで働く人たち」の意識が高くなければならないと思います。

松下電機はパナソニックに社名を変えたとき、「企業は社会の公器」「全ての活動はお客様のために」「日に新た」を核とする経営理念は不変、でも社名はその3つに照らしてみてどうだろうか、から、役員全員一致で「変えてもいいものだ」ということになったんだそうです。

こういうお客様や市場の目線に立った決定ができるというのが社会からの信頼を高めます。それが物語となって、様々な媒体を伝っていきます。

確かに、定年まで勤めない、帰属意識が低いなど、人の価値観の多様化やwebによる精査されないいろんな情報が氾濫していることから組織の風土を創り上げていくのは昔に比べて難しくなっていると思います。それができない組織が増えているから昨今のような企業不祥事に枚挙に暇がないのでしょう。
だからこそ、その組織ならではの価値観を共有し、組織の風土を差別化することにチカラを入れることが長期的にパフォーマンスをあげていくことになるのだと思います。自分達がなにを核にしてなにを目的に仕事をするのか。そこを明確にし、やり方は従業員一人ひとりの自律性を尊重する。そういう組織は一人ひとりの成長に伴って、事業を成長させていくのだと思います。一言で表わすと、「価値前提をドミナントロジック化」ができたら誰にも真似できない組織になるだろうな。


人が育つ風土 2008年8月5日(火)

失敗もしていないのに「おまえはだめだ」と上司から言われる組織と
「いつもよくやってるよね。ところで、こういうところはどう考えてるの?」と上司から問い掛けられる組織

どちらが人が育つか。これは誰が考えても前者ではありえません。
でも、20年くらい前の組織って、なんとなく部活の域を出ないというか、いまだと完全にパワハラになるようなモチベーションの上げ方(本当はあがらなくても)が、右肩上がりの経済成長の中でなんとか可能だったように思います。今日、定年退職される大先輩の完職会があり、ふとそんなことを考えました。
キツイ言葉や理不尽な要求、当たり前だったんですよね。目的意識を持ってそれに立ち向かえる人や面白がれる人は成長しますが、そうでない多くの人はその組織を出ようと試みます。そういう組織では成長はありえないので、そのうち組織自体が機能しなくなり、崩壊していきます。その組織の役割や存在自体がリーダーの力量で変化するってことですよね。
自分以外のものすべてに「だめだ」という。自分に絶対の自信がある。でも、そこから一歩、自分の殻から外に出て、メンバー一人ひとりの能力を把握し、相手が理解できるコミュニケーションを行う。こういうと、「優しくコミュニケーションをすればいいのか?」とつっこまれそうですが、そうではありません。「怒らない」ということではないです。伝え方には様々な方法がある、ということです。
一人ひとりの成長を支援できる風土があれば、経営環境がめまぐるしく変る現在でも、クオリティ、スピードをはじめとするお客様への価値提供が可能となり、成功の土台づくりができるのではないでしょうか。


反省なきところには 2008年7月16日(水)

「反省」=自分のよくなかった点を認めて、改めようと考えること(by大辞泉)
んじゃ、「自分の良くなかった点」というのはどうやって判断するんでしょうか。

  • 自分基準: 自分本位で「これでいいや」という状態
  • 他人基準: 上司や同僚からの注意やアドバイスがある
  • 相手基準: 価値提供先のためにどのような価値提供が良いのか、が描けている(場合によっては、相手からアドバイスがある)
  • マニュアル基準: 職場や先輩が用意したマニュアル・チェックリストがある
自分基準しかなくて、それが低い場合、たとえ貢献意欲があったとしても、良くなかった点は見つかりそうにありません。
他人基準を持っていて、その声を素直に聞ける場合は、良くなかった点、見つかりそうです。素直じゃない場合は、無理ですね。
では、相手基準を持っていたら? 理想と実際のギャップが考えられているので、良くなかった点は、「自ら」たくさん見つけられそうです。
そして、最後、マニュアル基準。これを持っていたら、「できたか/できなかったか」をチェックすることができ、「自ら」足りない部分を見つけられそうです。
前回、目的がないと課題解決を見誤る、ということを書きました。「自ら」反省ができなければ、改善へのモチベーションは高まらないような気がしています。

ということは、「自ら」良くなかった点を認めるためには、相手基準もしくは、マニュアル基準が必要なんではないでしょうか。
相手基準を持つことは人の資質に寄ります。自分自身で高い理想を描けているか、というところが大きいからです。そこの差から、「気づかない人は一生気づけない」とか「少しは察してくれないかなぁ。それとも、自分自身がこれまで模範を示せていなかったかなぁ」と感情的に思ってしまいます。
一方、マニュアル基準があるというのは、マニュアル・チェックリストがあるのでヌケ・モレなく、誰でも同じ成果が出せそうです。
てことは、相手の成熟度によらずに優れた価値を届けるには、マニュアル基準をつくり、良くなかった点に「自分自身で気づいてもらえる“確認ツ−ル”」を作っていくことが、結構いいのかもしれない。みなさんだったら、どう考えます?
課題解決には目的を 2008年7月9日(水)

目的を見誤るとどんどん個別最適に陥る。それってよくあること。特に複数の部門や機能にまたがるものは、自分の組織の都合の良い解決策を主張しがちです。そして結局一部分しか解決されない・・・。

課題解決の方法や手順にはいろんな書籍で触れられているし、その通りにやればいいはずではあるのに、私の場合は自分のやり方で進めてしまうところがあります。
そうはいってもこれだけは押さえておかねばと思ったのが

  • 「なんのために解決するのか」と
  • 「ゴールはどんな姿なのか」
の2点です。

Dr.テラから石川歩さん著の「仕事力」の本をいただいて、「やっぱ、そうだよね」と納得。

そこに非常にわかりやすい事例として載っていたのは「エレベーターの待ち時間が長い」というクレーム解決。ついつい「どうやったら稼動効率をあげられるか」というところで解決策を練ってしまいますが、それは課題設定を「待ち時間が長い」というところに置いてしまっているからです。

では、実際の解決策はなんだったのか。モチロン、スピードアップや台数を増やすことではありません。
それは、「エレベーターホールに鏡を置くこと」でした。そして、お客様の不満は見事に解消。

つまり、「待ち時間が長い」ということそのまんまに課題を置くのではなく、その課題はなんのために解決するのか、目的を考えてみる。そうすると、「お客様の不満を解決することだ」と見えてくる。
同時に、ゴールの設定も大切。お客様にとっても課題解決する人にとっても、 魅力ある、わくわくするゴールに向けて解決策が考えられたら、「どうやったら上手くいくのか」も自然とアイディアが広がります。
「鏡を置く」ってほんと素敵な解決方法ですよね。これからは常に「目的」「ゴール」この2点を押さえた上で、「そのためにどうやったらうまくいくか」というポジティブアプローチで課題解決していこっと。
質問には質問 2008年7月7日(月)

質問されるとついつい、答えを言ってしまうってこと、ありませんか?
答えをいうのはとても簡単で、かといってそれが本当の答えとは限りません。
ビジネスにおいて1+1=2という絶対的な答えがあることはないですし、その質問の背景を聞かなければ正確な答えには近づかない。むしろ、その人自身にならなければ答えることはできないことだってある。

では、どうしたらいいのでしょう。で、質問されたら質問で返してみるのはどうでしょう。

  • 「なんでですか?」
  • 「なんでだと思う?」
という逆質問。
  • 「○○なんでですか?」
  • 「その質問に正確に答えたいから聞くんだけど、
     どういう背景からその質問がでてきたの?」
という背景をさぐる質問。

このようなやりとりを繰り返していると、相手はおそらく考えナシに質問できなくなります。次第に本人も考えてから質問するようになり、そのうちなにが課題なのかを自ら考え発見できるようになる。それを実践されてきたのが、ネッツトヨタ南国の横田社長です。
お客様情報カードをA4サイズに統一したい、と思われてから「どうしてそのサイズなの?」と問いかけて10年、従業員のみなさんが気づくまで待っていました。

そこまで胆が据わったことはなかなかできないものの、「どうしてそういう質問が出てくるのか」ということを明らかにするのは結構面白くないですか?
そう思えれば、誰かから受ける質問は、困ったものではなくて、楽しくて面白いものに変わると思います。
どんなことを言われても「面白い」と思える訓練ができたら、これまでと違った世界や新しい世界が見えてきそうです。

ただし! これ質問される相手にとっては禅問答になりそうです。じゃ、どうするか。 すごく簡単。時々、あなたが松下幸之助翁になればいいんです。

「きみ、それ、おもろいやんか」

これ、質問の前にいれてみましょー。
伊那フォーラム総集編 2008年7月4日(金)

伊那写真集を旅行のカテゴリーに分類するのも変だし、経営品質のところがいちばんおさまりがいいかなと、ここにリンクを残します。

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イザ使える 2008年6月29日(日)

伊那フォーラムで、リッツの高野さんにお目にかかれたので、自己紹介。

foxryo  
「この4月に憲章ができ、現在、どのようにグループ全体に共有をしていくかを考えているところです」
高野さん
「クレドとか理念は作っちゃだめなんだよ。湧き出るように生まれ出たものじゃなきゃ。じゃないと浸透しないよ。無理に作ったものを伝えようとするからうまくいかないんだよ。」
ん〜、リッツだって、最初のクレドは誰かが作ったわけだし・・・。内から湧き出るってどんなことをおっしゃってるのかな・・・。
foxryo  
「内から湧き出るっていうのは、たとえばうちの憲章はもともとあったものを経営層が話し合いを重ねて、つくり直して・・・そういうのはいいんですか?」
高野さん
「無理に作ろうとしたものじゃなければいいと思いますよ。」
時間切れでここまでお話しできただけ。その後のパネルディスカッションで高野さんが、上記に加えてこんなことをおっしゃっていました。
「トップの熱い思いがあって、従業員が迷わない仕組みがある。そこが大事なんですね。
たとえばリッツはお客様のために2000ドルまで自由に使える制度があります。シュルツィに“そんな制度を作って、全員が本当に使ったらどうするんですか?”と質問したら、

笑顔で “全部使ってくれたら本当に嬉しい! そんなことが起きたら全員と握手したい!”

この人本気でそんなこと考えているのか?と思っていると

“なぜなら、全員がお客様がどうしたら喜んでくださるのかをいつも考えている、ということだからだよ。”

クレドが共通認識になる、というのは、トップのこういう思いがあってこそだと思いましたね。」
1982年に起きた、ジョンソン・エンド・ジョンソンのタイレノール事件。クレドに基づいて迅速な意思決定と行動を起こすことが出来ました。あまり知られてはいませんが、その背景には、「クレドを飾りものにしない」 というトップの熱い思いがあり、クレドについて全従業員が話し合う機会(1975年に開始)やクレドが実践できているかを調査する、といったいろんな仕組みを何年にもわたって継続して行っていたからなんです。

「イザという時に、クレドに基づいて考え行動する」ためには、トップが常に本気で率先垂範していること、従業員が継続して考え続ける仕組みがあること、それが日常になることなんだろうな。
エコが競争軸 2008年6月18日(水)

日清のカップヌードルが詰替え用とマイヌードルカップを商品化したのは記憶に新しいところ。さらに進化して、この3月にはECOカップを導入。

こういう企業の取り組みをみていると、日本に“LOHAS”を紹介したデンマーク生まれのピーターゼンさんが、「これからはエコが成長の競争軸になる」と先日の講演でおっしゃっていたのを思い出します。
伊那食品工業では、2005年頃、インスタントラーメンの粉末スープを包むための、寒天で作ったフィルムを開発されていました。先日かんてんぱぱガーデンに行った時、寒天スープを買ってきたのですが、その中に入っている粉末スープの包装には、ちゃんと寒天フィルムが使われていました。カップに1袋分の具材を入れると、あとはお湯を入れるだけ。粉末スープの寒天フィルムはすっかり溶けてしまいます。ゴミはそれらが入っていた1袋だけ。粉末スープの包装に使われている材質って、湿気を嫌うからアルミっぽいものが多くて、不燃ごみになるってことを考えると相当エコですよね。

あまりインスタントラーメンを食べないので実情がわかりませんが、インスタントラーメンメーカーでは単価の折り合いがつかず、手が出ていないのかなぁ。でも、そのうちこういう素材を使っていることが差別化につながっていくのだと思います。
前出のピーターゼンさんが、「デンマークでは30年前に国を挙げて環境技術開発に取り組み、今では風力タービンで全世界シェアNo.1」だとおっしゃっていました。まさに差別化になっていますよね。そしてさらにそこにはデンマーク政府の環境政策のビジョンがあったんです。

伊那食品は「従業員が輝いている」というところで注目されがちですが、「遠きを図り成長していこう」という戦略が一人ひとりに共有され、それぞれが自律的にお客様とともにこうした新しい価値提供に向けた取り組みをされているんですよね。

このエコは、地球規模でのただの流行なのか、ブランド価値向上のためなのか、なんてことを考えるのではなく、一人の地球市民として、モノ創りをしている会社の従業員として考えてみたいテーマと思っています。


和して同ぜず 2008年6月2日(月)

従業員の人数が増えていくと価値観がどんどん多様になります。一つの方向に向けてまとめていくためには?
久保さん: 違う価値観を持った人が集まるのは非常に良いことですよね。その方が成長できるじゃないですか。価値観なんてもともとみんなバラバラ。生い立ちが違う、学んできたことが違うんですから。和して同ぜず。でも経営理念は共有している、というのが一番いいんじゃないのかな。価値観が違う、だから人が集まる意味がある。特徴のある人がたくさんいる方がいいチームができるんじゃないですか?
また、価値観の違う人を理解しようとすると組織は良くなるんですね。同じような人を集めるのはリーダーが楽をしようとしているだけなんじゃないかな。

大嶋さん: 以前は自分と価値観の違う人は全否定していました。採用もやる気のある人しかしなかった。出来ていない=やる気がないのだと思っていたんですね。
それが今や、「やる気のない人を採用しろ」といっているくらいです。なぜなら、その人たちが変わる姿が仲間に勇気を与えるということがわかってきたからです。リーダーは、理想の姿を描き、それを具体的にイメージできるように相手に伝えることです。「これから伸びる」と将来の可能性を信じることが大切なのではないでしょうか。

以上、伊那フォーラムのヒトコマでした。


いつもが肝心 2008年6月2日(月)

「腐ったミカン」といえば、金八先生。ではなくて、周りのミカンもどんどん腐る。朱に交われば朱くなる。インフルエンザも発症した人の周りからどんどん広がる・・・。
そして、あんなに元気だった、うちのビオラちゃんたち。彼女達は、アブラムシの大量発生に遭遇し、ほぼ全滅してしまいました。なんてことでしょう。

最初は、「あれ?なにか緑色のつぶつぶが?」と思っていたら、ビオラちゃんたちの鉢だけでなく隣のハーブ園まで進出。被害はどんどん拡大していきました。
「いまさら」的ではありますが、hideが買っておいてくれた、「アブラムシ退治スプレー」を一昨日、撒いてみた。すると、どうでしょう。あんなにいろんな植物の茎や葉っぱ近くにいたアブラムシ君たちはかなり姿を消していました。

え? そんな武器があるのに、どうしてもっと早く撒かなかったかって? 
それは、

  • アブラムシとも共存できるかな、と高をくくっていたこと
  • 農薬(?)を撒いてビオラちゃん達に良くない影響を及ぼしたらイヤだと思ったこと
です。見通しが甘いとこんな結末を迎えてしまうのですね。時期と方法を間違えてはならないんだなと思いました。

組織もひょっとしてそうなんでしょうか。
先日、障がい者雇用を目的とした特例子会社の経営トップが、こんなことをおっしゃっていました。
「採用するとき、チームワークを乱す人は絶対に入れません。2週間の試用期間の中で、仲間とうまくやっていけるか見極めています。なにもかも自分一人でやろうとする、人に頼らない傾向があるというのはよく見ていればわかるものです。」
リッツ・カールトンホテルが入社試験でホスピタリティをはじめとする「リッツの求める人材特性」を見極めているのと同じですよね。
そうなると、「うちの会社は入社してくれるだけで有難い」なんていっている会社の場合、どうなっちゃうのでしょうね。
「三つ子の魂百までも」といいますけど、「最初だけが肝心」なのではないような気が私はしています。ビオラちゃんも、時期を見極めて手を打てば、もう少し長く綺麗な花を咲かせてくれていたと思うからです。
「このくらいいいか」とか、「良かれ」と思って言わなかったり、「あとで言えばいいか」と言い忘れたり。放置することが悪い結果を生む原因になるのでしょう。

自分達の使命、お客様に提供する価値、それらを周りが伝え、実践し、その背中をいつも見せていたら、そして気がついた時に放置せず、なぜなのかを伝えていたら・・・。
そうして、お客様や相手からの高い評価という小さな成功をともに共有することを積み重ねていったら、どうでしょうか。要は、「悪いもの」ではなくて「いいもの」が広がっていくってことです。結果が出ること、誰かに喜んでもらえること、そんなことを実感していくことで、いいクセができて、いい組織になっていくように思います。
理想論? でも、会社って実体はありません。人が組織を作っているだけです。いい組織がたくさん集まっていたら、いい会社になれると思うんです。


難言 2008年5月24日(土)

「飲みに行けばいいんだ」

「うちの経営層はいってもわからない」「(他部門の)あいつはこっちの話聞いてないんだよね」・・・なぁんていうことは良くあります。そんなときに有効なのは?

「飲みに行って仲良くなることだ。そうすれば向こうもむやみに断りにくくなるだろ?」
とある人に言われました。ん〜、一理はある気がする・・・でも、それだけかなー。

ミスターから「読んでみなさい」といわれたのに、たった2つ目まで(10ページくらい)しか読めていない韓非子。3つ目は「難言編」。
「いくら賢い人が正しいことをいっても、君主が愚かであれば進言しても聞き入れられることなく処罰を受ける。説得というのは難しいもんだねぇ、あなたもそこんとこよく考えて私の書簡を読んでね」と自分とこの君主に書いた文章。by foxryo適当解釈。

こういう表現がこういう理由で受け入れられないという12の例、これまたスゴイ。なるほどですね〜。紀元前の昔から人間の本質は変わらないのだとしみじみ思いました。
んじゃ、どうやって受け入れてもらうのか・・・。韓非子は、「殷の伊尹という知者は湯王に70回説得しても受け入れられないので厨房に入り、料理番となって親しくなり、湯王が彼を優秀だと認めた上で意見をいい、受け入れられるようになった」という例を書いています。
「飲みに行けばいいんだ」っていうのはおいといて、本当に伝えたいなら手を変え品を変え、信頼を得るような言動と行動をとっていくことが最善策なんだろうな、と思ったのでした。そして、もう一つ。ミスターが私に薦めてくだすった韓非子、「読めるわけない」と思っていましたが、最後まで読んでみようかな。


発言が弾む会議 2008年5月16日(金)

書籍「ニワトリを殺すな」じゃないですが、批判が飛び交う負の雰囲気の中では当然発言は弾みません。
では、ブレーンストーミングの4つのルール的に、

  1. 批判禁止
  2. 自由奔放
  3. 質より量
  4. 他人のアイデアに便乗する
が普段から守られていたら、発言の弾む会議になるんでしょうか?

必ずしもそれだけではないように思います。 途中ですっかり忘れるかもしれないけど、最初にto be(あるべき姿や目的)や会議のゴールを掲げておくことを忘れちゃいけません。
そしてこれが一番重要じゃないかと思うこと。ポジティブな雰囲気を作るのは、相互の信頼関係じゃないかなと思います。
ただ、誰か一人に頼りすぎるとこれまた発言がでにくくなります。そういうことってよくありますよね。ま、これを称して社会的手抜きというのですが・・・。「あの人に任せておけばいい」とかいうやつですね。それを「あの人の意見を尊重しよう」と言い換えてしまうと、一見ポジティブに見えちゃいますが、結局、自分の義務を果たしていないんですよね。
to beを軸に、対等に、本当に発言が弾む会議を自分達で実感してみたいなぁと思う今日この頃です。
ユニバーサル 2008年5月13日(火)

屋外に一歩踏み出す。そして、胸のあたりで片方の手の平を空に向ける。そして空を仰ぎ見る。

そう、これは雨を確かめる動作。それを見た人 誰もが「あぁ、雨が降り出したんだ」とか「あ、雨降ってるんだ」と思う。傘を差したら、もう「あ、結構たくさん降ってるんだ」ってことになります。
この動作って、世界中の誰が見ても、雨を感じられるんじゃないかなと思う。スコールの降る亜熱帯の地域では、突然雨が降るからそうでもないかもしれないけど。

ユニバーサル:(形動)(1)宇宙的。世界的。(2)普遍的。一般的。(三省堂提供「大辞林 第二版」)

つまり、ユニバーサルな動作。
この地域は文化が違う、とか、この人種はこういう商習慣があるとか、そういうことに振り回されない、ユニバーサル化された価値観を持つことができたらいいな。
そしたら、グローバルで働く仲間達の間で、誰が見ても、誰が行動しても、「それって○○だよね」って理解できるし、それを見て、自分もそうしようって思える。

地球上に住む誰もが「あの会社いいなぁ」と認める価値観をユニバーサル化して仲間のみんなが自然に行動できたら、どこにもない会社になれるんだろうな。ま、いつものfoxryo的 夢物語です。でも、夢を持つのは楽しいことですよね。
きつねのお仕事
景気が低迷する中、株価を上げ、最近少〜し有名になってきたメーカーの会社員です。 お客様や市場の変化を素早く察知して、その変化に柔軟に対応することのできる「At Your Side」な企業文化を持つ組織作りを後方支援しています。
経営品質協議会認定アセッサー

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