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Foxryo's Note Pad
お仕事きつね 【 きつねのメモ帳 】
経 営 品 質
〜foxryoが参加したセミナー・講演などからの気づきメモです。本当にただのメモかも〜
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経営品質

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+ 本当の"At your side."
+ 働きがいのある会社2013
+ 自分たちの組織にあった形を考える
+ お客様の声を取り入れる
+ PDCAの「C」は
+ 期待を上回るサービス
+ メコン川流域の欧州化
+ スギ薬局の「3K」
+ 「人を大切にする」とは
+ 理念共有もPDCA
+ 日産のCFTとV−Up
+ 未来永劫続く経営
+ 理念共有度を測る指標
+ 歩きながら夢を語る
+ 自慢できる会社に〜プライミクス
+ 伊那食文化
+ ゼロリセット
+ 社員を人として見るか労働力と見るか
+ 見えないところに踏み込む経営
+ 木こりとノウハウ
+ 職人を絶対に絶やすな
+ 近日いろいろセミナー
+ 地域力とは
+ 意思のあるところ道は開ける
+ 働きたい人に仕事を作る



伊那経営フォーラム

レポート一覧(2006-2012)

リッツ宿泊記
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きつねのお仕事

本当の"At your side." 2013年 2月 1日(金)

 「あなたが望むのはどっち? それにあわせるよ」

それは、顧客本位なのでしょうか。

製品開発のときに決めたコンセプトを崩して対応するのは、どうなんでしょうか。
想定していたお客様のニーズと違っていたなら対応すべきなのかもしれません。

昨日、初めていった美容院で、私の傷んだ髪の調子を良くしようと冷静にズバズバと必要なことを言い放っていたスタイリストさん。一見プロダクトアウトかもしれないものの、それは私の髪にとってとてもいいことでした。

髪が傷んでるので髪全体をカラーできないこと、髪が生乾きのまま眠っているから切れ毛になっていることとその是正勧告w、洗髪後、頭皮の水分を拭き取って毛先に水分を移動させるというタオルドライの仕方、生え癖を指摘しそれに対応したドライヤーの当て方などなど、今まで言われたことのないことをたくさん言ってくださったのです。
私が「そんなのうまくできない」といったら、「こうすればできますよ」と手本も見せる。普通だったら「そうですか」と引き下がってしまいそうなところです。
そして最後に「癖を考えて切ってあるので今言った通りに乾かせばヘアスタイルは再現できます」とも。その絶対的な自信にある意味感動。そして、その通りになりました。

お客様の言うとおりにカットして終わり、本当は言わなくてはならないけど機嫌をとって言わない、ではなく、その先にある自分たちのお店のコンセプトを追及した対応が感動を呼ぶのだと思います。
本当の"At your side."って、自分たちがお客様にとって何ができるか、それを考え追求し行動していくことなんですよね。美容院で学びました。


働きがいのある会社2013 2013年 1月30日(水)

2013年の「働きがいのある会社」が25日に発表され、うちの会社も去年と同順位でランクイン♪

今年は2つのリッツが申請されていて、「ザ・リッツカールトン大阪」よりうちの会社の方が高いランクとなりました。リッツ大阪の総支配人さんにうちの会社でご講演いただいたのは、2003年。今日は久々に大阪出張にいきましたが、時間があまりなくて新しくなった大阪駅を見学して帰ってきてしまいました。きっと以前とかわらぬリッツなんだろうなとは思います。

この調査の特徴は、従業員へのアンケート調査があること。会社側が実施しているといっている施策や風土醸成が本当に機能しているかを従業員に確認するのです。回答者は無作為抽出で、私は残念ながらあたったことありません。実際どんな質問があるのか興味があります。

とはいえ、一番重要なのは、自社にとっての「働きがい」の定義をきっちり明確にしておくことだと思います。そしてそこに注力して施策をうつ。そして従業員の声も聴きながら変えていく。そのPDCAが回っていればいいんじゃないでしょうか。もし、それが「Great Place To Work Institute」の判断軸と違っても♪

●Great Place To Work Institute URL: http://www.hatarakigai.info/index.html


自分たちの組織にあった形を考える 2013年 1月19日(土)

他社の事例や新たな理論を知り、自分たちも取り入れようとしてもうまくいかないことが多い。それは、目には見えないOSのような組織風土があるから。

単純に取り入れることはできないから、自分たちの組織に合った形を考える。
先日、5年に一回用意されているメンタルヘルス研修を受講。

「受講者のアンケート結果を踏まえて刷新しました」

という内容は確かに前回とは違い、理論を説明する前に、うちの会社で起こりそうなケースをもとに皆で考えるものでした。

うちの保健師さんたちが自ら考え、予防の考え方が強く出ていました。たとえば、ストレスから起きる体調や感情を例示し、その傾向を三つに分けて対処方法を示す。

  • 「体調不良型」には、お風呂でゆったりしたり、睡眠を充分とる
  • 「ゆううつ型」には、自分へのプレゼントや自然に触れたり、ペットを飼う
  • 「イライラ型」には、身体を動かしたり、スポーツ観戦をする
ちなみにfoxryo的にはイライラ型でしたw

ストレスと言っても、ピンキリだし、人によって捉え方が違う。いったいどのくらいのレベルのストレスなのかを、出来事が引き起こす「ストレス強度」で測るチェックリストなどもありました。

「うちの会社、こういう人がきっといる、いる」というケースでの要因分析や、自分だったらどうしたか、同僚だったらどう関わるかを考えたのは、自分や周りがそういう状況になったときの視点になります。

「メンタルヘルス」というと「この忙しい時に」とか「関係ない」という受講者が多くいます。講義中頷く人が少ないので輪を掛けてそう感じてしまいました。
「月末の忙しい時にお集まりいただきありがとうございます」といった配慮の言葉を講義の冒頭で保健師さんが伝えていたのも、自分たちの組織にあった進め方をしていたと感じます。

救急車を呼びにくいと思う人は、おそらくメンタルヘルスの相談窓口にはいけない。そういう意味でも研修の名前はもう少しポジティブで参加したくなるものはないかなぁ。いっそのこと「修身」とか「コミュニケーション道場」とかにしたら・・・。逆に出たくなくなるかもw。

5年後、こういう考えがOSに組み込まれ、研修が要らない組織になっているといいな。
お客様の声を取り入れる 2012年12月14日(金)

エコプロダクツ展 「うちMymio使ってるよ」
「ミシン使ってるよ」
「おたく、アフターサービスいいですよね。満足度も他社に比べて高いでしょう? あんなにサービスよくしていただいていいんですか? もう感動です」

そういったお客様の生の声を伺うことのできる機会。それが今回のエコプロダクツ展。

うちの会社の製品をお持ちでなくても、一般のお客様の忌憚なき声は貴重。他社もきっとそういう声を集めたいのだと思う。実際、今年のエコプロダクツ展のクイズラリーは多くの会社が、「裏に感想を書いていただけますか?」という声掛けが多かったのです。
もともと所定の位置がなさそうなクイズ用紙の裏です。コンパニオンさんの声掛けを聴いていると、どうやら担当者のモチベーションアップのため、というような感じでした。ちょっと不思議ではあるものの、何とかお客様の声を取り入れた活動がしたいというあらわれと感じました。
  ヤマト運輸さんの配達員体験 まつぼっくりの自販機
右側の写真はヤマト運輸さんのブース。あの優れものの自転車の機能を身をもって体験するという工夫がされていました。またある会社では、松ぼっくりの自販機を置いていたり(左側写真)、体重で自動ドアが開く仕組み(下写真)を作り紹介していたり。

一方、自動車関係のブースや大手の電気メーカは相変わらず毎年派手な印象があります。お客様をひきつけ、環境活動を知っていただくことって大切です。

体重式自動ドア アンテナを高く張り巡らせ、お客様の声をしっかりフィードバックして良い製品づくりに貢献したいと思います。 休憩中の限られた時間の中で他社ブースを回ったのでそんなにたくさん回れなかったものの、その中でも資生堂さんの独自の取り組みに好感を持ちました。特に4つのブランドで化粧品のレフィル化を進めておられることや、シャンプーに使用している椿の産地の保全に努めておられることに感動です。

環境保全や貢献の活動はなかなか見えにくいものですが、お客様とのコミュニケーションを通じて、自社のイメージがわかるとてもいい機会となりました。


PDCAの「C」は 2012年11月29日(木)

さて、なんでしょう。

品質管理的には「チェック」です。

2011年度経営品質賞受賞の ねぎしフードサービスさんでは違います。
答えは「コミュニケーション」

そして、ねぎしフードサービスさんでは、P(計画)の段階での全員参画(コミュニケーション)を大切にされています。

「D(実行)しろ」とだけ言われても、「他人事」の「作業」になるだけ。 Pの段階で関わることで、その計画は「他人事」から「わが事」になる。そしてわが事としてDするからこそ、 「働き甲斐」を感じ、「仕事」をしていると実感できる。
と根岸社長はおっしゃっていました。

そして、仕事は、「思いが8割、スキルが2割」と考え、ねぎしフードサービスではクレドの浸透に力をいれています。クレドは全員で、自分たちがわかりやすい表現を話し合って解説も加えて決めたそうです。皆で決めたことは破りにくいものです。アルバイトが87%、そのうち30%が外国人、その中の90%が中国人。となると、コミュニケーションの仕組み化が必要です。定期的、継続的な仕組みとして朝礼や店頭アンケート、「私と経営理念」の作文などを実施されています。
また、お客様に経営理念を知っていただきたいと、おしぼりや箸袋へのクレドの印刷をしているのだそうです。これも皆で決めています。

日々の仕事の中で、仕組み化やプロセス化していくことで、仕事を通した成長が生まれるといいます。成長を感じると楽しくなる。離職率の高い業界において、働き甲斐を実感するしくみが必要です。たとえば、100ステッププロジェクトは2年かけて100個のステップを店長軍団が考え、優しい仕事から難しい仕事に並べなおして、全員に提示しています。それを面談に使い、スタッフ自身が成長を実感しているのだそうです。

2001年、2003年のBSEもコミュニケーションを重視し、全員でPから考えDしてきたからこそ乗り越えることができ、いまのねぎしフードサービスさんがあると確信しました。

●この内容は、今日の中部経営品質協議会月例会のメモです。
期待を上回るサービス 2012年11月20日(火)

昨日、元気なサービスで有名な居酒屋さんへ4人でGO!
多分私は3度目です。5年ぶりくらいにお邪魔するのできっと進化しているんだろうなと期待していきました。

お誕生日イベントは、スタッフが歌って踊って、お客様もタンバリン系のものを持ってみんなでHappy birthdayを歌って、「お父さん、お母さんに感謝!」のセリフもあり、盛り上がっていました。他のテーブルの若い女性が「私もここで誕生日祝ってほしい〜」って周りの子たちにお願いしていたので、若い子にはいいんだろうな〜。

接客はバイトはじめたばかりという感じの御嬢さんで、初々しいというより、たどたどしいw きっとあのテンションに慣れていないのだと思いますw なりきるっていうんでしょうか。

お連れした皆さんは楽しかったとおっしゃってくださったので、ほっとしたものの、一抹の不安は残っています。
お店選びは話題性があるところにしようとすごく慎重にしたわりに、最終的に皆さんに期待を上回るサービスをfoxryoとして提供できたのでしょうか・・・。お店のサービスの話を責めている場合じゃないですよね。心を込めて下調べをして最高の場を提供するっていうことのむずかしさをたった1回の場の設定で感じました。
毎日毎回期待を上回るサービスをするには、定番ができていないとならないのですよね。どのお客様をメインにするのかも非常に大事な要素です。

奇をてらうことが期待を上回るサービスとなるわけではないということを改めて肝に銘じました。サービス業って奥深いですね。


メコン川流域の欧州化 2012年11月15日(木)

CLMB

最近、この地域が日本の製造業から 注目されているようです。

 C・・・カンボジア
 L・・・ラオス
 M・・・ミャンマー
 B・・・バングラデシュ

少し前に中国がラオス内に特区を申請して認められ、カジノなどの一大リゾート施設を作っているのをテレビで見ました。ミャンマーも最近テレビでよく取り上げられています。中国での賃金高騰や政治不安などのリスクを避けるため「(中国)プラス1」体制をとる製造業が増えてきています。

そういう意味では中国やタイから部品を輸送し、賃金の安いカンボジアで組み立てるとか、縫製産業自体もインドの賃金上昇もあってバングラデシュに移転している企業が多い。

少しずつ、CLMBの製造拠点としての存在感が高まってきているのです。これらの国ではタイバーツで取引をしているところも増えてきており、地続きで輸送もできるとあって、電力の安定供給といったインフラが整ってくれば、今後、メコン川流域が欧州化してくるのではと言われているのだそうです。

そうなれば、経済発展が進み、いずれは賃金上昇のリスクはついてくるものの、市場としての存在が高まってくれば、商売の伸びも期待できます。

これまで政情不安で発展に杭を刺していたこれらの国はいずれ有望な市場として生まれ変わってくるのかもしれません。

外部環境をしっかりとらえ、中長期的に経営を考えていくことってやっぱり大切です。メコン川流域の欧州化というあらたな視点を得られたので、今後どのようにCLMBが進んでいくのか興味あります。


スギ薬局の「3K」 2012年11月9日(金)

「“絶対にお客様をお迎えする”

1976年、16坪のお店で、お客様からの相談と調剤をする薬局を始めました。当時の薬局といえば、暗くて狭い店内に入り、奥からご主人が出てくる、というものが主流でした。1日にお客様が約10人、売上は1万円という頃に一日中店頭に立つのは大変でしたが続けました。広くて明るくて使いやすい200坪の日本版ウォルグリーン(アメリカのドラッグストア)のような店舗に形を変えた後も、“お客様とは一対一”を実践し続け、今では一日お客様50万人、売上9億円の会社になりました。」

こう語るのは、スギ薬局の杉浦昭子副社長。「理念を貫くおもてなし経営」が講演テーマです。
「会長(主人)が決めた私どもの価値基準は「3K」。
これは、「個人、家族、会社」の3つのKです。この順番が大事で、自分が一番最初です。自分が健康で家族が元気。その時こそ、会社で思い切り働けて、良い仕事ができるという考え方です。社員が病気になった時には、“一ヶ月でも、どれだけでもみんなでカバーするから!”といい、治療に専念してもらっています。また、家族については、取引先の方々にも家族旅行をお勧めしています。1日ではなく、1泊。非日常が大切なのです。1日は日常。1泊することで家事や普段の生活から離れ、非日常を味わうことで、お互いに感謝でき、幸せな気分になれます。

2000年にナスダックに上場したのも、会社として存在を認められることで社員とその家族が安心できる、そして社会に対し意義ある会社にし、大きく成長する会社にしたいという思いもありました。

不易流行。これも会長が好きな言葉です。変えてはいけないことは変えず、変えなければならないことは変え続ける。

“目の前のたった一人のお客様を大切にする。“お客様とは一対一”。その心と、お客様からいただく“ありがとう”をやりがいや生きがいにすることは創業以来変わりません。その点で、社員には、成長を課しています。

いつも“お客様に薬は売らなくていいのよ。お客様にお役に立つこと。お客様に快適な生活、健康に暮らしていただこう”と話しています。皆さんも、是非、スギ薬局にお越しください。病院は病気にならないと行けませんが、薬局は病気の予防と相談ができる場所なのです。是非、掛かりつけの薬剤師を作ることをお勧めします。

“お客様には絶対にわからないと答えない”

社員がわからないことはお客様相談室にいつでも聞くことができます。このように社員を守るバックアップ体制をつくり、3年で一人前になれるよう教育体系も整えています。また、就職難の管理栄養士を積極的に雇用し、将来の店長候補に育てようと取り組んでいます。

女性が7割を占め、平均年齢31歳(男性は34歳)のスギ薬局では、ワークライフバランスも考慮しています。また、メンタルヘルス面談を年2回、部下と行なうことを上司に課しています。これにより、上司と部下の関係が良くなり、3年で鬱になる人が減りました。

これから4人に1人が高齢者という社会が近づいています。2002年に訪問看護ステーションをスタートするとともに財団を作り、スギ薬局ができることに取り組んでいます。

これからも、スギ薬局の価値基準「3K」とお客様との一対一を大切にしていきます。」
自分が健康で元気でないと働けない。家族が病気だったら安心して働けない。それって基本ですよね。「ビジネスマンは健康管理も仕事のうち」と入社時にいわれたことをふと思い出しました。確かにそうだけど、ちょっと違うかも。

●この内容は、2012年11月6日「おもてなし経営」推進フォーラムのメモです。
「人を大切にする」とは 2012年11月6日(火)

「社員を大切にしているというのは、甘やかすのではなく、その人の能力が発揮できる環境と、その人の存在価値を高める仕事を作ることです。

 伊那食品工業の塚越会長は、売上・利益は“手段”であって目的ではないと言い切ります。未来工業 相談役 山田さんは“馬に人参、イルカに小魚”が成果主義と例えます。人は売上を上げるための道具ではないのですね。人は、人として大切にされると能力を発揮するのです。」
これは、今日の「おもてなし経営」推進セミナーのコーディネーター人と経営研究所 大久保寛司さんのお話です。
また、「能力を発揮するためには、いくらでも失敗すればいい。失敗しないと真の学びはない」という考えが各社の根底にあることも、中村プレイス、伊那食品工業、未来工業、アイエスエフネットの実例を交えてお話いただきました。特にITサービス会社のアイエスエフネットの渡邉社長の知的障がいを持った社員の接し方には、人の可能性を否定せず、能力を信じて用いるということがどういうことなのかを学ぶことができました。
「“社長、いまから死にます”と電話してくる社員に、“いま行けないから、あと2時間待ってくれ”、そして1時間55分になるとその社員に電話し“もう2時間待ってくれ!”というのを何度か繰り返すと思いとどまるんですね。
また、オフィス内で叫んでいる社員がいても周りの社員は驚きません。渡邉社長がそっとそばにいき、抱きしめ“俺はお前が好きなんだからね”というと、安心して落ち着くのです。障がい者の方は相手が本気で言っているかどうか察知することに敏感です。本気でそう思っていないとこのようなことにはなりません。

障がい者の方が多く働いていても業績という成果を毎年更新されています。一方、健常者が多くいる企業で、高い成果が出ないのは何故でしょう。」
一人ひとりの能力を見極めるというのは非常に重要なことだと改めて思いました。「この仕事私にあってるのかな」という仲間がいたら、その人の能力がどのように役立っているのかを今度からしっかり伝えます。」
理念共有もPDCA 2012年10月25日(木)

ビジョン、ミッション、バリュー、理念、価値観、DNA・・・。これらは、決して金太郎飴組織を作るのではなく、これらを軸としたり、目指したりするための行動を一人ひとりが自律的にとれるようになり、事業成果につなげるもの。

まずはこの目的が理解されなかったりします。とはいえ、まずは、それらの存在を認め(認知)、理解しようとするところまでしなければ、ただの絵に描いた餅になってしまいます。

理念共有とは、行動できることが目的です。

そのために、計画を立て、実行し、共有度合を把握する。そして、その結果を踏まえてアクションをとる。

やはり、定量的な指標で測っている組織では、このPDCAが回っています。

 「理念は浸透したのか?」と問われて、

 「現在、ここまでです」と、目標や経年変化を示すことができます。

NECさんはバリュー共有度合を従業員意識調査の中で測っていますし、ブランドを軸に価値観共有をされているプライミクスさんは行動という視点でCS指標で測っています。理念によっては新製品数で測ってもよいと思います。

 「対話をしているから伝わっている」
 「うちはもともと文化がある」
 「唱和しているから大丈夫」

本当にそうでしょうか。

指標自体は、試行錯誤しながら最適なものを見つけていくことも必要です。自社の理念にあった指標で確認し、共有度合や効果の出具合を測り、組織力強化につなげていくことをしていきたいと考えています。


日産のCFTとV−up 2012年10月19日(金)

 「業績に貢献しないTQMはいらない」 by ゴーンさん

それから少し経ち、NRP(日産リバイバルプラン)が発表されたころ、

 「日産独自のマネジメントツールをつくること」by ゴーンさん

というミッションがTQMチームにくだりました。V−up推進改善チームとして生まれ変わり、1年かけてツールと仕組みを創り上げました。

ゴーンさんからの宿題、

「V−upはツール。クロスファンクショナルチームの課題解決に使えること、定量的指標を持つこと、成果が実証されるツールを使うこと」
をクリアし、2001年、Vパイロットやファシリテーターの育成が始まりました。
NRPというと、クロスファンクショナルチームがぱっと思い浮かびます。このV−upはそれを支えるツールだったのです。
V−upには、DECIDEと呼ばれる組織をまたがる経営課題の解決とV-FASTと呼ばれる組織内の日常の課題解決を扱うものがあります。

講師によると「あきっぽい」と言われる日産で10年以上続き、V−upはまだまだ進化を続けているようです。

V−upが立ち上がった当初はとにかく、小さな成功体験をつくろうと、推進事務局は編成されたチームメンバーや関係者の声を聞きながら支援を続けました。これがV−upが人財育成や価値観共有といったツールへと進化した成功要因だと感じました。
チームに選ばれることの誇りだったり、グローバルでのチームワークだったり、成果を認める表彰だったり、課題解決へのモチベーションを保つことだったり、様々な働きかけをして、何より成果を出せるようなサポートをし続けておられることに感動しました。
そして、「日産ウェイ」の5つの「心構え」と5つの「行動」をV−upの活動に読み替えるとこうなる、といったつながりもV−upへの納得・共感を培っているように思いました。

もちろんゴーンさんや志賀さんといったトップのリーダーシップと後押しも大きそうです。

昨日ちょうど「ワールドビジネスサテライト」で取り上げられていた日産の緊急操舵回避支援システム」といったような新しい取り組みも、CFTとV−upの両輪が支えているのでしょうね。
推進事務局のお二人の姿勢に触れ、自分もまだまだやれることがあると頭の片隅で画策がはじまりましたw

●この内容は2012年10月19日「中部経営品質協議会」での講演メモです。
未来永劫続く経営のために 2012年10月17日(水)

ここ数年拡大路線を走っているパン屋さん。今日久しぶりに行ったら扱う商品が減っただけでなく、主力商品がかなり残っていました。残り1時間を切った中でどれだけ販売できたのかなとふと頭をよぎる。パンって生ものなので、廃棄ロスがでやすい。そのくらいは翌日半分にスライスしてフランボワーズを載せカスタードクリーム塗ってオーブンで焼いてキャラメリゼしたり、ラスク化して高く売るって方法でなんとかしのげるかも。赤福のように訴えられるかな?

いずれにしても主力商品が余っているということは、少し成長に陰りが見えてきたのかなと思う。

 「本当においしいものを作っていれば売れる」
 「流行を創り出して人々が興味のある間売れるだけ売る」

結局どちらも「お客様」視点がなければ続きません。
先日、学生時代にいっていたケーキ屋さんがぐぐってみたらまだあったので友人に紹介したら、「あそこ、何年か前に閉店して、いまは違う人が再開したらしい」という返信が・・・。
日本の企業は世界でも長寿企業が多いものの、全部が全部そうできるわけじゃありません。毎日同じことの繰り返しではなく、横から見たら螺旋を描くように上へ上へと階段が積み重なっているかどうかが大きなカギです。あのパン屋さんは、いま次の成長ができるか、できないかのターニングポイントなのかもしれません。

自分の仕事も皆の仕事も"At your side."でスパイラルアップしていないと未来永劫はあり得ないのでしょう。顔晴ろう。


理念共有度を測る指標 2012年10月11日(木)

2008年から取り組んでいる経営理念の共有活動。「認知→理解→行動」というステップを踏みながら共有度合が増していくことを考え、指標を設定しました。

  • 理念を知っていますか?
  • 理念を理解していますか?
  • 理念に基づいて行動していますか?
これを5段階で自己評価します。
これに加えて理解を深めるための施策もされているかどうかを質問に入れ、確認していました。
認知度も99%を超え、理解度も高くなってくると、次は行動、となります。
ただ、理念の理解度を上げることや、理念に基づいた行動をとれることがこの活動の目的ではなく、その結果、新たな価値提供や売上・利益につながり、会社が成長していくことです。

そう考えたときに、次の指標となるのは何か。

昨年は新たに設問を2つ加え、次の指標としようとしたものの、意外に数値が高く、NG。おまけに、この数値はみんながつけた自己評価なので、定量的かつ客観的なようでいて主観的なんです。それはまぁ、そうなんです。そんなこといったら従業員意識調査も同じ。

じゃぁ、どんな指標がいいのか。

財務数値はある意味、理念共有のアウトカム指標。それとは異なる、かつもっと客観を高められるアウトプット指標を探して思案中です。

結局は、成果につながらなくては意味がないので、

 「ビジョン実現に向けた行動ができているか」

という問いかけもいいのかもしれないと思う今日この頃です。
歩きながら夢を語る 2012年 9月29日(土)

歩く歩く今日の12時から明日の12時まで。がん撲滅をテーマにいろんな会社や病院やNPOといった組織から皆が集い、歩く。岡崎でのリレーフォーライフにうちの会社が参加するのは4年目? 

とわからないくらいなので事務局から「珍しいね。どうしたの」と言われるしまつw

世界20か国以上で取り組まれているこの活動はもともとアメリカとニュージーランドの仲間が参加を始め、はや10年。グローバルに一体感を持った活動として広がってきています。

一方で、事業を通じたCSRをどのようにしていくのか。それを今日参加していた役員さんと二人で歩きながら語りました。方向性は同じ。やり方は他にもある。まだまだ模索中。少しずつ何かが見えてくればいいか的な考えと、もう一方でやはり戦略的にも取り組みたいという思いもあり・・・。

普段あまり接することのない方や前のメンバーといろいろ歩きながら語り合えました。意外に腹を割って本音で話し合えたのはお互いが課題だと感じているからなのかなと思う。

中長期計画を立てている時期なのでいろんな方からどんな会社にしたいのか、こういうフランクな感じで聞ける場を企画したいな。社内ではできないかな。考えてみようっと。


自慢できる会社に〜プライミクス 2012年 9月4日(火)

1927年創業の攪拌機メーカー。医薬品、化粧品、食品などの分野やリチウム電池をはじめとするエネルギー分野の製造工程で使われるミキサーを作っています。

古市社長の就任当時、競合となる会社もなく、自分が頑張らなくても大丈夫、「ここの曲げ具合すごいだろう」「ステンレスをここまでピカピカにはできないぞ」といったまさに第二の石切工的発言をする顧客視点が意識にない従業員の皆さんが多く、違和感を覚えたそう。まさに会社の衰退期に入っているという危機感を持ったのです。

そこで古市社長は、会社を好きになってもらおう、そのためにブランドを確立しようと取り組み始めました。企業理念、ビジョンを初めて創り、ブランドブックとしてまとめ、中期計画の名前を3年後に社名となる「プライミクス」としました。会社を好きになるには、お客様や家族に自慢できるものがなくてはと、社歌を作ったり、家族の会社見学や撹拌マイスターなどのイベント実施、お客様にはおISOチェックという独自の仕組みを作られてきました。
また、従業員がブランドを自分のはらに落とすために、「誠実で探究心あふれるビジネスパートナー」というブランドパーソナリティを定めわかりやすく伝えたり、バランススコアカードを導入し、個人の目標にまで落とし、そうなるために自分が何をすればよいか考える組織作りも進めています。

現在の中期計画の名前は「MOVE」。3年後にプライミクスに社名変更したように、なんとなく次に自分の会社がどうなるかを刷り込んでいる古市社長。従業員に無理やり浸透するのではなく、わかりやすく方向性を示し、何年もかけて、共感を得ていくやり方にヒントをいただくことができました。

●プライミクスURL: http://www.primix.jp/
 この内容は、本日の中部経営品質協議会の月例研究会のメモです。


伊那食文化 2012年 8月28日(火)

先週のテレビ東京「カンブリア宮殿」で取り上げられたのは「伊那食品工業」さん。毎年伊那詣でをして塚越会長の揺るぎない考え方に触れ、企業とはどうあるべきかや自分を振り返る、みたいなことをしています。

 「利益はうん○」

というのが 今回のお話ではこれが一番インパクトがあったような。企業が健康でいるために必要なものをいきわたらせ、最後に残って出るものだということです。そこにコストダウンという要素もありません。

そして 「会社の永続を目指す」。そのために、従業員を、ビジネスパートナーを、地域の人々を、相応の対価や支援で優しく包み込む。

いまほとんどの企業が価格にまで踏み込む「過当競争」になっている。そうではなく「適正な競争」を目指す。そのために、寒天の用途の深堀をして新しい市場を創り出しています。

塚越会長のこういったお考えが、伊那食一人ひとりに浸透し、文化となっています。伊那食のスタッフ、店舗で働いている方々はみな一様に明るくて優しい。「いい会社をつくりましょう。〜 たくましく そして やさしく 〜」をそのまま体現しています。
今週末、動画も見てみようと思うfoxryoでした。

●カンブリア宮殿動画配信URL: http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/dogatch/


ゼロリセット 2012年 8月23日(木)

日々の業務をコツコツと改善していくことと、やめること。どちらが難しいでしょう。

私には「やめること」の方が難しいです。
「やった方がいいこと」と「やらなくていいこと」、どちらをやめた方がいいかといったら、当然「やらなくていいこと」

「やった方がいいこと」は本当にやらなくてはならないことなのか。
それを決めるのは、その仕事の価値、その中でも大きく占めるのは相手からの評価なんじゃないかなと仮説を立ててみる。
たとえば、Web掲載の記事執筆者へのアンケート結果フィードバック。読んだ人からの評価やコメントを受け取ると執筆者からは大変ありがたがられるものの、もしなかったとしてもページビュー数で代用はできないことはない。ただ、執筆者とのコミュニケーションを深め、信頼関係を築けそうなのはアンケート結果の方。サイトのPRの機会にもなります。

なぁんて考えているからゼロリセットができない。「やった方がいい」ことなんですよね。たとえば、Webにアンケート結果を開示するようにしたら執筆者へのフィードバックは不要になります。その方が、読者にとっても他の人のコメントが閲覧できていいのかも。見せ方に工夫が必要ですが。

と、また、ゼロリセットから離れて改善に思考が向かってますね。「やった方がいい」にもレベルがあるし、やることによって価値が生まれる。だったら「やるべきこと」なのかな。

今日は「やらなかったらどうなるかではなく、まずはやめてみる。そうしないと何も変わらない」という話をしていたので、堂々巡りの文面になってしまったようです。ゼロリセットか改善か。そこが問題だ!


社員を人として見るか労働力と見るか 2012年 8月 2日(木)

「自分が変わろうと思えたのは、社長が"自分のために、家族のために働こうよ。"と言っていることに共感できたからです。社員が人として見られているのか、労働力として見られているのか。人として見られているから、時間を共有できるし、社長と話しをしてみようと思うようになりました。」
これを社長の隣で当たり前のことのように飾らず話す社員さん。

そして、「入社4年目の自分がやれることをやる」「入社1年目の自分に会社は投資している。組立道場を卒業し、現場に入ったら力を発揮したい」という、役割に応じた仕事感を持っているのは何故か、という質問への回答が以下。
「会社は働きにくるところ。労働してお金をもらうだけではない。会社のお金は自分のお金という人が増えてきた。だから、1年目でどれだけできるか、10年いると何がどれだけできるかと考える。ISOWAは90年続いているが、自分が考えないと終わってしまう。自分たちが頑張って会社を存続させたい。」

「みんな、一人ひとりが役に立ちたいと思っている。それは、仕事にやりがいを生むし、楽しくもなることだと思う。」
仕事に対する向き合い方や、会社に貢献しようという意識の高さを感じる。「世界で一番社風のいい会社」を目指すISOWAは、何か違う。

それは磯輪社長が「社長評価の数値下落に悩む→社員に弱みを見せる→救われる→社員との関係性が変わる・輪が広がる→社員への信頼向上・本心が言える→経営の信頼性向上」というステップを10年以上かけて、一つずつ積み重ねられたことが大きい。

悩む中で「何のために働くのか」という命題を自分につきつけ答えを出す。自分が主語で「何のために働きたいのか」を社員が語れるようになるには、社長である自分が方向を指し示さねばならない。→自分と愛する家族の幸せのために働きたい。そういう会社づくりをしよう→従業員は家族→「お客様満足」より「従業員満足」だ。→このとき経営理念の「世界で一番社風のいい会社」が生まれた。

「風土が良くなると、顧客満足が高まる。ここ数年、それを実感している。風土で作った製品・サービスができたら、まさに企業理念で始まり、企業理念に終わる経営が実現できる。」

社員を人として見る。ISOWAの世界で一番社風のいい会社づくりは、まだまだ続くのであった、まる。

今日のセミナーレポートが磯輪社長のブログにすでに掲載されています( ここをクリック)。2008年から毎日続けておられ、これが社員やお客様との距離を縮めています。

●この内容は、2012年8月2日 中部経営品質協議会 組織力向上セミナーのメモです。
見えないところに踏み込む経営 2012年 7月21日(土)

高知にある四国管財では、もう社員の人生まるっと引き受ける経営がされています。2008年に中澤社長にお話を伺った時のメモをまずご覧ください。

ここからさらに進化しています。トラブルが起こる原因であがる項目は「現場、内容、道具、能力、年齢層、熟練度、時節、天候」。これらすべて社員ではなく、会社の責任と捉えて社員さんの声を聴く努力をし、改善・解決をされていました。これだけでも社員さんからもお客様からも信頼いただける経営です。中澤社長によると「不具合から逃げない」と決めてみたらできるもんだよとおっしゃってました。「だまされたと思ってやってみてください。1つ2つ事例が出てくるとわかるから。他社の事例より、自社の事例が社員の心に伝わります。」

ところが、これらは「見える」原因であって、「見えない」ところにも原因があると、ある時気づかれたそうです。一つには、それだけではクレームが減っていかなかったこと、もう一つは、家庭が円満でないと、人は働けないことがわかったことです。

勤続10年のベテランさんが、「夜勤もやりたい」というので、シフトを追加したところ、幾日かして、発狂のような状態になってしまいました。聴いてみると、旦那さんを亡くされ、その後しばらくして今度は息子さんを亡くされるというつらい出来事があり、全く眠れなかった。どうせ眠れないし働けば気がまぎれると思って夜勤を申請したのです。何の疑問ももたずに夜勤をいれてしまったけれど、理由を聞いたりすれば、防げたかもしれない。

その思いが、こうしたストレス=見えない理由もひっくるめて「逃げない」ことを中澤社長に決めさせます。仕事の面では、些細なことを伝える、話し合う、ということはできていたものの、仕事以外というところに目を向けられました。中澤社長と幹部のお二人が1年間産業カウンセラーの勉強をし、2人がカウンセラーとなりました。また仕事以外の相談をする組織と窓口「ドリームサポーター」を別途設け、社員さんやその家族など地域の方誰でもOK。「意見を言ったら返ってくる会社」でありたいから、連絡できる手段をいろいろ用意、話しやすい環境を整えました。 その成果もあり、いまでは社員さんの65%が「仕事以外の相談をする」に“○”をつけているそうです。そしてクレームも減っています。

・必ず1コールで電話に出る。
・社員さんが掃除でこわしたものの値段の高い低いは関係ない
・自己申告率70%。一方でクレームで客様から解約されたことは一度もない。

そんなに素直に自分の失態を電話するものなんでしょうか。そこには決意と必ずやるという日々の姿が社員さんに伝わっています。

上記に加え、採用では面接を自宅でする(!)ということを始められています。家を訪問すると見えないところが見えてくるのだそうです。
有難いこと、すごいこと、嬉しいこと、感動したことなどなど社員さんに聞いています。講演最後に放映された感動ムービーには8つのエピソードが入っていました。これが泣けるものばかり。闘病後、戻ってきた社員を「おかえりなさい」という垂れ幕で迎えたり、結婚式があげられず、二人っきりでレストランでお祝いしていた仲間にサプライズでその場でバージンロードをつくり、神父役もかってでて結婚式にしちゃったり。思わず涙があふれてくるくらい社内の連携の良さと思いやりを感じます。見えないところに課題がある。

「簡単に解決できることはない。一つひとつ対応する。なりたい姿は決まっているのだから」by 中澤社長

●この内容は、2012年7月21日 京都経営フォーラムのメモです。


木こりとノウハウ 2012年 7月16日(月)

先日、ボロボロの包丁でもプロの料理人は食材の切り口をよく手入れされた包丁で切った時とほぼ同じ切り口にできると知りました。

そこで思い出したのが、「7つの習慣」の挿入話。
旅人が森で木を切ってる人に出会いました。あまり切れてないので、「刃を研いだらどうですか?」と木こりに提案すると、「今、オレは木を切るのに忙しいんだ!」ととりあわない。この木こりは目の前のことに一生懸命になるあまり、将来のために刃を研ぐことを忘れてしまっている、そうならないように学ぼうねというお話です。

ボロボロの刃でもシャープに切れる・・・。 てことは、この木こりも、ひょっとしたらプロだったら刃を研がなくても木を切ることができる?

という仮説を立ててみた。

プロの料理人に話を戻すと、どうして切れない包丁でシャープな切り口を実現できるのか。

身体をまな板から45度の角度で立ち、包丁を肘で動かし、刃の移動範囲を長くとる。
このノウハウを知っていれば、刃を研いでいなくても、紙の名刺であっても力をあまりかけずにシャープに切れます。
ただ、このノウハウを知っていたとしても駆使できるまで何度も練習し、習得する必要があります。

木こりは、木を切る道具と知識と技術はもっている。
どうやったら効果・効率的に切れるか、将来を考えて動こう、という概念化能力はない。
つまり、ただ切るだけの能力とノウハウを身につける能力は違うのだというとことかな。

刃を研ぐことも、ある意味、ノウハウ。刃を研がなくても木を切ることはひょっとしたらできるかもしれない。そのためには、「切る」という本質を捉えることが必要。よりよくしていくためにとことん考え、ノウハウを習得し、スキルアップしていけたら、どんどん面白くなっていくだろうな。まだある、何かある。日々、目の前のことだけではなく、将来を見据えながら、本質を追求し、自分の能力を高めていくことが自己実現だったり、成長へとつながっていくはず。組織の中で、試行錯誤しながら新たなノウハウを見つけ出す人がたくさんいたら、楽しそうです。


職人を絶対に絶やすな 2012年 7月14日(土)

「一針入魂」

これは、ポーターやラゲッジレーベルなどのブランドで有名な吉田カバンの社是。 自らも職人であった創業者の言葉である。
そして吉田カバンの大切にしていることがもう一つ。

それが「職人を絶対に絶やすな」

吉田カバンは自社工場を持たない。「そっか、中国で生産ね」と思ったら違った。日本で生産! しかもそれは小さな工房のカバン職人さんたち。一つひとつ図面通り正確かつ使う人のことを考えひと工夫するなど丁寧に縫製している。
知らなかった。だって、名古屋でも、ラシックにも直営店があるし、ナディアパークのカバン売場も大々的にあるし、他のデパートにだって取扱いがあるし、吉田カバンっていたるところで売られているから。
そっか、それだけ多くの職人さんと吉田カバンは二人三脚で大きくなってきたんだ。

そんな日本の職人さんたちの雇用を守るために、吉田カバンはどんなことをされているのか。

  • 価格を守る
    値下げしない=工賃を守る
    広告はうたない。
  • 新商品開発による生産数量確保
    春秋に新製品を発表し、その中から次の定番商品となるものを生み出す。
    デザイン面では、「機能性」「丈夫さ」「使いやすさ」の追求。
  • 品質向上と職人の技術向上
    誰がつくったか個単位でわかる。(顧客目線の意識)
    修理はそのカバンを縫った職人に依頼(改善の要求)。
    デザイナーとともに新たなデザイン(縫い方)に挑戦。
  • 職人技の継承
    社員を修行に出し、技を習得/開発時間の短縮、縫製面からのデザインの可能性追求、縫製時間の短縮など
このデフレの時代、値下げをしないでモノを売るという。お客様が支持する強力な商品力あってこそ。
そして、それは、吉田カバンのデザインと職人さんたちの技術とが支えている。ある職人さんはこう言う。

 「吉田基準でものをつくらないと」

15年使ったカバンを修理で受けた職人さんは笑顔だった。「自分が作ったカバンをここまで使ってくれると嬉しいよね。結構丁寧に使ってくれています。」。ビニールの内ポケットとボタン、ポーターのロゴの縫い直し。もとの縫い目と違うことなく、まるで新品のようによみがえった。

吉田カバンで一番スゴイと言われている職人さんのは自分の作ったカバンを使っている人を見かけると、必ず声をかける。

 「どこか使いにくいところはないですか?」

「一針入魂」を貫き、Made in Japanを守る吉田カバンと職人さんのプロフェッショナル魂に感動。
吉田カバンのバッグって実用的で若い男性向きってイメージが私には強い。hide含め、周りの男性はラゲッジレーベル時代から結構使っているし、よく見には行くものの持ってない。最近は女性用のもあるし、Made in Japanを応援できるからいつか買ってみようと思ったfoxryoでした。

●吉田カバンURL:http://www.yoshidakaban.com/
 この内容は、テレビ東京「カンブリア宮殿」2012年7月12日のメモです。
近日いろいろセミナー 2012年 7月 4日(水)

最近、いろんな勉強会に参加しています。経営品質関係はもちろん、真人間になるような研修など。今、行きたいのは以下4つ。

挑戦する勇気が心に響く栗城さんのはいけるかなぁ。京都は7/21のみいきます。てっぺんの大島さんも師と仰ぐ西田先生のはhideと二人でいきます。元世界銀行副総裁 西水美恵子さんのは絶対いきます。

今日、定時の日のメルマガに、「日刊スゴイ人!」というメルマガを紹介しました。これを読むと、ポジティブな時は、世界には本当に自分のやるべきところでやるべきことを真摯に続けてさらに上を目指している人がいっぱいいるから顔晴ろう、って思うし、ネガティブな時は、才能のある人は違うよねというのを繰り返しています(笑)。

「人は死ぬまで成長する」という日野原先生の教えを頭の片隅に、まだまだできる、って思いつつ、顔晴ります♪ 

その時に大切なのは、声を使って「制御しようとする方の脳」を抑えること。脳を身体を解き放つ不思議なリズムがあるのです。
ご興味のある方はNHKの「ためしてガッテン」の「リズムで脳を刺激せよ!」2012.6.27をご覧ください。

そうして磨いた自分のなんらかの力を、人生のさまざまな場面で発揮できればなぁと思う今日この頃です。
地域力とは 2012年6月19日(火)

「国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたがこの国のために何ができるのかを問うてほしい」
1961年ケネディの大統領就任演説の一節。パネルディスカッションの冒頭に、コーディネーターの鬼澤さんは、セーラさんが引用されたこの言葉がケネディの墓に刻まれているのとともに、隣にあったケネディの弟さんのお墓に次のような言葉が刻まれていることを紹介されました。「あなたの想いがこの地域を変える」という今回の伊那経営フォーラムにピッタリな言葉。
そのお墓には水がはられているそうです。
「水面に石を投げ込むと波紋になる。私の力は小さいが、波紋を起こす最初の小石となろう」
この投げかけを受け、伊那食品工業の塚越会長の厳しくも有難い言葉が・・・。それはおいといて、レポート続けます。

  • 会社の目的は「お互いが快適で幸せになること」by 塚越会長
    人間だけが資源を使っている。ちゃんとした人間がいれば資源を大切にできる。人間の営みのすべてはなんのためにあるのか。行政、会社、地域、いろんな組織の営みがある。本当の目的は、「お互いが快適で幸せになるために」である。なのに多くの組織は、この動機から離れていく。相場や為替などの経営環境の変化にリストラなどで対処している。このようにあらゆる組織のもとになる経済活動が人を幸せにしていない。会社の目的がずれている。
    改革とは「原点に戻ること」

    働く人に雇用を創る。大きく売り上げを上げよう、大きく成長しようというのは間違った風潮。生き残ることは必要だが。
     
  • 国内へ投資を by 塚越会長
    社員を幸せにするためには、倒産しない会社を作る。実力以上、必要以上に成長させない。強引になりふり構わず大きくなるのはどうか。日本の企業3000数百社のうち、半分は無借金。成長を追い求めて海外移転し、国内への投資をしない。やることはいくらでもある。たとえば、生産設備の購入、本社を建て直す、働く人の環境を良くする、街づくりのためにお金を使うなどなど。お金が回って国が良くなる。
     
  • 自分が何ができるか by 塚越会長:
    ミラノからスイスに列車で移動すると、国境で風景が変わる。スイスに入ると綺麗。スイスが穢かったら、高級時計は売れない、ネスレのチョコも売れない、そしてエビアンも売れない(アルプスの水)。国が、一人ひとりがブランドを創り上げている。
     
  • 若い人はチャンスがあれば期待に応える by セーラさん
    だから、機会、場を与える。周りが良くなってはじめて自分もよくなる。
     
  • 挑戦する人ばかりがいればいいわけじゃない by 塚越会長:
    一見、挑戦する人ばかりがいる組織がいい組織と思われるかもしれないが、うちは野心家はいらない。一見小市民かもしれないがそういう人の集まりの方が、いい会社、いい地域になる。
     
  • これからは5次産業 by 塚越会長:
    1次産業、2次産業までは成長する。その次は、3次産業。我が国は「ものづくり」という言葉が邪魔して、3次産業への対応が遅れた。2次+3次=5次 自分で作ったものを自分で売るということを始めた。
    これからは地方の時代。いくつもの産業が錯綜している方が良い。
     
  • 歴史に原点を見つける by セーラさん:
    樽は、最初に密封性が必要なお酒に使われ、次に醤油、そして最後に味噌へと使いまわされる。資源が有効活用されている。ステンレスより割高になるが、価値の持ち方を考えるべき。日本の伝統がそこにある。

    歴史は脈々とうけつがれているか。漆も同様。その後ろに多くの人がかかわっている。漆は弱いと思われているが、それは高級品のイメージを持たせようとした間違い。漆は落としても割れないし、欠けても塗りなおせば戻る。漆を再生することで多くの人に雇用機会を提供でき、町おこしができる。 by塚越会長

    市の職員には、伊那節を歌えるように、蕎麦打ちができるように、と言っている。乾杯は地酒。日本全国に駒ケ岳は16か所ある。伊那から見えるのは2つ。地域を知るということから、地名も由来とともに大切にしたい。職員=市民であるから。 by 白鳥市長

    伊那食品工業では県歌である「信濃の国」を朝礼時に流している。3番まで歌えるようにw by 塚越会長
     
  • 困ったことが美しいもの、新しいものを生む by セーラさん:
    悩みがあるときこそ本気で考えられる。50代と20代をつなぐのが小布施ッション。美意識と歴史を深く考える。
    たとえば、農業。水田が減っている。儲からないから苦労するからと親の世代が農業を継がせたくないという。何でも安ければいいでは引き継ぐべきものも引き継げなくなる。今ならまだ伝承に間に合う。
     
  • 地域力とは地域のことが好きな人を増やすこと by 鬼澤さん
    そのためには歴史の教育に鍵があるかも。内が大事ではなく、外が大事という意識を変えていく。

    地域の伝統を見つめ、引き継いでいく。今、かやぶき屋根の再生にも取り組んでいる。家の中ばかりにいないで1日の半分、外に出てフレッシュエアを吸ったらいい。 by セーラさん
    地域の歴史に興味を持たせるきっかけを作ることが大事。いまの教育は一律すぎ。田舎なのにビオトープを作らせるのはおかしい。伊那の子供たちには雨の中でも火が焚ける、魚がさばけるようになってほしい。生と死を認識し、本物の生きる力を持ってほしい。 by 白鳥市長

    地域にとって大切なのは知恵を持った人である。震災以来、これからの日本に何が大切かはハッキリした。エリートと呼ばれる人たちに知恵はなかった。知識は役に立たない。役に立つのは知恵っである。知識は、体験という触媒で発酵すると知恵になる。 by 塚越会長
●この内容は、2012年6月16日 伊那経営フォーラムでの内容です。
 ちなみに、これまでの伊那経営フォーラムレポート一覧はここをクリック
意思のあるところ道は開ける 2012年6月17日(日)

9年ぶりに台風娘のセーラ・マリ・カミングスさんのお話を伺った。 あの頃と変わらぬ「北斎も愛した小布施の美しい日本の伝統文化を次につなげていく」という高い志を持って様々なことに取り組まれ、いまは後継者育成にも力を入れていると感じた。

枡一のお酒の再生、蔵部(レストラン)での伝統料理、客殿(宿)での伝統建築、樽や瓦の再生、農業の継承、小布施ッションでの伝統美再発見、小布施見にマラソンなどなど、セーラさんが取り組んできたことをあげればきりがない。


それらは、すんなりできたわけではない。反対されるのは当たり前。提案すれば、100のできない理由をあげられる。だから100のできる理由を持参して臨んだ。できる道が1つでもあればできる。

また、反対する人は、実は熱い思いを持っている。だから聴く耳を持つことが大事。欠点だけでなく、いいことを言うことも大事。そして一番大切なのは「原点に戻る」こと。

反対は自らを鍛えてくれた。いまではアイディアに対して「いい」と言われると考え直すほどに。何か足りないかな、大丈夫かなとか。「ダメ」と言われることは、「ため」で考えると動き出す。「×」だったものも、流れが生まれれば回転して「+」になる。前向きにとらえていくこと。原点は「人の為」になるということ。人の為になることは継続する。

これらの取り組みの成果として、多くの外国人が訪れ、日本中からも観光客が訪れるようになった。でもそれは、セーラさんの思いとはちょっと違う。住民の人たちが地域の伝統文化自慢できること、いい街だと自慢できること、そして、それらを自ら引き継いでいこうとすることにつながっていくことを願っている。日本人、特に小布施のあたりは長寿なので、まだ伝統を断ち切らずにつないでいくことができるとセーラさんはいう。
「次の世代にどんな未来を届けるのか」この思いを胸に、セーラさんはこれからも愛する小布施の「人の為」に自ら波を起こしていくことだろう。

●この内容は、2012年6月16日 伊那経営フォーラムでの内容です。


働きたい人に仕事を作る 2012年6月13日(水)

「戦後の日本では“俺が働く場を作ってやる!”という気概をもってがんばる人がどこにでもいた。」

by 安藤忠雄さん(建築家)
この言葉を聴き、うちの創業者もその一人だと、誇りに思う。
戦前(1934年:昭和9年)に作成された会社の設立趣意書には、次の通り記されている。
  • 働きたい人に仕事を作る
  • 愉快な工場を作る
  • 輸入産業を輸出産業に
翻って今はどうだろう。
昨日、テレビ東京の「ガイアの夜明け」で本腰を入れてミャンマーに工場進出しようとしているアパレル会社が取り上げられていた。

 「もう中国で作っても、コストが合わない。」

その危機感を抱えながら、新たな縫製拠点を探していた。
中国一極集中は、政治的にもリスクがあるし、賃金高騰でコストがあわない、というのが一般的。 そして、みな一様に、フィリピン、タイ、ベトナム、バングラデシュといったアジア圏と、ハンガリー、チェコ、スロバキアなどの中欧圏に拠点を置いたときのリスクとベネフィットを試算している。

「日本での雇用を守りたい」とカッコよかったマツダも、「国内工場のみで生産していたスカイアクティブ関連技術や部品の生産についても、中国、タイやメキシコなども含め検討する」と先週発表した。

  • 販売先は新興国
  • したがって製品開発は新興国のお客様が購入しやすい単機能の格安製品
  • 生産拠点は、賃金が安く、部品調達や物流の便が良いところ
みんな、同じ戦略でいいの?

 「働きたい人に仕事を作る」

この気概を持って、日本で何か新しいことができないか。
戦後の日本人にできたことが、今の日本人にできないわけがない?

安藤忠雄さんの建築の原点にあるのが、フランスの片田舎にあるル・コルビジェ設計の石積みの教会。ここには週末たくさんの人が集ってくる。建築とは人が集うところを創ること。安藤さんはまさに第三の石切工。そして、これが安藤さんにとっての「働きたい人に仕事を作る」につながること。

うちの会社の被災地復興支援の今年度方針は、「仕事づくり」がキーワード。DNAは生きている。
では、自分には何ができるだろう。閉塞感を打ち破るまではいかなくとも、何かを考え、行動に移していきたい。うん。
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きつねのお仕事
景気が低迷する中、株価を上げ、最近少〜し有名になってきたメーカーの会社員です。 お客様や市場の変化を素早く察知して、その変化に柔軟に対応することのできる「At Your Side」な企業文化を持つ組織作りを後方支援しています。
経営品質協議会認定アセッサー

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